イラッシャマァセー

アイガトーゴザマァシター


最近は『松屋』よりも『なか卯』のファンなのである。

ちょっぴりランクが上がったようで嬉しい今日このごろ。。




【24日目】 2005年3月09日 (キーカーカーにて)



・・・ウッ


背中が痛くて目が覚める。


日焼けしすぎた・・・




昨夜、ボビーに貸していた10ベリーズドル(5ドル)を返してもらうために

待ち合わせ場所のボート乗り場へ。



一瞬、

ヤツはちゃんと現れるのか・・?


という悪い考えが脳裏によぎったが、

それは案の定の裏切りをみせ、

ボビーは行きつけのレストランでのんびりと朝食を摂っている。

(逃げ隠れしようが島は小さいので、どうせすぐに発見できる)


ボビー


ボビーが食べている揚げパンを少し分けてもらう。



彼のトレードマークであるラスタカラーのチャリンコをオレに貸してくれた。


「好きに使っていいから!あとで家に返しておいてくれ。」


ということなので、

島中をチャリで自由に走り回る。




回転式のハンドルは、慣れれば結構使いやすいもんだ。

ハンドル式自転車に神聖な髪の毛

(ハンドルからぶら下がっているものは、ボビーの髪の毛)


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<ラスタファリズムについて>


ラスタファリズムとはジャマイカの宗教・思想で、

もともとは奴隷として連れてこられた黒人たちが

アフリカへの回帰を願って始まったとされる。


エチオピア最後の皇帝「ハイレセラシェ」を崇拝しており、

1930年頃から始まったようだ。


その信仰者たちをラスタファリアンと呼んでいる。

(ここではラスタマンと呼ばせてもらっている)


真のラスタファリアンを示すものの一つが、

髪を切ったり、ヒゲを剃ったりしない、という道徳観である。

※伸びきった髪を結っていると勝手にドレッドになっている。

※毛を切ったとしても大事にとってある(上の写真のように)。


かの有名なボブ・マーリーは忠実な信仰者だった。

彼が強く発信していたレゲエ音楽はブームとなって、

ラスタファリアンたちのファッションや行動様式が

クール!ということで、サブカルチャーとなっていった。


個人的に、

日本の表面的なレゲエブームはどうも見るに耐えない。

レゲエやラスタファッションにはアフリカ人としての誇り高き血が

息づいていているのだ。


ちなみに、

ラスタカラーとはラスタファリアンカラーの略語で、

エチオピア国旗と同じ色のことを言う。

表す意味は以下の通り↓


  赤・・・戦いで流した流血

  黄・・・輝く太陽

  緑・・・豊かな大地

  黒・・・故郷アフリカ&黒人


である。


と、少し長くなってしまったが、

論文ではないので間違っていたら許してほしい。

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本当にボビーは謎めいているが、

いいやつに違いない。



島民たちはみんなボビーを見るなり、


「All right?」


と挨拶をする。



ボビーはだいたい、


「 Thank you, man !!  Take care 」


と返す。


村長ならぬ、島長なのである。


彼自身、

「この島はオレのもんなんだ」

と言い張っている。



この地域では


   オーライ? --- テイクケア!


が一般的な挨拶であり、文化だ。


常に相手を気遣うキモチ。

これは「ハロー」なんかよりずっと優れた挨拶ではないだろうか。

日本に帰ってもこの思いやる気持ちを持っていたいと思う。





ネットやら洗濯やらをして、

この島での天気のいい平和な時間をのんびりと過ごす。





夕方になり、

ベリーズ名物の伊勢エビを食べにいこうとするが、

今の季節では時期外れらしく、

収穫ができないのだそうな。



というか、

この時期にエビ狩りにいったら違法らしい。


だけど、

ボビーは明日、船で伊勢エビ狩りに出かけるらしい。


「おまえもどうだぃ? 一緒に行くかぃ?」

と誘われるが、

明日はあいにく島を離れる日なんだ。



違法だとはいえ、

かなり自由に生きているボビーがうらやましく、

人生を精一杯満喫しているように見えた。







また少し話が変わるが、

キーカーカーというおもしろい島の存在を知ったのは、

実はこの旅に出るずっと前からだった。


以前、ある本で島の記述を読んだ。


『 ベリーズシティーからボートで行った島には、

  ボブマーリーによく似たラスタマンたちが

  祭りをしていた。

 

