韓国映画『お料理帖~息子に遺す記憶のレシピ~』

 

 

イ・ジュシル主演作品。

 

小さな惣菜のお店を営むエラン(イ・ジュシル)

2人の子供に恵まれ、孫もおり幸せな生活・・・のはずが

気がかりなのは息子ギュヒョン(イ・ジョンヒョク)が

ずっと非常勤講師だということ。

嫁にも頭があがらず、肩身の狭い思いをしているギュヒョンを

なんとかしてあげたいと願いながらも、だんだん自分の

身体も思うように動かなくなり、記憶も曖昧になってきて

ますますギュヒョンとの関係は殺伐としたものになって

いった。

 

そんな中、ギュヒョンに大学教授の話が持ち上がる。

賄賂が必要と言うことで、なんとか捻出したいギュヒョン。

エランが営む惣菜店を売却しようと考える。

 

しかしエランにアルツハイマー病の症状が見え始めた

ことによってギュヒョンの考えも徐々に変わっていく。

 

街の皆に愛されたエランの惣菜店。

自分たち家族が大好きな料理のレシピをノートに

まとめ、大事に受け継いでいこうと思っていた母の

想いに触れ、一度は売ろうとしていた惣菜店の

売却を考え直し、自らが母の料理を受け継ごうとする

ギュヒョン。

 

母が長年、心に秘めていた秘密なども明らかになって

いき切なさが増します。

 

エランの記憶がなくなっても、心を込めて作っていた料理の

味は、家族はもちろんのこと街の皆も覚えてくれている。

心に刻まれている料理の数々。

いつまでもいつまでも受け継がれて欲しいと願わずに

いられない作品でした。