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父（享年７５歳）の７回忌を迎え
父を思い出す事が最高の供養だと思い
この連載を書くことにしました
父（三男）は熊本の貧しい農家の
４番目の子どもとして生まれました
一番上の姉（初子）を筆頭に
その下には男五人（一男・二男・三男・四男・五男）
の６人姉弟
そんな父と私のお話です
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初めての方はこちら から
あかり（娘）が２０才の誕生日を目前にひかえ
成人式の着物
をどうしようかと私は考えていた
私の振袖をあかりに着て欲しいと思っていたのだ
しかし～好みも違うし、流行もある
何ヶ月も前から、振袖レンタルのダイレクトメール
が届き
色とりどりの今どきの振袖が格安で載っていて
あかりはレンタルしたいと言うのではないかと思っていた
私の振袖を・・・「取り敢えず見て
」と
あかりに見せると
「かわいいこれ着る」
と言ってくれた
それは・・・父と母が私のために買ってくれた物だった
とても裕福とは言えない家庭だったのに
高価な振袖を無理して買ってくれたのだ
当時、今のようにレンタルなどしてくれるところは
近くにはなかった
私は｢洋服でも良いよ
｣と言ったが
「成人式はみんな振袖でしょ
心配しなくても大丈夫よ」と母は言った
その後、私は母が月々ローンで払ってくれているのを知った
それなのに、数えるほどしか着ていない
だから、もっともっと
日の目を見せたかった
一時期は袖を短くしてリフォームしようかとも思ったが
『あかりが成人式で着るかもしれない
』
とそのままにしていた
淡いピンク
のあかりにも似合いそうな色合いである
私は写真館で記念写真を撮っている
もちろん、あかりも記念写真を撮るつもりでいる
『私とまったく同じではイヤだろう
』と
帯と小物類だけレンタルすることにした
当日、メイクは自分ですると言っていたが
せっかくなのでプロにしてもらうことにした
晴れ着姿のあかりは想像以上に可愛い
「わ～可愛い
アイドルみたい
」
何とも親バカな発言であるが、あかりも
「いや～自分でもお化粧でこんなに違うのかとびっくり
やっぱりメイクしてもらって正解やった
」
大満足な様子であった
昔、私の晴れ着姿を見て
「うわ～可愛い
ほんとに可愛い
世界一可愛い
」
と何度も何度も「可愛い
」を連発した父を思い出す
『お父さんにもあかりの晴れ姿を見せたかった』
と涙が溢れた
～（207）へ続く～
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