  :

 

  そして、

  日本では数千円級の伊勢エビみたいなやつが、

  そこら中で捕まえられ、そこら中で焼いて食べることができる。

 

  ここはまさに秘境だ。                          』



そんな記述を読んで、

ここへ来る前からイメージを膨らませていたのだった。



しかし、

その本の筆者が島を訪れたのは10年以上前。

本格的に観光化される前なのだった。



それからこのキーカーカーをはじめ、

周りの島々はどんどん観光化されていった。









ということで、話を戻して

伊勢エビはしょうがないから、

シーフードレストランでその雰囲気を味わおうとする。




しかし、当然の大嵐!!



オレも含め、屋外の席にいた客は全て屋内のスペースに収まる。


そんな密集の中、フランス人旅行者、ピエールと話をした。


「日本人はなんでそんなに自信がないようにしてるんだぃ?

経済力もあるし、技術力もある。 世界に誇るべきものがたくさんあるんだし、

堂々としていればいいじゃないか。」



日本人の「謙虚」や「悟り」の精神をちゃんと説明するのには

3時間ぐらいかかりそうなので、


「たぶん、言葉のコンプレックスがあるんだろうね。」


という無難な答えにとどめておいた。



こちらからはこんな下らない質問をしてみた。


「ジェロム・レ・バンナってフランスでは有名なのか?」


「誰だ、そいつは・・・知らん」


K-1はやっぱり日本だけでしか盛り上がっていない様子・・・




その後、

ボビーにビールを差し入れようと、ボビー宅へおじゃまするが、

彼らは酒を飲まないんだってことを知る。


そういや、ラスタマンは酒もタバコもやらないんだったっけか・・・




ホテルへの帰り道で、

島では珍しくスペイン語を話す若い男に声をかけられる。


「今日、ボビーの自転車に乗っていただろ!?

あの男には気をつけなよ。

昔、観光客から金を盗んでいるのを見たんだ」



・・・ふむふむ。 そうか。 ま、いいけど。



「それより、いい話があるんだ。

今日の夜にカリブ海の入ろう!

そんで、酒でも飲みながら海水浴しようぜ!

深夜になると、たまにカップルがイチャつきだすしおもしろいぜ!」



うん、悪くないな。

・・・こりゃ、おもしろくなりそうだ。



ということで、

深夜の人通りが少なくなる時間帯まで

一旦、オレはホテルへ帰り、時間をつぶしてから出直すことに。



待ち合わせ時間になり、集合場所に行ってみると、

さっきの男は既に待ち構えていた。


もう一人来る予定らしいが、その男は姿を表さない。



とりあえず先に海に入ることになった。




買ってきたビールを空け、

少し肌寒い夜の海岸で飲む。


男はうるさいぐらい俺に話かけてくる。

どうも聞いていると下ネタのようだ。

だいたいジェスチャーなどから想像できる。



うるさいので、

オレは途中から完全にシカトをし、

橋の上から海にダイブする。



静かな海。


空には満点の星

(・・・・とまでうまくはいかず、少し曇っていたのが残念だった。)



それでも、

ビールとカリブ海と月。


これだけあれば十分じゃないか。


穏やかな波にプカプカ浮かびながら

空を見上げるなんて、ロマンチストな俺にはなんて贅沢な状況か。


これはめっちゃ貴重な体験なんだ、って自分に言い聞かせ、

目と頭にこの時の記憶を焼き付ける。




男は、

「海では全裸の方が気持ちいいよ」、と言い、

急に脱ぎだした。


そして、そいつも海に飛びこんでこっちに泳いでくる。

しかも、

ブツは元気満々。。。






ピンチ。


青森、再び・・・

(青森事件については『18キップの旅』編で詳しく記載します)


さっきから下ネタとか多くて

キモイ男だと思ったいたけど、

やっぱゲイかよっ。



まじで萎えました。

なんでオレってよりによって、好かれるんだろう。




幸いにも、

その男はガキだったので俺がめっちゃキレたらどこかへ行った。



せっかくの素敵なシチュエーションが台無しですよ。

げんなり。興ざめです。





そうして心に何かひっかかるものを残しながら、

今夜も更けていく。