少し間が空きましたが、彩ふ読書会第一回神戸読書会の5つ目の記事です。

はじまりはこちらから。①〜④は推し本形式読書会について書いています。下矢印
神戸初の課題本は、「不思議の国のアリス」でした。

「不思議の国のアリス」というと、絵本や映画で親しんでいる方も多いと思います。

でも、原作を読んだ方はどのくらいいるのかな?と思ったのが課題本に選んだきっかけでした。

私はトランプの女王が印象深く残っていて、その理由は、「人間くささ」の象徴のように思えたからです。
絵本でアリスを読んだのが原体験になるので、いつからそう思ったのかは覚えていませんが、他のどの登場人物より印象に残っていました。


「不思議のアリス」を読み返してみたかった方、課題本読書会に参加してみたかった方、彩ふ読書会に参加してみたかった方。

様々な参加理由をお持ちになって、男性3名、女性6名の総勢9名と+サポーター1名(課題本は未読ながら、午前の部だけ参加予定だった臨時サポーターの女性がサポートとして参加してくださりました)での開催となりましたニコニコ


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まずは、彩ふ読書会主宰者・のーさんの挨拶からです。

毎回伝えられる挨拶の一文が私はとても好きです。

「どの意見も、合ってる間違ってるはありません。自分と違う意見でも否定しないでください」


相手を尊重することを大切にするからこそ出てきた挨拶かなあ、と思います。

意見が違うときは、「自分はこう考えます」「違う意見です」というのも大切なことだと思います。

でも、「それっておかしくない?」とか、「それは違うんじゃない?」は、必要ないのかな、と。

自分に考えや気持ちがあるように、相手にもある。

そこを大切にしながら、課題本読書会はディベートでもディスカッションでもなく、ちょっと深いカンバセーションの場としたいなと思います。
これ、日常でも思っているんですが、威風堂々として見える言動のせいか、時にディベートに巻き込まれるんですよね…ショボーンまだまだ学びが足りません…。


挨拶のあとは、会話がしやすくなるように簡単な自己紹介をしていただきました。

そのあと、まだ何も共有しない状態で、読んでみた感想を伺いました。

以下、感想の要約とそこから発展した話です。
(各参加者さんごとに色分けしており、黒字は私の注釈です)


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◆物語に意味や解釈をつけ、作者の意図を探ろうとしていたが、「あり得ないことが起こっている」ということを受け入れ、純粋に物語として楽しもうと途中から思った。

シュールな世界観だと思い、自分のなかに「何か意味があるはず」という先入観や偏見があることに気づいた。


◆実用書を普段よく読むので、言いたいことを「先読み」する癖がついている。
 でも、アリスは先が全然予測できなかった。
 ストーリー性がないように感じられ、イメージがつきにくかった。


◆作者は【こどもに響くように】書いている。意味付けせず、物語の世界観を楽しむのがいいのではないか。


◆アリスはディズニーのアニメ映画で知った。
ファンであるビートルズのジョン・レノンがアリスが好きだと知って、中学生の時に本で読んだ。
今回読み返してみて、「なんじゃこりゃ」と思った。



◆英語の教科書で知り、全文を読んだのは初めて。
アリスがほら穴に落ちていくのは、深層心理を表現しているのではないか。
産道も暗く狭いところでほら穴のように表現されることがありますよね。
子宮という居心地の良い場所から外に生まれ出る悲しみのため赤ちゃんはまず泣くのだ、という話も聞いたことがあります。

【意味がないのが意味】なのではないか。

アリスは不条理な目に合う。
大人の世界でも不条理なことはあり、それをこども流の不条理で表現しているのではないか。

「アリスの失言」は、大人の失言にも繋がる。大人への教訓にもなっているのではないか。


◆現実とは全く違う、ナンセンスな世界が描かれている。
(びしょ濡れになった服を乾かすために走って競争するドードー島のエピソードなど)

頭を空っぽにして読める物語。

青虫のエピソードが好き。
青虫は蛹から幼虫になる。自分の姿が変わっていくのに、【ブレない自分】があるのが会話から伝わってきた。


お茶会は「暇つぶし」だが、時間を大切にしている。時間はおもてなしだと思った。

(不思議な世界観に入るという意味で)
うさぎ穴に入れるかどうかだと思う。



◆あらすじは知っていたが、原作は読んだことがなかった。
感想としては、「わけがわからない」。

「教訓を求めるな」ということが教訓なのかな、と思う。

作中に韻を踏んだ歌が挿入されているが、飛ばして読んだ。

イギリスの風習を知っていたらもっと楽しめるのかな?と思う。

この物語は、ルイス・キャロルが学長の娘に即興で作った物語なので、ストーリーとしての整合性がないのではないか?
ストーリーに整合性、時間列がないことで、「次に何が起こるかわからない」という、アリスの状態を読者も追体験できることを狙っているのかもしれません。



◆混乱してしまい、続けて読み続けることができなかった。
意味を求めようとしない方がいいのかな、と思った。

唯一混乱しなかったのが青虫のエピソードだった。

チェシャー猫にも混乱させられた。
絵本で読んだときは、チェシャー猫は案内役のような位置づけのように思えたのですが、原作ではそのような描写はありません。



お一人お一人感想を話すなかで、みんな一斉に本を読み返すタイミングが何回かありました。

海外文学は訳者の方によって表現方法が違うので、そのあたりもポイントになります。


他の方の持ってこられた本と自分が持ってきた本の違いを楽しむのも、楽しみ方の一つです。


一通り意見が出て、更に物語の世界観に入っていきます。

皆さまもどうぞ、うさぎ穴に入って🕳みてくださいニコニコ

次の記事に続きます。