初めての方は こちら から
今回は~初めてアルバイト(高校1年)した時のお話
友人M子から、知り合いの蒲鉾屋さんが
年末3日間だけのアルバイトを探しているから
「一緒にしない」とお誘いがあった
「お母さん、M子と一緒だから良いでしょ」
「バイトなんてやったことないでしょ出来るの」
「大丈夫」
私はM子と12月29日~31日の3日間
アルバイトをすることになった
初日はそこで働くパートのおばちゃんに
業務用ラップの掛け方を習った
蒲鉾屋と言っても・・・蒲鉾だけでなく
コロッケやうどん&そば麺なども
売っている様なお店である
市場の中のお店は活気があり
年末と言うこともあって、買い物客でごった返していた
初めてのアルバイトで立ち仕事は結構きつかったが
楽しくて時間が経つのが早い
「まゆみちゃん、そっちは良いから
販売の方を手伝ってちょうだい」
「はい」
年越しそばを買っていくお客さんが多くて
販売の手が足りなくなったのだ
ひと通り説明を聞き、店先に立った
「この蒲鉾と牛肉コロッケ3個ちょうだい」
「はい」
私は不慣れな手つきでコロッケを袋に入れ
その袋をお客さんに手渡し、お金をもらう
「ありがとうございました
また、お願いします」
ままごとの様で楽しかった
私、この仕事~好きかも
「いらっしゃいませ~」
パートのおばちゃんの真似をして呼び込みをする
だんだん慣れて来て、調子付いて来た頃
一気にたくさんのお客さんが来て~てんてこ舞い
「そばを6玉と伊達巻きと野菜コロッケ6個」
「野菜コロッケ3個とカレーコロッケ5個」
「ちゃんぽん麺とスープ4個ずつ」
「そばを5玉ちょうだい」
「はは・・・はい
ちょ・・ちょっとお待ちください」
誰かに助けを求めようと回りを見渡すが
それぞれが忙しそうにしていて、自分でやるしかないと思った
「あっ・・・お待たせしました次のお客様は~
野菜コロッケ3個とカレーコロッケ5個ですね」
私は大きなバットに並べられた野菜コロッケを
3個袋に入れた
そしてその隣に並んでいるカレーコロッケを
5個入れた(はずだった)
「ありがとうございました」
お客さんが落ち着いた頃に、女性店長が商品の補充をしに来た
「まゆみちゃん、この野菜コロッケをここに並べて頂戴」
「あれここはカレーコロッケじゃないんですか」
「カレーコロッケはこっちでしょ
間違えたの」
『やばい間違えた』そう思ったのに~
「いえ・・・」
本当の事が言えなかった
咄嗟についた嘘が自分を苦しめた
『黙ってればわからないよね
いまさら、間違えたなんて言えないわ』
まだ若かった私はそう思った
1日目のバイトが終わり、家に帰ってからも
間違えた事が頭から離れない
そのお客さんが食卓に並べたコロッケを食べ
「カレーコロッケが入ってないじゃない」
怒り狂って怒っている姿が浮かぶ
『うわっ怖い怖い』
2日目、重い気持ちでバイトに出かけた
「まゆみちゃん、今日も販売お願いね」
店長から言われ「はい」と答えたが
内心『出来れば裏方が良いな』と思う
「いらっしゃいませ」
いつの間にか~朝の重い気持ちは吹っ飛んでいた
「あっ」
その時、私の目の前を~昨日のお客さんが通り過ぎた
私は、パートのおばちゃんに「ちょっとすみません」
と言い、夢中で追い掛けた
「あの~すみません」
「はい」
「昨日○○蒲鉾店でコロッケ買われましたよね」
「あっあなた蒲鉾屋のアルバイトさんね」
「昨日、間違ってコロッケ入れてしまって
すみませんでした」
「あはは・・・カレーコロッケが入ってなかったね
でも、そんなこと良いんだよ
わざわざ、その為に」
「はいずっと気になってました」
「あなたのお陰で思い出したわ
年越し蕎麦を買わなくっちゃ~」
そう言って、私と一緒に蒲鉾屋に戻った
戻ると店長から
「忙しいのに~どこに行ってたの」
と怒られた
するとそれを見た昨日のお客さんが言う
「おばちゃん、その子はわざわざ私に
謝りに来てくれたんだよ」
「謝りに」
『ばれた』
私をかばって言ってくれたその一言で・・・・
「どうしたの」
「あの・・・昨日・・・カレーコロッケを・・(もごもご)」
「入れ間違ったの」
「はい、すみません
お客さんが帰った後に気付いて・・・・(もごもご)」
「誰でも間違うことはあるのよ
これからは気付いた時にすぐ言ってね
怒らないから」
「はい、これからはそうします
ごめんなさい」
そう言って、店長は昨日のお客さんに蒲鉾を1本渡し
「すみませんでしたね」と言った
失敗した時はそれを認めて謝るのには
ちょっぴり勇気がいるが
罪悪感に苛まれるよりマシだと思った
バイト2日目の12月30日は
初日とは桁違いに『そば』を買う人が多い
そば麺を買う人の半数近くが『だし』も一緒に買って行く
夕方、一気にお客さんが押し寄せて来た
その中で「ちゃんぽん麺とスープを3個ずつ頂戴」
とちゃんぽん麺を買ってくれたお客さんに
間違って『そばだし』を入れてしまった
すぐに気付いて追いかけたが
人ごみの中に見失ってしまった
今回はすぐ店長に報告した
「すみません
そばだしとちゃんぽんスープ間違えて渡しちゃいました」
すると店長・・・・
「何やってんの
そばとちゃんぽんじゃ~全然違うでしょ
そんなの間違う人いないわよ」
「ひえ~」
怒らないって言ってなかった
毎回、言うことが違う人もいるんだって思った
最終日の12月31日
この日は昼過ぎにはお店を閉めると言う
「あななたちも12時になったら上がって良いわよ」
店長から言われた
12時になり、M子と私はパートのおばちゃんたちに
「お世話になりました」と挨拶に回る
そして最後に店長のところでお給料を受け取ったが
思ったより多い
「こんなに・・・良いんですか」
「よく頑張ってくれたわね
ありがとう」
そう言って大きな紙袋をくれた
中を覗いてみると~
高級かまぼこやだし巻き玉子などがたくさん入っている
「ありがとうございます」
家へ帰ってその紙袋を渡すと~
母は言った
「来年もさせてもらいなさい」
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