あ~ 


カラオケいきて~。



夕方まで、用事があった僕はそれが終わってから無性にカラオケが行きたくなった。


でも、こんなにポカポカ陽気の日曜日の夕方に急に誘って出てきてくれるような、そんな暇人そうそういない。(たぶん六甲付近にはいっぱいいると思うのだが。)


あ~。もうひとりでいったろうかな。



現在名古屋在住の、元南港のドンこと水野氏にメールを送る。

「あーばりカラオケ行きたい。今からひとりでいったろかな。」


「行ってこいや、俺もたまにいくで!ほんま最近カップルみたら見下してまうわ。」

と二文目がわけのわからないメールが返ってきた。


「え?一人でいくん?そんなんできんの?かなりハズイねんけど。」

ふっつうにびっくりしたからばり素でメールを返す。


「カラオケ一人で行くくらい余裕やろ。オーラがちゃうし。」


え??オーラって何??カラオケに一人でもいけるようなオーラ??


訳がわからず水野氏に電話を。


話の内容は伏せるが、さすが先週、5日間連続で昼飯を食堂で一人で食べた男。

肝がすわってます。とりあえずたくさんの人を見下してました。

そんな見下しトーク。大好きです僕わ。内容は伏せますが。


そして最終的な結果は「俺らはすごい。」

いつものお決まりのトークです。



そんなことはおいといて、社会の中で帰属意識を持たずに生活することに必要以上に臆病になっている現代人代表の僕に果たして一人でカラオケに行くというエキセントリックな行動を起こせるのか!??



カラオケのレジの20代前半の女性はそんな僕を見てどうおもうのだろうか。


一曲目のサビくらいで店員さんがドリンクを持ってきた時、僕はどう接したらいいのだろうか。


トイレに行っているときにあと10分コールがかかってきたら、どうなるのか。


帰りのレジで、「それではお一人様、一時間、学割で280円ですね!」

と元気よく言われたときに、その後ろにいる人や、横で清算している人にどんな目でみられるのだろうか。


そのとき、千円札しかなかったとき、僕はさらに10秒間余計に辱めをうけなければならないのではなかろうか。




「行ってやろうじゃないの!!!」


もううじうじするのはやめました。

とにかくカラオケに行きたいのです。自分の気持ちに正直に生きていきたいのです。


てことで、カラオケいってきました。一人で。一時間。学割で。


オーラをまとって。「え?カラオケ一人とかいつものことやけど?なんか問題ある??」

っていう当たり前オーラをです。


それはもう、堂々としたもんでしたよ。威風堂々でした。

みんなにみしてやりたいくらいでしたよ。


ドリンクは持ってこられたらハズイから自分でロビーでウーロンティーをさくっといれてね☆


んで、10人くらいは余裕で入る部屋に到着。

嫌がらせ??


一人で一時間。は四人で四時間。と同意。

ノドかれたわ!


ん~、でも、結構わるくないかも。すくなくとも家でテレビみてるよりは。

サビだけしってる歌とかでも遠慮なく歌えるし。しんどいから、ケミストリーの川端だけ歌ってみたり。




そんなカラオケから出てきた時、何か少し成長したような。筆おろしを終えた少年のような。そんなすがすがしい気持ちになると同時に。少し寂しい。秘密の花園であったはずの女性の体を知ってしまった少年のような。そんな虚脱感に襲われたのでした。



カラオケに行った。

たったそれだけのことでさえ、こんなにもドラマティックなストーリーがあるんだ。

人間、ひとりひとりがかけがえのないドラマの主人公なんだ。