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父(享年75歳)の7回忌を迎え
父を思い出す事が最高の供養だと思い
この連載を書くことにしました
父(三男)は熊本の貧しい農家の
4番目の子どもとして生まれました
一番上の姉(初子)を筆頭に
その下には男五人(一男・二男・三男・四男・五男)
の6人姉弟そんな父と私のお話です
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初めての方はこちら から
父の7回忌の法要を済ませ、みんなでお墓参りに行った
永遠に父が眠る青木家のお墓には
母と兄の名前も刻まれていた
以前、占い師の細木数子さんがテレビで言っていた
「夫は妻の方のお墓参りに行ってはならない」
理由は~夫側の御先祖様方がやきもちを妬いて
良い事が起きないらしい
『そんなこと関係ない』とは思っていても
聞いてしまうと何だか気になるものである
父のお墓を立てた時に
旦那と義弟(妹の旦那)にその事を話した
しかし、二人とも
「そんなこと気にしないよ
お義父さんの墓参りの何がいけないかわからない」と言う
この日も~旦那や義弟はお墓をきれいに拭いてくれる
子ども達はお花を挿したり
お供え物を供えたり
わいわいガヤガヤと~何とも賑やかな墓参りである
賑やかなのが好きだった父はきっと喜んでいるに違いない
墓石の下段には、手前に観音開きの扉があり
中にはお骨が納められていて
いつもは鍵が掛かっていた
母はしゃがみ込み扉の鍵を開け~中を覗きこんでいる
「何してるの」私は聞いた
母は骨壷を取り出し、蓋を開け中を確認した
「お父さんがおとなしく居るかなと思ってね」
ニコニコしながら言う
ときどき大胆な事をする母にみんなは大爆笑
「お父さんも静かに眠っていたのにびっくりね」
妹が大笑いする
「『恥ずかしい』って言ってるんじゃないの」
私も笑った
まだまだ母は完全に立ち直ったとは言えないが
以前のように「淋しい淋しい」と泣く事はなくなった
笑顔も見せるようになり、私たちも安心である
私は母に話した
「昨日、お父さんの夢を見たのよ」
すると母はちょっと怒った顔で言った
「まあ~呆れた
最近、お母さんのところに現れなくなったと思ったら
まゆみのところに行ってたのね」
「お母さん、やきもち妬いてるの」
「そんなんじゃ~ないわよ」
母は女子高生のようにプ~っと膨れた
母は昔っから、少女のように純粋な一面を持ち
父はそんな母を「世界一可愛い女性」と称していた
父が亡くなるまで、新婚さんの様に仲が良かった両親
何より私たち子供にとってそれが幸せだった
賑やかで面白く、いつも優しく話を聞いてくれる父
調子に乗りすぎる父を叱る母も
ちょっぴり天然で・・・私たちを笑わせてくれた
私の理想の夫婦であり、子育てのお手本であった
しかし・・・母が私にポツリポツリと話し出した
「お母さんね、今まで誰にも言ったことが無いんだけど・・・」
「どうしたのなに」
「お父さん~好きな人が居たんじゃないかって思うの」
「あ~インドネシア人の・・・なんて名前だっけ」
「違うよ
その人は外国の人だから、何とも思ってないよ」
母の話によると、父が社交ダンスの先生をしている時の
生徒さんで、母より10才くらい年下
(と言っても50代半ばくらい)の社交的な女性が
「青木先生~一緒に踊ってくださ~い」
と、いつも甘えた声で父に近づき
父もまんざらではない様子で
鼻の下を伸ばしていたようである
当時、母もかなりダンスは上達していて
父のアシスタントとして同行していた
その母の前で「先生、お菓子作って来たから食べて」とか
「今日、家まで送ってもらって良い」などと
まるで自分の彼氏に接するかの様な態度に
回りの人からも「あの二人は怪しい」とうわさが立ち
母にも「大丈夫」と心配して言ってくれる人もいたらしい
だんだん母もそんな目で見てしまう様になり
ある日、父に聞いたそうだ
「○○さんの事が好きなの
うさわになってるよ」
すると~父はきっぱりと
「父さんが好きなのは母さんだけだ」
と言ったそうである
「それから、お母さんはどうしたの」
「お父さんが、そう言うんだもん
信じるしかないでしょ
でも、お父さんは社交的な人が好きだから・・・
もしかしたら、その人の事が好きだったのかな
ってときどき思ったりするのよ」
「まあ~確かにお母さんは社交的ではないよね
でも、お父さんが社交的だから・・・
逆にお母さんの様な人が良かったんじゃない」
「そう思うことにしようかね」
幸せそうに見えた両親の間にも
