ぽんきちと飼い主さん

普段はこんなになって丸くかわいく寝ているぽんきちも、かつては子の親でした。

わたしがぽんきちを譲り受けたのは、ぽんきちが1歳2ヶ月の頃で、前の里親さんのお宅では、お父さんとしての同じ種類のマンチカンの♂と暮らし、その間に4~5匹のこどもができたそうです。前の里親さんの事情で、こどもたちをそれぞればらばらに譲渡し、残った親たちも新里親に譲るという、一家離散の運命をぽんきちにも背負わなければならないところに、わたしが最後にその里親さんから引き取った猫。それがぽんきちです。

引き取ってから、うちではしたことがないのに、どうしてそういう反応をするんだろう?きっと前の里親さんの家での環境や文化を覚えてるのかな?ということがいくつかあります。

ひとつは、缶詰を開ける音。うちでは一切、缶詰のお食事は与えたことがないのに、コーンやツナやホールトマトの缶詰でさえ、開ける時にはすっとんできます。きっと前の里親さんのとこで、そうやってもらってたのかな?

もうひとつには、一番奥の部屋の押入れのふすまの前で、押入れの中へ向かって

「にゃーぁ?」

と呼びかけること。

おなかすいた、お食事出して?の意味の
「にゃにゃ?」
とは明らかに違って、「ねーぇ?」とか、「いるのー?」とかいう意味で発しているみたいに、ちょっと消極的に聞こえます。
寝る前とかに多い行動です。

きっと、前だったらお子らが押入れの中でうにゃうにゃといたのかな・・・?

飼い主がそーっと押入れをあけてあげても、上の段へ登って真っ暗でしーんとした、ふとんしかない押入れを眺めてから、

「やっぱりそっか・・・いないか・・・」

と残念そうにしょぼーんとしながら、押入れの上段からしゅたっと飛び降りて、飼い主の方へ近づきながら
「いなぃんだょ・・・」
と言いたげな、きょとんとした目で見上げられると、飼い主としては慰めのために「よしょし」を普段の何十倍もやさしくしてあげるくらいしかありません。

いつか忘れる日は来るのだろうか・・・?

来ないよな。。。飼い主だってそうだもの。
似たような子猫を、そっと押入れの隅に仕込んでおこうかな?
とも思ってしまうけど、そしたら今話題の映画みたくなっちゃうし・・・。

んーー。困ったね。。。