夜電 | 剣竿一如

夜電

 風邪ッぴきで少々弱り気味なので、今夜こそ早く就寝するぞ! と早めに入浴を済ませて布団に入ってウトウトし始めたら、若年のご同業から家電に電話……。おい~、午前1時過ぎてンじゃん。

 「あ~、もしもし。眠釣さん? 今、電話大丈夫ッスかね?」

 「大丈夫じゃねェよ……」

 「じゃ、手短に用件だけ」

 「何よ?」

 「あのさぁ、○○のアレなんだけど、自分も紹介してくれないッスか?」

 「紹介してやらない」

 「なんでヨォ~」

 「だってオマイさん、ジョーシキ無ぇモン」

 「え~ッ! そんな事ないッスよ」

 「無ェったら無ェんだよ」

 「なんでッ!」

 「オマイ、今、何時だと思ってンだよ」

 「え~っと、25時チョット?」

 「世間では深夜1時過ぎッつーンだよ!」

 「だって、まだ起きてるジャン」

 「オマイの電話で起きたんだよ! バカタレ!」(ガチャ切り)

 ったく、非常識にもほどがある。商売柄、深夜に電話連絡を取り合う事も少なくないが、そんな時には携帯にメールを送って、電話しても良いかどうかを確認するのが、同業間のしきたりになってます。メールにレスポンスがなければ就寝中って事だからね。

 結局、この電話のおかげで腹が立って目が醒めてしまい、寝付けなくなってしまった。年若の同業者には、業界のしきたりを教えておかないと、自分もヒドイ目に遭いますよってお話でした。