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父(享年75歳)の7回忌を迎え
父を思い出す事が最高の供養だと思い
この連載を書くことにしました
父(三男)は熊本の貧しい農家の
4番目の子どもとして生まれました
一番上の姉(初子)を筆頭に
その下には男五人(一男・二男・三男・四男・五男)
の6人姉弟そんな父と私のお話です
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初めての方はこちら から
父が眠るお墓も決まり
母は自分の名前も赤文字で入れると言う
「そうね
お母さんもこのお墓にいずれ入るわけだし
お父さんも自分の名前だけじゃ~
淋しいかもしれないもんね」
すると兄が言った
「俺の名前も入れといてくれない
俺もこの墓に入るから」
「聖子さん(義姉)は入れない方が良いよね」
「もちろんだよ
あいつはたぶん・・・この墓には入らないんじゃないかな」
.
兄たちの夫婦仲は冷め切っていた
.
万が一、熟年離婚という事もあり得るため
お墓に名前を入れるわけにはいかない
.
「兄ちゃんのところは娘2人だけだから
結局、このお墓に入るのは3人だけなんだね
まあ、聖子さんが入っても4人
私も・・・このお墓に入りたいわぁ~
だって気兼ねしないで良いもんね
良ちゃん(旦那)の方のお墓は
何代も前も知らない人がいっぱい入ってるんだもん
気使っちゃうわ~」
「姉ちゃん、そんな先の事まで考えてるの」
妹の香織が笑う
仏壇も購入し、納骨の日を迎えた
.
ピカピカのお墓に父は眠る
.
何だか、ひと段落したような気持ちになった
しかし、まだまだ完全に全てが終わったわけではなく
今後、ひとり暮らしになる母のことも考えないといけない
.
それで、兄妹集まることにした
.
私が実家に着くと~母が泣きそうな顔で
バタバタと何かを探している
「おはよう何探してるの」
「ここに置いてたお金がないのよ
10万円下ろして封筒に入れてたんだけど・・・
もしかしたら~さっきのゴミ出しに
間違って出したかも」
「えっ10万円
見て来ようか」
「さっき収集車が来て、追いかけたけど
間に合わなかった」
そこへ兄と妹がやって来た
私はふたりに10万円を失くした事を話した
母は「どうしよ~」と今にも泣きそうである
「どこかにしまってあるんじゃないか」
「だって、朝~ここに置いたの
ゴミ出しをして戻って来たら・・・無かったの
どこを探してもないのよ
きっと、ゴミと一緒に出してしまったんだわ」
すると兄は言った
「心配するな
俺たちが出してあげるから
なっ」
そう言って私と妹を見る
「俺が出す」と言わないところが
聖子さんに尻にひかれている兄らしい
結局、私と妹は3万円ずつ
「兄ちゃんを立てて、4万円出させてあげるわ」
「有難迷惑だけど・・・サンキュ」
ノリは良い
.
母も気持ちが落ち着き~
不思議な出来事があったと話し出した
朝、線香をあげようとした時
ろうそくの炎がゆらゆらと揺れ
ボーッと勢いよく燃え上がったらしい
母は火が他に燃え移っては大変と
窓を閉めようとしたが「どこも開いてはいなかった」
と言う
お金の事と言い、ろうそくの事と言い
不思議ではあるが・・・母はまだボケてはいない
「お金の事はわかんないけど、ろうそくは~
お父さんの悪戯かも知れないね」
私が言うと、母は
「そうそう昨日、お父さんが寝てたのよ」
と変な事を言い出した
もともと霊感が強い母である
初子伯母さんが亡くなった時も
県外に居るはずの伯母さんが
その時間に母にお別れの挨拶に来ている
朝起きると、気配を感じた母は枕元を見た
すると~母と垂直になる様に父が
畳の上に寝ていたそうである
他の日には・・・
「母さん母さん
そろそろ起きた方が良いんじゃないか」
と言う父の声で目が覚めたと言い
また別の日には・・・
寝ている母の手を父が握ったと言う
「お父さんのコロコロと丸い手だったから
間違いないわ」
「お父さん、そんなにチョクチョク現れてるの」
「そうねぇ」
「お母さんが、淋しい淋しいって落ち込んでるから
心配で堪らないんじゃない」
私も幽霊でも構わないから、父に会いたいと思った
「コーヒーでも飲もうか」
私が言うと
「よし俺に任せとけ」
淹れてくれるのはいつも兄である
妹が「これ、美味しいのよ」と買って来た大福を出す
美味しいものを買って来てくれるのは、いつも香織
ん私
座って指図して食べるだけ
母は「なんかお菓子がないかしらね」と
戸棚をゴソゴソと探しだした
「あらこれは何の箱かしら」
その箱を開けて母は驚いた
その中に無くなっていた10万円入りの封筒が入っていた
「お母さん、そんなとこに入れてたの」
だが、母はそこの戸棚は何週間も開けていないし
そんなところには、なおして(しまって)いないと言う
もしかしたら、朝のろうそくは
「お父さんが『心配するな』って言ってたのかもね
きっと、お父さんがお金を探して
あの箱に入れてくれたのよ」
母のいろいろな話を聞き
父は母が心配で心配で、なかなかあの世で落ち着けず
母の近くで見守っているのではないかと思った
お父さんも大変ね
~(205)へ続く~
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