既視 | 剣竿一如

既視

 連日、ニュース番組やワイドショーを賑わせている福島第一原発事故なんだが、なんだか見た事があるような、デジャビュ(既視感)を覚えちゃうんだけどね。巨大企業と政府、東大の学者先生の「安全安全、何が漏れても壊れても、安心安全、管理されてっから大丈夫ッ!」って叫んでる構図は、”東京電力”を”チッソ”に置き換えると、まるっきり同じなんだがね。

 東大の学者先生は、水俣病の時も、「全然平気。チッソ悪くない。口の卑しい漁民が、腐った魚食って奇病に罹ってンじゃね?」みたいな事を言ってだね、東大の権威を振りかざして、被害を拡大させちゃったって実績があるからね。それと、マスコミが「安全、安全、断然安全! 安心してガッツリいっちゃってもダイジョブだぁ~」なんて楽観キャンペーン張るのはヤバイ証拠。太平洋戦争だって「勝ってる、勝ってる、大丈夫。空爆で本土を焼かれても、全然平気だぁってば。一億火の玉、本土決戦、総突撃で楽勝だよ~ん♪」って、あの朝日新聞まで書いてたンだから。

 風評被害がウンヌンって話もだね、毎日毎時の風向による放射性物質の拡散状況を公表して、市町村単位での測定値、3月11日からの累積値を公表せにゃアカンでしょうに。お魚もですよ、海流と風による拡散状況、測定ポイント、水深、測定対象魚種毎に毎日発表せにゃ。でなきゃ現在の三陸~関東沿岸のお魚や海産物なんか、恐ろしくて金払って買ったり喰ったりするどころか、釣る気にもなれん、って人が出てきても不思議じゃ無い。

 それとだね、「ただちに健康に影響は無い」って言うけどだね、人間ってのは宇宙から、地球から、空気から、水から、食い物から、いろんな経路や形で放射線にさらされてるワケよ。その合計値が限度を超えるとガンになったりしちゃうワケで、”足し算” で計算せにゃダメじゃンね。政府も保安院も東電も御用学者も、おまけにマスコミも、それをわかってて数字を小さく見せかけてるじゃねーか。

 自分には枝野官房長官の会見がこう聞こえるンだけどね。
 「あ~、この数値はただちに健康に影響を及ぼすものではございません。
  どうせ健康被害が出るのはァ、あ~、10~30年後でございますのでェ、
  え~、要するに政府としましても、通産天下り保安院にしても、東電にしても、
  お~、『オラ、知~らね』、が本音だと承知いたしておるところであります。ウフッ♪」

 自分なんかは子供もおらず、夫婦二人っきり。ましてや 「ガンの消滅までの治療は行わず、ガンが悪さをし出したら抗ガン剤で抑えていこう」って治療方針なので、ある意味、怖い物知らずなんだが、子供や孫がいる人はさ、10~30年後に放射線による病で、子や孫が苦しむのを避けたいだろ? そのためにはどうするべきかなんて、テレビや新聞に教えてもらわンでもわかるはず。

 ガンはツライ病気だぞ~。自分なんか、右肺中葉、虫垂、左睾丸の切除摘出手術を受け、脳腫瘍の放射線手術治療を受け、味覚や嗅覚は鈍り狂い、高音の蝉時雨のような耳鳴りと難聴に24時間悩まされ、手足の指先が意味も無く痛み出す末梢神経障害が起き、、白血球や赤血球が造れなくなって抵抗力は失われるわ、極度の貧血になるわ。当然、体力も気力も低下し、今日現在で通産7ヶ月の入院生活ですよ。シャレにならんくらい、シンドイ日が何日も続き、先の見通せない不安も付きまとう。なんつったって、本物の末期ガン患者の自分が言うンだから間違いないゾ(笑)。

 政府は隠蔽工作や過小評価はやめて、暫定規制数値じゃなくて国際基準に則った数値を速やかに制定公表し、IAEAや米仏の協力を得て、速やかに本当の対策に打って出るべき。それと本当にヤバイ農産物や水産物は流通させず、国民の生命と健康を守れよ。前総理のルーピー鳩山がウゼェほど言ってたじゃん、「生命を守りたい」ってさ。