フレンズオンアイス2018 レポその2 生と死それぞれの想い | 高橋大輔選手と共に momokikuのブログ

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昨夜うっかりTシャツなんぞ目にしてしまったので、私のアイアンメイデン愛が蘇り、頭の中はすっかりヘビメタモードです。

なにせ私がクラシック以外で初めて買ったのがアイアンメイデンのアルバムでした。

 

アイアンメイデンの3枚目のアルバム 魔力の刻印 (トンさんが着てたやつ)は特にお気に入りでどれも名曲揃い。ヴォーカルのブルース・ディッキンソンは私の中では群を抜く神ボイスの持ち主です。

声域が広く、高音で恐ろしく長くシャウトし続けることができます。信じられないくらいのすっごい肺活量。

 

また彼は非常に多彩な人物で、ロンドン大学で歴史を学んだインテリでボーイングのパイロットでもあり、おまけに?戦車まで操縦できるうえにフェンシングではイギリス国内7位の成績まで持ってるというスーパーマンなんです。

 

おっと、このまま語りつづけたらヘビメタブログになっちゃう・・・と思いつつ懐かしくなってブルース・ディッキンソンの近況を調べてみたら、ちょうどこの6月に彼の自伝的なドキュメンタリー映画が期間限定で日本で公開されてたんですね。

 

「サラエボの叫び」

アイアン・メイデンのブルース・ディッキンソンが、グループ脱退直後の1994年、自身のバンド、スカンクワークスを率いて紛争まっただ中のボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボでライヴを決行した。本作はこの歴史に残るライヴの舞台裏を、ブルースをはじめとする関係者へのインタビューとともに振り返る音楽ドキュメンタリー。

 

今から24年前、ブルース・ディッキンソンが欧州ツアー最後の地として選んだのがサラエボでした。当時サラエボは内戦中。そこでショーを開催するなんて考えられない事でしたが、彼は断固として実行します。なぜそんなことをしたのかがこの映画のテーマになっています。

 

私はもちろんまだ見ていないのですが、映画には当時の包囲下のサラエボの映像が使われており、命をかけてライブを断行した人々の証言から戦争の痛ましさ、生活を破壊されてなお、音楽を求めてやまなかったとあるミュージシャンの情熱と、それに応えようとしたディッキンソン達が描かれているようです。

 

「ギグは、集まってくれた観衆の為、そして、我々自分たちの為におこなった世界最大のショーだった。世界がその事実を知らなかったことは問題ではなかった。それは、自分の人生や死、自分以外の人たちに対する見え方が一変した瞬間だった」

 

紛争地でのライブは平和の中で想像したものとは全く異なる緊迫感、どこから銃弾が飛んでくるのかわからない中、それでも人は音楽を求め、熱狂せずにはいられない。それで命を落とす羽目になったとしても。

 

逆に考えればどんな状況においてもそこに人がいる限り、生活が続いてるわけで紛争地にいたとしても人間性を失ってしまうわけではないのですね。美味しいもの、美しいもの、楽しいことを求める心は変わらないのです。むしろより必要とし、命を引き換えにするほどに切望しているのです。

 

新横がいきなりサラエボになってしまってしまいましたが、私がこの映画に興味を引かれたのは、フレンズオンアイスでシェイリーンが演じたデニス・テン追悼プログラムに、戦争ドキュメンタリーを見たときに味わうのと同じような痛ましさを覚え、その残像がまだ心を支配していたからです。

 

追悼にしてもあまりに重苦しい重低音が響く中、黒い衣装を身にまとったシェイリーンが地を這い、悶えるように体をうねらせ、飛び跳ねながら滑る様に禍々しさを感じました。争い、怒り、涙、苦しみ、分断、おそれ、そして死。

 

紛争地を逃げ回る人々、焼きつくされて廃墟となった灰色の街並み、ひとり泣きじゃくる子供。

 

と、同時に2015年のクリスマスオンアイスでエミネムのを滑っていたデニス・テン君の姿もそこにありました。

 

同じくビートの効いた重低音を響かせながら、ヒップホップとスケートの融合という新境地を見せてくれたテン君が、それを振り付けたシェイリーンの姿を借りて、あの時と同じリンクで滑ってる。

 

彼の滑りとシェイリーンのそれを重ねてしまい、なにかとてつもなく惨(むご)いものを見ている気がして、思わず口を押えました。

 

これはカタルシスなんでしょうね。

 

あえて恐れや憐れみを表現することで、心に溜まった感情を吐き出し、浄化を図る。

 

そうせざるを得ないほどテン君の死がシェイリーンにもたらした衝撃は大きかったのでしょう。それが彼の死を知ってからしばらく抱き続けた私の感情にあまりにもシンクロしていたので、演技が終わった後もしばらく拍手できませんでした。

 

シェイリーンがこれほどまでに卓越した表現者でなければもう少し早く回復できたんでしょうけどね。

 

その後美姫ちゃんが楽ではレクイエムを、そしてパン&トンがニューシネマパラダイスをそれぞれ感情を込めて滑ってくれました。

 

