生命 | 剣竿一如

生命

 11日に追加投与を受けた抗ガン剤、とんでもなく不快な副作用をもたらしてくれた。痺れによって、体表の接触感覚が……無くなってしまった。それも全身。寝ていてもシーツに接触している感覚がない。壁に触れても、顔を触っても感じない。尾籠(びろう)な話で恐縮だが、トイレでウォシュレットは水勢でどこに当たっているかわかるが、水滴を拭き取ろうとしても、正確な場所がわからない。体表の触覚がないからだ。

 それに歩行の感覚も失われてしまった。せっかく苦労して、歩いて歩いてバランス感覚を会得したのに、それも水の泡。また最初からやり直しだ。これはなかなかにキツイというか、切ない。昨日、遠路お見舞いに来てくださった伊藤久二康さんに、「よく頑張って歩けるようになったな。もうしばらく養生して、現役復帰を目指せ!」 と声援を頂いたばかりなのになぁ。

 ガンとの闘い、抗ガン剤の副作用との闘い、先の見えない闘病生活に挫けそうになる自分との闘い、と、まぁ喧嘩の相手が多すぎてションボリしてる暇もありゃしませんよ、ってお話でした。

 どの喧嘩ひとつでも負けたら生命を失ってしまうンだから、意地だろうが見栄だろうが虚勢だろうが、張れるモノは全部張って、闘い続けるしかないなァ。それに耐え抜くだけの体力、精神力、生命力は備え持ってるはずだし。俺にはヴァランカスの実(牙狼〈GARO〉20話)のような特効薬はないンだから、この身一つで闘い、耐え抜くしかないからね。まだだ、まだ闘れる!