タイムマシンの現実02 | 15でオカマ オカマで女優

15でオカマ オカマで女優

ドラマチックに咲いてほしい性転換後

さて何故
「例えタイムマシンを使って過去の自分の選択を変えようと、
けっきょく今の自分や、自分の人生は変わらないのです。」
のでしょうか。

実はドラえもんやSFなどでよくある、
過去を変えて、現在や未来を変えるというのは
現実には不可能なのです。

もちろんタイムマシンは現存していないので、
あくまで予想でありますが、
タイムマシンを使って過去を変えようと今は変わらないのです。

それは何故でしょうか?



それを証明する有名な説に
「自分殺し」の理論があります。

「現在の自分が過去の世界に行き、
そこで過去の自分を殺した場合、
現在の自分はどうなるのか?」
ということです。


例をあげます。
現在の山田太郎さんがタイムマシンを使って10年前の世界に行きます。
その世界・時代には10年前の山田太郎さんがいます。
その時代で、現在の山田太郎さん過去の山田太郎さんを殺害するとどうなのでしょうか?

過去の山田太郎さんが死ねば現在の山田太郎は存在しないことになる。
しかし考えてみれば、
現在の山田太郎が存在しなければ、過去の山田太郎さんを殺害できないことになる。

ここにパラドックス(逆説・矛盾)が生じます。


この「自分殺し」の疑問に対する回答は3種類あります。

1つ目は、
色々な外的要因が働いて、何回挑戦しても殺すことは出来ない。
すなわち歴史は変わらない、とするものです。

2つ目は、
「殺すことは出来る」が、殺した瞬間、未来の自分は消滅するというもの。
ところが未来の自分が存在しないということは、過去に行った自分も存在しないということになります。
これは矛盾しており、あり得ない答えである。

そして3つ目は
「パラレルワールド」によって説明しようとするものであります。

パラレルワールドとは「並行世界」「平行世界」などと訳され、
この現実の世界と同じ時間の流れで存在する、別の世界のことを指します。

このパラレルワールドは無数に存在し、
例えば今現実の自分が、去年会社を辞めて転職していたしても
パラレルワールドの中の一つの世界では、まだ会社を辞めていない自分がおり、また別の世界では失業中の自分がいたりすることです。


記事引用・参照・愛読
http://ww5.tiki.ne.jp/~qyoshida/kaiki2/158johntitor.htm

*


私は1つ目、2つ目の説は支持できません。
1つ目はいまいちピンと来ませんし、
2つ目は逆説が起きている時点で理論は破綻しています。
3つ目がいちばん的確なのかなとおもいます。


と・こ・ろ・が

ここが大切なのですが理論が的確な1つ目、3つ目の共通点として
「いかにタイムマシンで過去の自分を変えようと、
現在の自分に改善の効果は一切ない」

ということです。

現在の安斉トモ子がいまから10年前の世界に行って
10年前の安斉トモ子に「早期ホルモン治療」「行くべき中高」の推奨をしようが、
今ここにいる私には何も改善されず、
効果を実感できるのはパラレルワールドにいるもう一人の私なのです。

たとえタイムマシンがこの世に存在して、私がそれを使っても、
いまここで記事を打ってるこの私の肉体や、青春は
もう二度と変われないのです。

ああ、タイムマシンはなんて弱いんだろうか・


私がこの理論に気づいたとき、
人類が夢を見たタイムマシンの無価値さに気づいたと同時に、
過去への強い「IF」が価値を持っていた私の時代は終末を見ました。


*

そうです。
例えどんなにパラレルワールドの私が幸せになろうと、
いまここにいる私が幸せでなくてはほぼ意味がない。

いや、こう言おうかな。
ここから見えないような、違うパラレルワールドにいる私が幸せになるよりも、
いま私がいるこの世界の誰かが幸せになる方がよっぽど嬉しい。



だけど、やっぱり人と言う夢見る生物である私は
『パラレルワールドにはどんな私がいるのか』と
考えてしまう。

18歳で性転換できて、ホンモノの女子として転校を出来た私

中学から男子校へ行って、せめて青春だけでも‘女子以下’を味わなくてもいい私

もしくは性同一性障害に向き合えず一生男として大往生した私


いずれもまぎれもなく‘私’が幸福と不幸を噛み締めてはいるが、
いまここにいる私には全く関係ないし、お互いがお互いの存在すら知らないだろう。


それぞれのパラレルワールドに生きるそれぞれの私。
情報を交換することもなければ、感情を共有もできない。

強がりではないが、
5月25日を記念日に持つ私の、あの頬の熱は
パラレルワールドの私らの誰にも教えるつもりもない。


<おわり>