明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第13節
新潟 0-0 川崎

【得点者】
いません

【川崎フロンターレ】2016年5月21日 アディショナルタイム


決定機は何回か作っていたいけど、決定的な場面は多く作れず。

逆に決定的な場面を何度か作られてしまったけど、そのたびにソンリョンのファインプレーが炸裂しゴールは割らせず。

結果、スコアレスドローとなりました。

妥当な結果かなぁと思いつつ、しかし1stステージの優勝争いにフォーカスすると勿体ないドローではありました。「本当に欲しいのは年間優勝」とは言うけれど、それを得るための権利を早めに手に入れておくのはなんら悪いことではなく。

今年は何度ソンリョンに助けられてるかな。この試合のように今までだったら負けていたであろう展開を引き分けに、勝ちに持って行けているのは間違いなくソンリョンを含めたディフェンスラインが去年よりさらに強固になったから。これは誰に聞いても同じような言葉が返って来るでしょう。

だからこそ奈良選手の怪我、長期離脱はオリンピックのことも含めてつらく悲しいものがあります。彼のここまでの頑張りを無駄にしないためにも、11月から始まるトーナメントに出る権利は手にしておきたいとより強く思うようになりました。

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土曜日の午前中、新潟に向かう道中で寄った越後川口サービスエリアにて。展望台のベンチに座って休憩していたら、見知らぬ男性から声を掛けられました。

「今日は、新潟で試合ですか?」

最初は自分に向けられた言葉だと気が付いていませんでした。

2度目に言葉を掛けられた時、周囲に他の人はおらず自分に問いかけられていると初めて気が付きました。ユニフォームを着ていた効果でしょうか。

その男性は私と同じか、もう少し上の年齢と見える方でした。

「今日は、新潟で試合ですか?何時からですか?」

はい、19時からです。まだちょっと早いですね。

「そうなんですか。私、今は(東京都)八王子に住んでいるのですが、出身が新潟なのでアルビレックスに頑張ってほしいんです。川崎って今、調子いいですよね」

ありがとうございます。でも言うほど盤石な強さではないですよ。

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「私ね、サッカーには本当にありがたいと思ってるんです」

--私は一瞬、話の筋が見えず次の言葉を待った。

「新潟って広くてね。こっちとこっち(※筆者注:手の動きから察するに上越と下越のことを指していると思われる)の人同士が会って話をしても、昔は同じ県の人間とは到底思えなかったんです」

「それが、新潟にサッカーチームが出来て、県が初めてひとつになれたと感じたんです」

そうなんですか。確かに広すぎて端から端まで移動するのも大変だって聞きますよね。

「本当にね、有難いなって」

--23年前に撒かれた種は、着実にしっかりとした根を張っているようです。

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「川崎は強いから、新潟は負けちゃうかな」

いやいや、川崎にとって新潟はそれほど簡単な相手ではないです。

「そうですか。それでは、また」

ありがとうございました。お手柔らかにお願いします。

信濃川


振り返ると、暖かい陽射しの下で信濃川が静かに流れていました。