誰が最初に言ったのかは不明ですが、名言集などでよく見かけます。
この「形から入って心に至る」という言葉は、道を究める世界の人々が非常に納得されるようです。
道を究める世界とは、華道、茶道、剣道、柔道など、まさに「道」が付く世界の事です。
気軽に楽しくお稽古をする方もおられますが、その道が人生と重なるくらいに、究める方もおられる世界です。
私は常々、カウンセリングは、まず「技術」と申し上げています。
技術とは、「形」の事です。
カウンセリングの訓練も、「形から入って心に至る」という世界なのです。
時々、この世界には、心が先走る方がおられます。
「技術はなくても、まずはハートです!」
でも、よく考えるとハートだけではどうにもならないのが、カウンセリングなのです。
(中略)
カウンセリングも全く同じです。
充分な訓練を積んだものだけが、カウンセラーとしての仕事が可能となるのです。
でも、心が不要なのではありません。
ここで名言、「形から入って心に至る」を思い出して頂きたいのです。
形から入って心に至る、つまり形を繰り返し訓練する中で、カウンセラーとしての精神、魂が宿るという事なのです。
だから、「技術はなくても、まずはハートです!」のハートは、プロとしての心が宿った状態ではなく、素人の同情心の先走りとも言えます。
初めから大技が習えるわけでもなく、カウンセリングの訓練なんて、最初はつまらないかもしれません。
しかしながら、そうした訓練の積み重ねにより、心に至るのです。
ちなみに、華道、茶道、剣道、柔道などの道の世界でやってきた方が、カウンセリングの訓練を受けられると、伸びる確率が高いように感じています。
これからカウンセラーを目指す方も、今、訓練中だという方も、「形から入って心に至る」という言葉を自分の中に取り入れて頂けたらと思います。