毎朝は5時半には目が覚めた。周りがごそごそと起きて、物音がするから、自然と目が覚めた。

朝日を見ながら一人で朝食をとる。
少し本を読んでから、部屋に戻る。
横になる。
薬と1日の始まりの決まりごとを待つ。
その間は哀しいモードにしばられ、泣く。
これは、入院生活に慣れても、変わらない私のプログラムの一つだった。

早起きになっても、午前中はどうしても、気分がしんどく、歯磨き・顔を洗う・着替えるなどの当たり前のこともなかなか完了にならなかった。

普通の元気を回復するのは、だいたい10時か11時頃。そのあたりの時間から、人並みの元気、そして笑顔が湧く事を知った。
今回の入院で、毎日毎日規則正しい生活をしたことで、自分の気分の上がり下がりの状態を、改めてしっかりと把握できた。



午後、スマホを持っていると、突然、スマホが鳴った。病棟では個人の携帯での会話は禁止だが、着信を見ると、父からだった。
スマホを隠し持って、公衆電話の小さい部屋に走って行った。

お前、入院してると聞いたけど、、、
え、何で知ってるの??
慎平くんから、ママ(母)に、俺はそっちまで行けそうにないから、代わりに行ってくれないかと電話があったと言う。
ママからは連絡がないのに、何でパパなん?と思ったがそのままにした。
パパは、俺がそっちに行くからと言う。
何の病気だ?何なんだ?と聞かれたが、今更、答える事も煩わしく、、、とても、しんどくて、、
ここはね、携帯の通話は禁止されてるねん、だから、病院のこの番号にかけてほしい、これ以上話してたら怒られるから、と言って切った。

後から病棟に電話が入り、ママと一緒に水曜行くからねと言ってくれた。

付き添いで家に帰れるかもと、少し期待した。

でも、かなり変わった頑固親父なのだ

ヤクザみたいにして来られたらどないしよう、怖いワと、カレに言ったら、Q子にも同じ血が流れてるんや、とラインで返ってきて、何とも言いようがなかった。



長い午後、また、ビーズいじりをした。
他に煩わされる事がないので、どんどんはかどる。

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ちょっと変わったデザインにしてみた。たのしい。



ずっとひとりだった私に、1人の女の子が声をかけてくれた。
何作ってるんですか〜?だったかな???

そこから、人との会話が始まり、私は孤独な患者ではなくなった。

朝はしんどかったので、相変わらずひとりで食べたが、昼食と夕食は、その初めに声をかけてくれた人達の仲間に入って、楽しく世間話をしたりして、、、久しぶりに人と接して、うれしかった。

みんな、病気を抱えてるからこそ、ここにいるのに、会話している時は明るく、皆、全然ごく普通にしか感じなかった。


この事を振り返ると、病棟内は、普通と変わらないような人がほとんどで、ものすごい迷惑をかける人がいなかった、特別、異様な空気の患者が居ないと言うことは、病院の規模が大きく、患者の状態を細かく分け、各フロアーで上手く分割・管理されていたということになる。

私は、はるかの通っていた病院や、入院病棟を数々見てきたが、、、今回、緊急の入院にもかかわらず、コレは、幸運としか言いようがない、環境的に言うと、私が入った精神病院がその中でもベストと言えると感じている。

私はずっとこもった迷路のような世界から、少しずつ這い出した。


声をかけてくれた子の名前は、テルちゃん。
統合失調症と聞いたが、山は越えたのか、全然普通。私を孤独から引き出してくれた貴重な友達だ。

退院後も、また会えたらと、個人的に思う。

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ひとりの時、変な落書きを描いたりしていたが、色をつけたら、はるかのやさしい色使いに近づけたような気がした。少しだけ、うれしかった。





「はるかの絵の本」復活しました。
➡️ こちらです   http :/kopeka.thebase.in/
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はよ、寝なッ!!!!