2016年12月12日(月)@東京ドーム

第30回 JAPAN X BOWL

富士通

16

3  1Q  0
6  2Q  0
7  3Q  3
0  4Q  0

オービック

3

 

「応援をお願いします」と言っておいて放りっぱなしはいかんと思うので、だいぶ時間が経ってしまいましたが試合のレビューなど書いてみたいと思います。

 

今シーズンの富士通フロンティアーズはここまで全勝で勝ち上がってきました。レギュラーシーズンは6試合で160得点54失点、2つの無失点試合。トーナメント2試合で70得点32失点。レギュレーションが変わってレギュラーシーズンの対戦相手がレベルの高いチームとより多く当たるようになったにも関わらず、1試合の平均失点は10.75と堅い守備力を見せていました。

 

とはいえ簡単に勝ち上がって来たと言うわけではなく、むしろ苦戦した試合の方が多い印象です。例えば開幕戦のIBMビッグブルーとの試合は強雨と強風という最悪のコンディションの中で29-24と競り勝ちました。また第6節のノジマ相模原ライズ戦はラストプレーでRBゴードン選手が勝ち越しのTDを奪い17-10、開幕戦の再戦となったセミファイナル・IBM戦では残り5秒からK西村選手が逆転のFGを決めて28-26と、まさにギリギリの勝負を経験して来ました。

 

富士通グループのスポーツチームマスコットそろい踏み


ここでもPPAP

 

この試合はそれら8試合の経験がフルに活かされたものになりました。お互いの守備が機能し得点がなかなか入らない焦れる展開になりましたが、そこで焦らずに「FGの3点でも良い」と割り切れた富士通のしたたかさが目立ちました。

 

また、このような大きな試合ではミスが勝敗を分けることがままあります。この日はオービックに勿体ない反則が目立ちました。後日に録画を見返しての感想は、「東京ドームという特殊環境への慣れの差があったかな」というものでした。

 

Xリーグの試合は東日本では富士通スタジアムや相模原のギオンスタジアム、西では万博陸上競技場の横にあるエキスポフィールドなど、小さい屋外競技場を中心に行われています。大きくても横浜スタジアムですし、レギュラーシーズンで東京ドームを使うことは殆どありません。

 

そんな中、富士通はここ数年、パールボウル(東日本チームのトーナメント大会)やライスボウル(学生日本一チームとの日本選手権)、そして3年連続のJAPAN X BOWLと何度も東京ドームで試合をして来ました。オービックにカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)から今年新加入したQBニューハイゼル選手は明らかに戸惑っていました。声援の反響は独特なもので、アメリカでもドームスタジアムで試合をしているチームは殆どないはずです。

 

それにしてもニューハイゼル選手。録画を見直して気が付きました。なにこのイケメン。白馬に乗った王子様かってくらいイケメン。上手く売り出せばもっと人気が出るんじゃないか?

オービックシーガルズの選手紹介ページはこちら

 

閑話休題。

オービックの堅い守備に阻まれてTDは1つしか奪えませんでしたが、K西村選手のFG3本が効いての勝利。先にも書きましたが劣勢の展開でも焦らず、自分たちの力を信じて粘り強く戦った富士通は本当に強かったです。

 

大会が選んだMVPはQBキャメロン選手でしたが、個人的には16点のうち10点をその左足で決めたK西村選手にも何かの賞をあげても良かったのではないかと思います。

 

勝利の瞬間、HCにバケツで水を掛けるのはアメリカンフットボールではおなじみの光景

 

これで2年ぶり2回目の社会人大会の優勝に輝きました。しかし日本のアメリカンフットボールの世界ではこれは"日本一"ではありません。1月3日に同じく東京ドームで学生王者との間で行われるライスボウルの勝者が真の日本一となります。

 

選手、コーチ、スタッフ全員の力を合わせて再び勝利の美酒を味わえるよう、期待しています。