タナカミノルです。

「抽象的」と「具体的」を自由に行き来する
ということについて、
それぞれの利点と弱点について
少し掘り下げてみます。



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■あなたはどの思考?
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パッと思いつく回答によって
自分の思考の抽象度のクセがチェックできます。

1~2秒でわかるはずなので、次の
2つの質問の回答を少し思い浮かべてみてください。


Q1:ToDoリストを作るというのはどういうことですか?

Q2:家の中を掃除をするというのはどういうことですか?



















Q1:ToDoリストを作るというのは....

A1a:頭のなかを整理すること(抽象的・目的思考)

A1b:すべきことを書き出すこと(具体的・行動思考)



Q2:家の中を掃除をするというのは....

A2a:快適な住まいをつくること(抽象的・目的思考)

A2b:床に掃除機をかけること(具体的・行動思考)



いかかでしょう。

このような
・目的(なぜ)に注目するか
・行動(なに)に注目するか

といったクセの違いは
日常生活や何かのプロジェクト、学習の他の場面でも
いたるところで思い当たると思います。



それぞれのタイプには、
違ったよさがあるので

どちらが良いというのではなく
「自由に」使い分けてみることで
あなたの行動や、目標達成もスムーズになるはずです。

では、それぞれのタイプの
特徴と使い方を見てみましょう。







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抽象的・目的思考(なぜ?に注目)
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抽象的に考えるクセのある人は、
小さな行動も、一見関係ないような出来事も
大きな意味や目的と結びつけて考えることが得意です。

すると、どんなメリットがあるかというと
【やる気】が高まります。

何か大きな目標を掲げた時に

途中のプロセスで不運や障害があっても、
時間がかかっても

感情的に安定し
衝動的な行動が減り
誘惑にも負けにくくなります。


もし、このような「やる気」に関する
影響を増やしたければ

行動の理由・目的をなぜ?と自問してみる習慣をつけると
いいでしょう。

具体的には、何かにとりかかるとき、
・このことを通して何を欲しがっているのか?
・このことを通して何を得られるのか?

という質問で理由までセットで思い浮かべるようにします。




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具体的・行動思考(何?に注目)
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具体的に考えるクセのある人は、
・やる気を高めにくい(単調で分断された世界観を持ちやすい)
・視野が狭くなって、大局を見誤りやすい

などのリスクがあります。

ありますが、いっぽうで「何?」に注目することで
「先延ばしを減らす」というメリットもあります。

具体的な行動レベルで考えることで
難しいこと、不慣れなことでも、
一定のペースで着実に進めやすくなります。





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「なぜ?」と「何?」を使い分ける
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「何?」 だけに注目しがちな人は

自分が

「交換可能な一部品になろうとしている」

というような全体像を見落として、
別の局面で過剰に
「自分は特別である」と感じる衝動に振り回されたりします。



「なぜ?」だけに注目しがちな人は

メリットばかりに気を取られて、
実際の行動の泥臭さに直面した時に
先延ばししがちになります。


それぞれのデメリットを避けるためには
状況に応じて使い分けてみることができます。


【やる気や自制心を高めたいとき】は
なぜ?に意識を向けてみる。

【不慣れなこと、新しい分野の習得】には
何?に意識を向けて(一口サイズに細分化して)
取り組んでみる。



無意識で使い分けている部分も多いと思いますが、
違いを意識することで、
より、効果的に行動できるようになります。



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今回の内容の臨床実験の結果や
関連するアイデアなどについて
詳しくはこちらの本で読むことができます。

 ~意志力を使わずに自分を動かす~
→ http://m2kt.net/kg16008/31121


それではまた。

きょうもありがとうございました!


           タナカミノル
●追伸

ご意見、ご感想をメールの返信でいただけると
今後の内容の参考になるのでありがたいです!










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~~内容おさらいの参考に~~
 ミステリー分析シリーズ
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(第1回)できるだけ絶対確実に給料分を稼ぐ方法
・「【絶対確実に稼ぐ方法】なんてない」という決めつけも危険
・2つのことに対立する意見があれば、何か見落としている前提がある
・「【絶対確実に稼ぐ方法】」を探している人の日常は痛みに満ちている
・なぜなら、交換可能な大量生産の部品になりたがるということだから
→ http://m2kt.net/kg16008/41121

(第2回)どちらも正しく、どちらも誤りである
・「絶対的な評価」は幻想で、実質、すべてが相対的評価である
・人には盲点があるので、焦点をコントロールすることは最重要
・「人を責める」「分かった気になる」と、
 焦点のコントロールを失い、なりゆきまかせで
 期待値が一気に下がる。
・抽象度を自由に行き来することで、選択肢に対して柔軟性が生まれる
・抽象度を自由に行き来することで、(失敗含む)すべての経験が糧になる
→ http://m2kt.net/kg16008/51121

(第3回)「交換可能な部品になるなんて嫌だ!(Aさん)」
・誰でもできる方法を求めるのは交換可能な部品になるということ。
・「劣等感」や「恥辱感」を感じすぎると、
 交換可能な部品になることで、痛みを避けようとしてしまう
・実際は誰も交換可能な部品になんかなりたくはないので、
 別の場面で過剰な自己重要感に振り回されることになる
http://m2kt.net/kg16008/61121

(第4回)絶対確実なものはホントに無いのか?
・「確実なものなんてない」という反射的な決め付けは、
 「安定感のニーズ」を抑圧している可能性がある
・「安定感のニーズ」を抑圧すると、人間関係で
 過剰に安定感を求めて、問題を生むことがある
・ひいては諦めや、恐怖や、怒りを表現することが行動の中心になることも
http://m2kt.net/kg16008/71121