こちらの記事からの続きです。
Bテーブルでご紹介された本はこちら。
自己紹介の後、司会進行をしてくださった京都サポーターの女性からまずは推し本を紹介となりました。
この方は演劇部の部長でもあります
ちなみに私が副部長
[カリギュラ]舞台・感想
(原作→カミュの戯曲(文庫版))
古代ローマ皇帝カエサルのあだ名[カリギュラ]
妹の死から暴君化した。
人々に理不尽で残酷なことをし
月を手に入れたいという不可能なことを言い出す。
残酷で純粋で繊細さもあるカリギュラ。
セリフや動きや衣装などで
喜怒哀楽の激しいカリギュラを
菅田将暉さんが見事演じていました。
緊迫したシーンが多い中
笑いどころも少しありました。
叫ぶより覇気のないトーンの方がより狂気を感じますね。
他のキャストも魅力的でしたよ!
感想はまだまだ続くのですが割愛。
本のご紹介として、次のように話されていました。
脚本になっている。
外国文学はその国のベースとなる考え方が理解できていないとわからないという思いがあったが、この作品は理解できた。
支配的な暴君として描かれているが、その一方でカリギュラの孤独や怯えが描かれていて、抱きしめたくなる。
本だけでは理解できなかったが舞台を観ると理解できた。
シェイクスピアの「マクベス」に近い世界観で、闇落ちしていく、【人間としての弱さ】が描かれている。
破滅的な物語
カリギュラは権力を手にいれ、神への挑戦をしようとしている。
なかでも、まとめとして言われた言葉が響きました。
今の世の中は【わかりやすいもの】を求めている。
【わからないものに触れてみる】ことも大切ではないか。
共感できないけれど、自分にもカリギュラ的な部分があると思う。
この、わからないものに触れるというのが読書会に参加する一つの目的になっていて、課題本形式読書会はまさにそれを体験できる機会になると思っています。
このことについては、午後の課題本形式読書会のレポで掘り下げて書きたいと思います
流暢な語り口調に、発表のハードルが初っ端から上がってしまいました
でも、「うまく話そうとしないでいい」というのも彩ふ読書会のコンセプトです。
とはいえ、この後に続くのはなかなかハードルが高いので、次に発表していただくのは、神社仏閣部や朝活部でご一緒させていただいている見識豊かな男性にお願いしました。
エスコヤマは、兵庫県三田市に店を構えています。
いわゆる"田舎"になぜ店を構えるのか。
それは小山氏の原体験が関係しています。
以下、お話いただいた内容です。
小山氏はパティシエとして超一流なだけでなく、ショコラティエとしても8年連続有名な賞を受賞したりしている。
小山氏は、ケーキに関わる全てのことが好きで、有名洋菓子店「ハイジ」で修業された後、店作りをされた。
ケーキ・ショコラ・パンなど専門店として分け、地域で5店舗展開されている。
パッケージにもこだわり、トータルコーディネートしている。
超一流の小山氏にとって、ケーキは「美味しく作れて当たり前」。
小山氏は、更に【その先】に目を向けている。
既存のマーケティングは信用しない。マーケティングは既存概念だから、というのがその理由。
小山氏は、元々学校の先生になりたかったのもあり、小学校や中学校に教えに行ったりしている。
【原体験】が想像力に繋がるという考えで、技術面を教えるより、【楽しさ】を教えることの方が大切と考えている。
売ること、稼ぐことより感動を与えることを大切にしている。
小山ロールは、「合格だけど完成ではない」。
日本には四季があり、そうした気候の変化などにより、粉の配合など日々、未完成で進化している。
上質感のある【普通味】を目指している。
世の中、進化するほど【普通】が難しい。
小山氏は、小山氏から学びたい若い方たちを教育されています。
その時に大切にされていることが【世の中が本当に求めていることを提供できる人材を育成する】ということだそうです。
ハードル、依然として維持
私は男性の発表を伺って、以前に読書会の課題本にもなった「仕事は楽しいかね?」を思い出していました。
仕事カテゴリーに入れているこちらの記事で書いたのですが、一部抜粋します。
物語はある平凡な会社員の男性が、空港で不思議な老人に出会うところから始まります。
悪天候のためフライトが見送られ、空港のロビーはひとで溢れかえっていました。
退屈した子ども達の相手をしていたのが不思議な老人でした。
男性と目が合い、老人が近寄り声をかけてきます。
老人から次々に質問責めにあい、男性は適当な答えを返していましたが、老人の言葉にギクリとします。
仕事は楽しいかね?
そんな問いかけから始まった男性と老人のやりとり。
男性にとって生涯忘れることのない、一夜限りの二人だけの講義が始まったのです。
(中略)
成功の秘訣を老人は惜しげもなく語ります。
それはね、“あるべき状態より、良くあること”なんだ。
“完璧”な演奏をしたフルート奏者が翌日の演奏では、更に素晴らしい演奏をしようとすることを例になぞらえ、変化することの大切さを説きます。
明日は今日と違う自分になる、だよ。
老人は日々そうした変化を楽しみ、仕事だけではなく人生を楽しんでいるのです。
ワクワクするようなことがたくさん語られ、スピード展開の早い物語に追いつこうと読み進めていくうち、老人の言葉が自分自身に投げかけられているように感じられ、老人からのメッセージを受け取ろうと一気読みしました。
ご紹介された小山氏のエピソードと、老人が重なりました。
ワクワクするようなことを語ってくれる存在が師としていることは、人にとって何よりも成長の機会になると思います。
男性の解説がお上手だったのもありますが、小山氏の著作を読んでみたくなりました。
今までに5冊本を出されているそうです。
そして、【原体験】というワードも私にとって大きなポイントでした。
私が持参した推し本で言いたかったこともまさにそれだったからです。
私は最後に発表させていただき、時間調整のため軽い説明で済ましたのですが、益田ミリさんの「おとな小学生」を推し本としました。
「おとな小学生」について書いた記事→⭐︎⭐︎⭐︎子どもの頃に夢中になったことは、自分のベースになる部分なのではないかと思っています。
私で言えば、本を読むこと、文章を書くことは子どもの頃から好きで、今もやっぱり好きです。
読書をしたりブログを書いていると、とても豊かで寛いだ気持ちになります。
そういう【好きを大切にすること】(原体験を大切にすること)を大切にすることは人生を豊かにし、例えば仕事選びなどにもキーとなるのではないかと思うのです。
こちらの本も補足として持っていったのですが、児童文学に触れることで、日々の生活のなかで忘れてしまっている繊細な、大切な自分のベースが思い出せるのではないかと思います。
神戸読書会で児童文学や絵本を題材に取り上げようと思っているのは、そうした想いからです。
今回、第一回目ということでコンセプトが伝わる本をと思って持っていったのですが説明しきれなかったので、この記事で補足説明とさせていただきました
Bテーブル、まだまだ続きます
内容が濃密で一記事には収まらないので、次の記事に続きます。
よろしければお付き合いください