【読書記録】388冊目「砥上裕將 線は、僕を描く」
交通事故で両親を亡くしてしまった青山霜介。
大学生になるも、心の傷は癒えず日々を淡々と過ごしていた時、
偶然バイトで出会う水墨画の世界。
水墨画の巨匠である篠田湖山に見いだされたことにより、
霜介の日常に色が戻り始める・・・
亡くしたものが、どれほど大切なものだったのか。
亡くしてからわかる喪失感。
それを埋めるほどのものが出てこない限り、人は
その場所にとどまり続けてしまう。
不器用だけど、まっすぐ真摯に水墨画に向き合い自分を
取り戻していく霜介が眩しかった。
優しく霜介を見守る湖山先生の姿も良かった。。。
喪失感を埋めてくれる存在に出会えて心から良かったと
想わされました。