タナカミノルです。

今朝は天気がいいので、屋上のテラスで書いてます。
こんな感じ →http://m2kt.net/kg2115/3911

電源コードを持ち歩かないと
集中力が高まると聞いてから実践してます。
たしかに効果あるんですよ。

同じ能力でも、戦略が変われば
すぐに結果が2倍以上にもなる。

今日はそんな話です。


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●全体の結果の8割を決める2割の原因
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先日から制約理論(TOC)について
メールを書いています。

「制約理論」という名前は
全体の性能を決める「制約」のことです。

一般的に「ボトルネック」と呼んだりします。

GTRの場合は
サーキットでのゴールタイムを決めているのは
実はアクセルを踏み込んで出す最大馬力ではなく
「アクセルを中途半端に踏んだ時の性能」
だったということに氣づいて、
低予算で短期間でレースで優勝するクルマとチームを作りました。

制約が全体の結果に影響することは
チェーンの強さに例えらます。

いくつものばらつきのあるくさりでつながった
チェーン全体の強さを決めるのは
一番弱いクサリです。

一番弱いクサリが千切れたら
他がいくら頑丈なクサリでも
チェーンはちぎれてしまいます。

一番弱いクサリ以外をいくら強化しても
チェーン全体の強さは変わりません。


実は、80%の結果を生み出すのが
全体の20%だというパレートの法則は
要素間に影響がない場合の話です。

チェーンのように要素間に影響がある場合は
全体の1%の要素が
結果全体に影響を及ぼしていたりします。


これは思っている以上にインパクトがあります。

その時、
「もっと頑張る!」という戦略は
どういう意味を持つでしょう?


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●「コストワールド」と「スループットワールド」
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要素間に影響がない場合は
「全体の結果は、部分のがんばりの合計」
です。

従来のマネジメントや直感的なイメージでは
全体をよくするためには
ひとりひとりの努力が大事だ、と思いますよね。

この世界観を仮に
「コストワールド」と呼びます。

一方で、要素間に影響がある場合は
一番弱い制約が全体の結果を決めます。
全体のがんばりを、ひとりのミスで台無しにしてしまえる。

この世界観を仮に
「スループットワールド」と呼びます。


いままで「コストワールド」で見ていたものを
「スループットワールド」で眺めてみると
いろいろなことに思い当たるかもしれません。


「とにかく歯をくいしばって頑張る」
「いろいろやってはいるけれど結果が出ない」

もしかしたらその努力は
全体の結果に影響の無い、
制約以外のものにしか向けられていない可能性があります。

逆に、
他の人たちの平均より短期間で成果を出したり
要領をつかむのが上手いと呼ばれている人は
スループットワールドで物事を観るスキルが
あるということかもしません。



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●犯罪行為に等しい「まじめな努力」
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制約以外の改善は全体の結果に影響がない。

だけではありません。


「全体の結果に影響がない努力は
 資源の無駄遣いで犯罪である。」

制約理論の創始者、ゴールドラット博士は
語氣を強めてこのように考えます。

「すべての努力は、全体の結果を向上するために
 組織化されるべきである。」


制約理論ではそういった哲学を前提として
ひとつひとつの要素の関係を整理して
全体の制約を見つけ出します。

これは会社やチームだけでなく
個人的な生き方にも応用できます。

☆仕事もやりがいが欲しい
☆お金も稼ぎたい
☆プライベートも充実したい

・でも予算にも条件がある...
・でも時間は限られている...
・でもやる気(意志力)も限られている...
・でも周りが協力的ではない...


個人的なゴールであっても
何に集中するのがもっとも
人生全体によい影響があるかを発見して
時間と意志力という限られた資源を
効果的に投入することができる。


その時に

★対立は必ず解消できる

★どんな状況からでも劇的に改善できる。限界なんて無い。

★人は善良である

★ものごとはシンプルである


これらの信念が非常におおきな力を発揮することになります。


だからこそ自分自身にも質問します。

「その行動は本当に全体の結果を向上する
 もっとも重要なことなのか?」


私自身は制約理論によって
何が重要かみつけるというよりも
「なにをしないか」を根拠付けるツールとして
大きな恩恵を受けています。

つまり、

「その努力は全体の結果を変えない犯罪行為ではないのか?」

と。





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●つづく
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制約理論のプロセスは5ステップに分かれていて
制約を発見するのは最初の1つ目です。

全体最適が進めば制約が移動することもあります。
(それまで2番目に弱かったクサリが制約になる)

MSTCにおいても、制約と非制約の扱いの差が大きく
「コストワールド」的な見方しかしてこなかった人には
かなり戸惑う場面もあるようです。

昨年のある時期からMSTC全体の制約が移動したので
オススメの本を紹介したり、
こうやって制約理論の話をしています。

このあたりは興味がない人がほとんどなので
一般向けのメールマガジンでは
個人の結果に活かせる話に寄せていきたいと思ってます。
(機会があれば分かち合いたいと思っているのですが)

次回は、
個人の制約をどう発見し、
どう結果を変えていくか、について取り上げる予定です。

制約理論について、最初に1冊だけ読むなら
MBAが舞台のこの本がオススメです。
→ http://m2kt.net/kg2115/4911

それでは、また。


いつもありがとうございます。


                タナカミノル



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~~前回までの内容おさらい~~
 制約理論(TOC)シリーズ
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(第1回)
■制約理論合宿のシェア
http://m2kt.net/kg2115/5911
盲点に氣づくために●●する

(第2回)
■■なぜ、大逆転でNo1になれたのか?
http://m2kt.net/kg2115/6911
★チームの人数を減らしたり
★最も優秀な技術者を現場から外したり
★エンジンの高馬力化を追わないようにしたり
非常識な本質をついたGT-Rの成功事例とそこからまなぶこと

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