美姫ちゃんのレクイエムは2011年の震災後のモスクワワールドでチャンピオンになった際のEXで、幼い頃に亡くなったお父さんにも捧げられたものです。彼女の滑りはシェイリーン程自在な滑走感はないのですけど、あの時の感動が蘇る素晴らしいステップでしたよ。

 

そしてパン&トンの滑りは、魂を鎮める静かな祈りに満ちた優しいものでした。愛の力が慰めと癒しをもたらし、残された人の生きる道しるべを指し示すのだと教えてくれるようでした。

 

しかしながら滑り終わって北のゲートにはけていく際のトンさんの悲痛な顔は忘れられません。

 

みんながテン君との楽しい思い出を刻んだこの場所が、まさか鎮魂のためのリンクになろうとは誰も想像もしなかったことでした。

 

 

亡き友を悼むのもまたこのフレンズオンアイス2018年のテーマでした。

 

その中で荒川静香さんが2部の冒頭、子持ちのスケーターたちによるペアレンツコラボを企画したことに若干異和を感じた方もいらしたかもしれません。

こんな時に我が子の誕生を祝ってる場合?みたいなね。

 

でも私は全くそうは思いません。

 

普段は子供がいるなしで人を区分したことなど全くないし、そんな考えは毛頭ないけど、でも私自身が出産に関して一番感じたのは歓びではなく死への恐れでした。

想像してたものとはまったく違う、沸き上がる不安感への戸惑いは体験者でなければ共有は難しいと思います。

 

妊娠中は世界各国の恐ろしい事件、ことに戦争地でたくさんの人がいとも簡単に、容易く命を奪われることに恐怖を感じてずっと泣いていました。ほどんど鬱状態でした。

まったくご飯を受け付けなくなりつわりは6ヶ月続きました。

 

生と死は本当に隣り合わせ、新しい命を授かるという事は一つの死もまた己の責任になるという事実の重さがのしかかってきたんです。

人はあくまでも自然の一部に過ぎないという、それまでは気が付かなかったことに直面して世間から切り離されてしまった気がしました。

 

そういう想い、スケーターとて同じだと思います。そしてその上でこんな恐ろしい世の中に自分の子供を送り出さなければいけないことへの恐怖を感じなかったとは思えません。テン君の死がダイレクトに彼らの心に傷をもたらした。それは単に友達だからというだけではなく、我が子への愛が命を失う事への痛みを増幅させるからです。

 

しーちゃんはここでキッズスケーターとの心温まるような笑顔のコラボを取り入れた理由は、決して祝い事などと浮かれたものではなく、私たち大人が子供たちを守り抜く社会を創り上げ、皆で助け合いながらその成長を見守り、より安心できる世界へと送り出せるようにしたいという心からの願いからだったと考えます。

 

ショーのエンターティメント性と社会的なメッセージの両立は難しいので演じる順番は前後してしまったけど、本来ならこれが締めくくりでもいいとすら思いましたよ。

 

しーちゃんのその気持ちは私はちゃんと受け止めれられたと思います。

 

出産後3か月の体でよくまあここまでのアイスショーを創り上げ、3プロも滑れるものだと尊敬します。

ありがとうございます。

 

しーちゃんがまた来年もとおっしゃってくれてホッとしました。いやほんとこれからますます大変になるとは思いますが、お体には十分気を付けてまた素晴らしい企画を立ち上げてくださいね。終わったばかりなのにもう期待と願いを込めてお待ちしています。

 

 

今回のフレンズは三つのテーマから成り立っていました。一つは命の大切さ、もうひとつはフレンズが育んできた絆の継承、そしてメインはもちろん大ちゃん復活へのエールです。

 

一度だけではこうしたテーマに気が付く間もなくあれよあれよと楽しい時間が終わってしまうのですが、楽は自分の心のチャンネルをしっかり合わせることができましたから大丈夫でした。

 

それにしても一度好きになるとそれは生涯変わらないのが私の傾向みたいです。

だからあんまり浮気はしません。いつまでも大切にします。髙橋大輔愛もこのまま一生抱き続けると思います。

 

 

最後にウィルソン先生の大ちゃんへの誉め言葉が嬉しかったのでそのままお借りしました。相変わらずお口上手な先生ですけどその通り!!って思っちゃうのがファンの欲目?いやいやごもっともです。

 

 

 

Daisuke Takahashi looking good


Choreographer David Wilson had high praise for Daisuke Takahashi, who is returning to competition following a four-year retirement, after working with him in Toronto last month on his new short program “The Sheltering Sky.”

“It went really well and he’s more amazing than ever,” Wilson wrote in an email to Ice Time. “You can really see the increased maturity in his skating. It was so much fun and inspiring for me to work with him again. He’s just the coolest guy in skating!!!”

 

スケーティングはクールガイ!

でも滑ってないときはとってキュートな大ちゃんだからついつい放っておけないんですよねー❤️

 

 

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