前回かかと着地について少し触れました。
本日のセッションでランニング初心者向けのレクチャーとして実際のシューズで荷重の移動と掛かり方を体感していただき、その上でランジという股関節を前後に開くエクササイズを行いました。

僕も学生の頃のように気合と根性で走ってたのを振り返ると脚を頑張って前に運んでいました。
そもそもそれが間違いだとは大人になっても気づかずに…
学生の頃に誰も正しい走り方なんて教えてくれませんでした。
楽に走れたりしたら、もっと頑張って苦しくなるまで走れ!
こんな感じですよね。
そりゃマラソンって苦しいでしょうってなりますよね
(笑)
それは下手な走り方なんです。

ウェイトトレーニングと一緒です。
素人トレーニングのままいくら練習しても、トレーニングテクニックは上達しません。
運動という面で機能向上や感覚器官を発達させる為には共通しています。

実際に安定している速いランナーさんに共通して言えることは、足は体幹軸近くで着地して前後の股関節を振り子のように使って上手く送り出しているのです。
そうすることで、当然逆の足は前に振り出されるのですが、着地の際は身体の前でかかとに荷重が掛かるように着地は致しません。
推進力が働いているので、シューズのかかと部分は触れる程度で瞬時に通り抜けます。

僕の感覚では、武術や昔やっていた少林寺拳法で例えると地面をサバくという感じです。
衝撃を真っ直ぐ受けるのでは無いということですね。

色んなシューズを見てもらいながら、荷重移動のレクチャーを行いました。



2枚目の写真をご覧いただくと、多くの初心者向きランニングシューズがブルーのアシックスに黒ラインで示したように荷重がトレースされる方が非常に多いのですが、初心者向きのシューズはそれを上手くクッションで受けて親指・母指球側に抜けるように作られています。

しかし、いつまでも走法を身につけず走り続けても決してシューズがフォームを改善してはくれないのです。

他の4足に示した赤塗りで示したかかと部位ですが、着地して構いませんが荷重はほぼ掛けずに、先ほどの説明にあったように瞬時に捌く感じです。
これは、実際のセッションやセミナーで実践指導でマスターしていただきます。

理想の荷重トレースラインは、右2足に示した青ラインの土踏まずよりも前の中指から親指側で荷重が掛かります。
ここで注意したいのは、既にかかとは浮いているのでシューズの靴底面が地面にベタッと真っ直ぐ接地して荷重が掛かる訳ではありません。
かかとが地面に触れた時より(体重はここでは掛かりません)前に進んでいるので体幹の重心軸は抜けて脚は送られている状態です。
だからシューズの前足部でいわゆる蹴り出しをするのですが、地面を後ろに送り出す動作になるのです。


足裏の写真で見てみると
普通に歩いている時は、ほとんどの方は黄色の土踏まずを避けるようにかかと外側から荷重が掛かり、親指側に抜けていく感じです。
稀に女性の方でかかと内側から着地、しかもかかと内側がシューズ内側から更に倒れ込んでしまう方も見受けられます。
こういう方は、遠い将来膝の軟骨が片減りして膝関節が消耗してしまい現代医学では人口膝関節を入れないと行けなくなってしまう場合もありますので要注意です。

しかし、正しい走法で走るとほぼ赤の前足部で蹴り出し(実際は蹴るというイメージよりも地面を送り出すという感じです)が行われるのです。

ジムやロードで行う筋トレメニューのランジも、脚の強化としてよりも、体幹の軸で走る為に荷重の掛かり方や移動を感覚として身につけてもらう為に行っています。
ボディビル時代に僕がやっていたランジは、太ももにしっかりと荷重をかけながら腰を沈み込み、大腿部の鍛えたい部位(外側とか内側とか)に意識して荷重を、ドシっと掛けて鍛えていました。
筋力アップには⤴️これでオッケー👌
しかし、スムーズに荷重移動する股関節の捌きをマスターするには、太ももに荷重をかけ過ぎず股関節内側を意識して腸腰筋のバネで支えるようにして股関節の振り子動作としてマスターしてもらいます。

非常に難しいですよねぇショック
文字にすると表現も複雑になってしまいますが、動作としては瞬時に行うものなので、実践指導を受けていただく方は1回目で少なからず変化や理解を得ることが出来ます。

簡単に言うと、ランニングは脚の筋肉のパワーで走ってはいけません。
という事です。

脚の送り出しの感覚を掴む為にはジムにあるトレッドミルなどを使う事も有益です。
ただ、マラソンを走る為の走力をアップするトレーニングには決してならないのでそこは理解しておく必要があります。