少し前になりますが、4月12日に、内閣官房に設置されている「新しい資本主義実現会議」が開催され、それを受けて労働市場改革のことがニュースになっていました。

 

論点はいくつもあるのですが、気になったのは「労働移動の円滑化」。一世代前までは、一つの企業に就職したら定年までそこでまじめに働き続けることで、安定した収入と退職金を得ることができていました。しかし、これから郁たちが生きていく時代は、ただまじめにこつこつ地道に働き続けるだけでは、必ずしも安定した生活は得られない時代になるのかもしれません。

 

12日の会議資料「三位一体労働市場改革の論点案」の最初に書かれていたのは

  • 『キャリアは会社から与えられるもの』から『一人一人が自らのキャリアを選択する』時代
  • 職務ごとに要求されるスキルを明らかにすることで、労働者が自分の意思でリ・スキリングを行い、職務を選択できる制度に移行していくことが重要
  • 労働者が自らの選択によって労働移動できるようにしていくことが、日本企業と日本経済の更なる成長のためにも急務

具体的には、勤続年数や経験などではなく、仕事の難易度に応じた職務給の制度広げ、さらに、労働移動の円滑化を図るため、同じ勤務先に20年を超えて勤めた人の退職金にかかる所得税の軽減措置を見直すことなど・・・。そして、最近よく聞く「リ・スキリング」。

これからの社会、ずっと頑張り続けるしかないように読めてしまう。

 

昨日の記事に書いたYohana。HPには、「Yohanaは、忙しいあなたの生活を専門チームがサポートするサービスです。日々のやるべきことを整理し、優先順位をつけ、一緒に一つずつ解決。頭のなかがスッキリすると、心にゆとりも生まれますよ。」と書かれていました。創業者の松岡陽子さんの経験から生まれたサービスのだそうです。MITで博士号を取得後、いくつかのアメリカの大学で教鞭をとりながら、結婚、出産。その後、民間企業に移り、複数のスタートアップ企業で働き、米国のアップルとグーグルで副社長を務めて、現在パナソニックホールディングスの執行役員。家族は夫と4人の子どもとペットのミニブタ・・・。まさに、「自らのキャリアを選択」して生きてきた人です。

今まで、仕事をやめたいと思ったことはないと言い切る松岡さん。やりたいことがたくさんあるから、生活の中に論理的に優先順位をつけて、やると決めたことは必ずやる、仕事に限らず、子守や自宅の掃除など周囲に任せていいことは完全に任さる。「三―リスト(自分のためにすべきこと)」を作り、この間だけは自分を優先する。この時間があることで、気持ちにゆとりができ、優しいお母さん、いいリーダーになれたのだそうです。

こんなこと「普通のひと」では出来ないよねと思ってしまう母ですが、まあ、「普通のひと」ではないから、新聞に載っているのですよね。

 

「大学」という職場も、任期制等が導入され、研究費は自力で調達することが求められる。一昔前ののんきな「万年講師」ではいられないのが現実。大学院を修了した時、「普通のひと」は、どこにに行くのか・・・。

 

心の問題で休職する人が増加ししていると同時に、精神障害の労災認定数も確実に増えている中、頑張りすぎて心を壊すことがないことだけを祈っている母です。