「あなたがもし、トレードで稼いで喜んでいたらいずれ破産します。」


こう言ったら驚くでしょうか。


しかしこれは別に大げさな表現ではなく、


脳の仕組みから考えるとごく当たり前のことです。




直接指導して、翌月から月利50%以上を出したある男性の場合。


勉強熱心だったこともあり、すぐに稼ぐ技術は身につけられました。


が、数ヶ月後、破産してしまいます。


私はその兆候に氣づいていながら、本人が喜んでいるのだからいいか、


と受け流してしまったのです。


だからもうそんなことのないように、もしあなたにもその兆候があったら


ぜひいま伝えておきたい。





その「破産に至る兆候」とは何か。



彼は1日のトレードで公務員のボーナスくらいの大金を稼いだ日の翌日、


ご褒美に豪遊していたのです。


なにも無駄遣いすることが破産の兆候ではありません。



稼いだ直後に、そのご褒美として豪遊したことによって


破産するような行動が脳にプログラミングされてしまったのです。




なぜか?


それは、トレードで稼ぐことが快楽としてインプットされてしまい、


本来稼ぐために必要な行為を犠牲にしてでも、稼ごうとするクセが


ついてしまったのです。




精神医学という分野を最初に切り開いたフロイト博士によって


脳は「痛みを避け」と「快楽を得ようとする」


という2つの理由によってのみ行動を起こすという発見がありました。



人々が様々な行動をするのは、その


「痛み」に何を連想するのか


「快楽」に何を連想するのか


によってです。



タバコに対して、


免疫体系を破壊する300種類以上の有毒物質を体内に取り込み、


肺がんと肺気腫の原因になりインポや奇形児の出産の原因になる


毒物以外の何者でもないと思っている人は


タバコを「痛み」に感じて放っておいても喫煙しません。



一方で


タバコに対して


禁煙は苦痛であり、喫煙は格好良くて同じ喫煙者同士のつながり


を感じさせてくれるものでもあり


リラックスさせてくれるものだと思っている人は


タバコを「快楽」に感じて放っておいても禁煙しません。


(ちなみにニコチンは刺激剤なのでリラックス効果はなく、


 中毒症状が緩和されるのを"リラックス"と勘違いしているだけである。)




何を痛みと快楽に連想するかによって


まったく逆の行動をとり、


場合によっては長期的に自分のマイナスになることを


快楽として取り組んでしまうのです。





トレードにおいて、


長期的に自分のマイナスになることとは


「検証済みのルールを破る」


ことです。




破産した冒頭の彼は、


あきらかに資金管理のルールを破っていました。


資金管理のルールとは、1度のトレードに使う資金の量を管理して


破産のリスクを抑えるためのルールです。



1回のトレードに使う資金を抑えると


1回の利益の額も減りますが


破産のリスクも減らせます。


破産は絶対に避けなければならないことなので


目先に稼ぐことよりも、長期的に生き残るために


あえて、1回のトレードに使う資金を運用する資金の何%かに抑えるのです。





けれど、短期的に稼ぐことが快楽に感じ始めると


1回のトレードに使う資金を運用する資金の何%かに抑えるということが


できなくなります。


目先の利益を増やすために、破産のリスクをとってでも掛金を増やしてしまうのです。





これは、脳の仕組みなので、自動的に起こります。




なので、トレードで稼いだ翌日にお祝いしてそれを快楽にしてしまう、


ましてや、1回1回のトレードで一喜一憂して、勝ちトレードを喜んでいると、


どんどん脳はルールを破るようにインプットされてしまうのです。






損切りができなかったり、


チャンスでもないところで過剰エントリーしてしまったり、


ちょっと利益が乗ったら薄利ですぐに手じまってしまったり、


チャンスだとわかっていながらビビってエントリーできなかったり、


資金的に許容範囲以上の破産リスクを負った玉でエントリーしたり、





これらトレードのメンタル上の問題で生じる負けパターンはすべて、


連想体系 ~痛みと快楽に連想するもの~ が


適切ではないために起こります。






これに歯向かうのは、覚せい剤中毒者が


誰も見ていないところで目の前の覚せい剤に手を出さないくらい難しいことです。


我慢してどうなるものでもないんですね。



だから、トレードのメンタルを克服するために


精神力で乗り越えようというのは不毛な戦いです。



ダイエットと同じで、我慢しても続かないんですね。






では、どうすればいいのか。





もしお祝いをするのだったら


1ヶ月~1年という一定の期間ルールを守り続けることによって


トータルでプラスになったときです。


日々の中では、


稼いだか損失を出したかには関係なく


自分のそれまでの感情に従ってではなくルールに従ってトレードできた直後です。



そしてお祝いは何もお金を使わなくても、


脳がそう理解することができればOKです。


単純に言えば、バンザイしたりガッツポーズするだけでも脳を教育できるのです。







--------------------------------------------------


★始める前に知っておきたい重要な心理学


 『痛みと快楽の原則』



正しくない行動に快楽を感じる習慣をつけると


脳は自動的に破滅へと向かう。



トレードにおいて正しい行動とは


長期的に利益を出せる確率の高い行動を取り続けることである。



利益で喜び、ロスカットに落ち込んでいると


間違った行動がインプットされてしまう。



痛みと快楽の原則を理解して、


我慢によってではなく


連想体系を適切な物に切り替える努力によって


メンタル的な問題を乗り越えよう。



--------------------------------------------------






このブログに出会ったあなたの行動力と、


ここまでこの記事を読まれた向上心に敬意を評します。



あなたのトレードの成功を願っています。


いつもありがとうございます。



          タナカミノル@ジッパー。