そんな事があったのかとびっくりだったが
もし父が浮気をしていたとしても
誰かが父の事を悪い人だと言ったとしても
私は、父を嫌いになったりすることはない
そう思わせてくれたのは、父の人柄もあるが
母のお陰である
子供と父親の関係は母親が鍵を握っている
と私は思っている
それは兄や妹の家庭を見ても感じる事なのだ
義弟は妹の香織より1才年下だが
かなりの亭主関白である
現在、保育士2年目の長女と大学生の長男
今度高校生になる次女が居る
子供たちにも厳しく、外泊は親戚宅でも禁止
携帯電話は大学に入り、やっと許可される
車の免許は、父親のミッションをクリアしないと取れない
(長女は~保育園で働きながら、簿記3級合格だったような・・・)
長女が高校生の時~香織に「うるさい」
と言ったのを義弟がたまたま聞いていて
鼻血が出るほど殴られ「帰って来るな」と
寒空に投げ出されたそうである
ある日、長女に聞いた
「お父さんのこと、どう思ってるの」
「こわい
でも、大好きだよ
お父さんは厳しいけど、私たちの事を思ってのことだし
言うだけのことは自分もやってるし~尊敬してる」
香織は私や母には愚痴るが
子供の前で旦那の悪口を言うことはない
「お父さんの言うことが正しい
お父さんは言うだけやる人だ」
と子供たちの前では旦那を立てるし
従順に旦那の言うことは聞く
私には真似できない
だが、義弟は香織が居ないとダメな事を私は知っている
香織がちょと機嫌が悪い時~
「香織ちゃん香織ちゃん」と機嫌を取っていた
香織が義弟を手のひらでコロコロと転がしている感じがする
姪や甥たちは3人とも素直で我慢強い
「厳しいお父さんも良いのかな」
あかり(娘)にそう言うと・・・
「うわ~無理無理」
うちの旦那はいつも優しく怒ることもほとんどない
あかりはそんな父親を尊敬している
兄も旦那と同じで優しい
私にとっては、父の次に理想の男性だった
しかし、かわいそうに・・・現在~家に居場所はない
工場で働く長女と理学療法士として働く次女は
小さい頃はお父さん大好きっ子で
子煩悩な兄も目に入れても痛くないほど可愛がっていた
しかし・・・兄嫁は娘たちの前で
「お父さんは何にもしない」
「いつもゴロゴロしている」
と愚痴ばかり言い
うちの実家に来た時でさえ
私たちの前で兄の愚痴ばかり言っていた
娘たちが中学生の頃、兄は単身赴任で家を離れた
2年前に長かった単身赴任を終え、家に帰ると
娘たちは兄を邪険にする
「お父さんはゴルフばかりに
お金を使ったんでしょ」
と言われたらしい
兄が単身赴任の間、兄嫁が
「お父さんの給料が少ない
こっちにはあまりお金をくれないから
お母さんが働かないといけない
お父さんは自分ばかりでお金を使っている」と
ずっと言っていたそうである
兄は「出来るだけの金額を振込み
自分は飲みにもあまり行かずに
質素な生活をしていた」と言う
どちらの言い分が本当なのかわからないが
内訳を聞くと~十分すぎる金額を家には振り込んでいた
娘たちには家計の事など言わなければわからないのに
どうしてそんな風に娘たちに伝えたのか
私には理解できない
娘たちの中には【ダメな父親】のイメージが
出来上がってしまったのだろう
兄が娘たちと、大人同士の話をしようとしても無視され
兄嫁とも必要以外は会話が無い
家に居るのが息苦しいと兄は言う
子どもは母親の言うことを疑いもなく信じる
母親が父親を「素晴らしい人だ」と言うとそう思うし
反対に「ダメ人間だ」と言うとそれも信じてしまう
と言うことは・・・母親次第で
父親はどんな人間にもなってしまう
尊敬できる父親になるには~
父親自身の頑張りは元より
母親が子どもに父親の事をどう話しているか
が大きなポイントだと思っている
子どもが父親を好きでいる事はプラスになっても
マイナスにはならないと思う
お母さんたちにはもっと賢くなって欲しいと願うばかりである
【お父さんっ子】万歳
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長い間【お父さんっ子のすすめ】読んで頂き
ありがとうございました
皆さまからのコメント、ほんとに有難かったです
後半はいろいろとプライベートで忙しく
思うように更新出来ませんでしたが
「次章楽しみにしてます」と
コメントやメッセージを頂き恐縮です
次回からは私の今までの職歴を交えながら
大好きな人間観察を題材にして
書いてみようかなと思ってます
よろしかったら、引き続き読んでくださいね
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