「売れている」という事実から、「効く」という「効果」を勝手に想像してしまう
もう少し詳しく解説してみましょう。
こちら側で「効きます」と言い切ったときには、こちら側が主導的立場にあるということ。
たとえ相手がそれを信じたとしても「言われたから買うのよ!」と責任の所在はお店側にあります。
ところが、
「不思議なんですよ!今年のこのメーカーから発売された花粉症のお薬はむちゃくちゃ売れているんですよ。
わたしもまだ試してみてはないので、効くとは一概には言えませんが、ここ10年こんなに売れ行きの良い薬は初めてなんです・・・」
と言ったら(事実だったとして)相手は「そんなに売れているということは本当に効くのかもしれない」と勝手に思うわけです。
「売れている」という事実から、「効く」という「効果」を勝手に想像してしまう。
するとこの状態は、相手が主導的立場(決定した立場)にある。
こちら側で「効く」とはひとことも言っていないにもかかわらず、「効く」と相手が一方的に考えてしまった場合、責任の所在はもちろん相手にある。
「こんなに売れ行きの良い薬は初めてです」で止めることがポイントになります。
すると、相手に決定権が移る。
ここで、「こんな売れ行きの薬は初めてです、だから絶対に効くはずです!いかがですか?」と言ってしまうと、こちら側に主導権が戻ってきてしまいますね。
すると相手は「そんなに売れているからって私に効くとは必ずしも限らないでしょ」と心の中で反発したくなってしまう。
人は誰でも、相手に断定的に言われると反発したくなります。
あなたも、むかしお母さんから
「テレビばっかり見ていないで、勉強しなさい!」
って言われた経験ありませんか?
「今勉強しようと思っていたところなのに・・・。
今日は絶対やるもんか!」って思いませんでした?
この心理。