彩ふ読書会「不思議の国のアリス」の記事です。

こちらの記事から続いています…↓
アリスは不思議の国のなかで様々な経験をしていきます。

そして最後に現実世界に戻ってきて、姉に自分の冒険譚を語ります。


物語をこれから読まれる方がおられると思うので引用は避けますが、アリスの話を聴くお姉さんは何歳くらいだろう?という話になりました。

「たいしたことじゃないんですけど…、お姉さんて何歳だと思います?」
おずおずと切り出されたその疑問が面白いなあ、と思いました。

私自身は、大人に片足を踏み込みつつ、子ども時代の思い出も胸に残している年齢を想像し、17〜18歳くらいの印象でした。

お一人ずつ聞いていくと、意外に想定している年齢が違い、そして皆さんお姉さんの年齢を想像されていたのが興味深かったです。

お姉さんの存在は物語のなかで唯一現実感がある存在とも言えるため、皆さん共感しやすかったのかもしれません。


12、3歳と想像された方、15、6歳と想像された方、20歳くらいと想像された方、社会人の世代だと思われた方もいらっしゃいました。


最後にお姉さんが登場することにより、物語は終結し、読者も現実世界に戻ってこれる感じがします。

そう話すと、「確かに、物語自体はわけがわからない話でしたけど、読後感は悪くなかったです」というご意見がありました。


「アリスは、【夢オチ】の元祖なんじゃないかと思う」というご意見も面白かったです爆笑
この方が、「みんなでウサギ穴に入れて楽しかった」と後から感想を寄せていただき、素敵な表現だなあ、と思ったので記事内で拝借しましたニコニコ音譜音譜


最後に参加者の方に感想を伺ってみました。

ネザーランド・ドワーフ色々な意見が聴けて、視界が開いた感じがする。

ネザーランド・ドワーフ「鏡の国のアリス」を読んでみたくなった。

ネザーランド・ドワーフアリス展をやっていたのを見に行ったら良かったなと後悔した。

ネザーランド・ドワーフアリスはティム・バートンのような世界観でアートだと思う。
純粋なお話として楽しむのがいい。

ネザーランド・ドワーフ悪夢のような世界観だなと思ったが、このシーンはこういう意味かな?と想像するのが楽しかった。

ネザーランド・ドワーフ色々な解釈ができる物語で、「カオスを楽しむ」のがいいと思う。


皆さまお腹いっぱいになった感じだったので、残り時間はフリートークとさせていただきました爆笑


本本本本本
ここからは、余談となりますが、私自身がアリスを読んで感じたことを備忘録として書いていきたいと思います。

星私が全篇を読み通して感じたのはアリスの成長でした。

アリスは好奇心が強く、おしゃまな少女として描かれ、最初は同級生を見下すような言葉があったり、知識をひけらかすような表現がでてきたりします。

ひとの話を聞かず、自分の話したいことを話す様子も描かれています。

そのアリスが奇妙な体験をするなかで注意深く物事を見たり考えたりするようになり、理解できない話に対しても、理解しようと耳を傾けるようになります。

そして、どこかで聞いた意見ではなく、自分の考えを語れるように成長していきます。

それを示すのが、公爵夫人という登場人物が教訓を山のように語り、アリスに今まで話したことをプレゼントにして差し上げる、というのに対し、アリスが「わたしにも考える権利があります」とぴしゃりと言うシーンです。


この公爵夫人から、教訓とは「正しいこと」であり、「常識」を表しているのではないかと思いました。

「ふつうは〇〇する」「一般的に〇〇だ」という風に言われると一瞬信じてしまいそうになりますが、その人が自分自身の言葉で語らなければ、アリスが教訓をはねつけたように、ひとの心には響かないのではないかと思います。


星同じく公爵夫人が登場するシーンなのですが、公爵夫人は自分の子どもを手荒に扱います。 

作中で歌がでてきます。

公爵夫人は、それが子どもにとって良かれと思ってやっているのです。

これは、親が子どものために「良かれと思ってやっていることがかえって子どもの成長を妨げたり、害になったりすると示唆しているように感じられました。


星そして、私のなかで一番印象深かったトランプの女王のエピソードです。

女王は気に入らない者がいると、すぐに「首をはねろ」と家来に命令します。

そうやって気に入らない者を排除していく女王の周りには誰もいなくなります。

それは、他者を批判するひとが周りから信用をなくし、孤立していく様子を描いているように感じられました。

また、首をはねることを命令し、処罰したつもりになっていますが、実は実際には処刑は行われていません。

これは、自分の目で物事を確認しないことの危うさを表現しているように思われました。

そのような見方をしていくと、ハートの女王はある種滑稽な人物として浮かび上がってきます。

その女王の独断と偏見に満ちた裁判で皆がへり下るなか、アリスが女王の言葉に対し、「わたしの知ったことではありません」とアリスが言い放つシーンでは、同調圧力や権力に屈しないことに対する爽快感を感じました。


私の感想は自分でも深読みしすぎかな?と思ったので、読書会ではサラッとしかお話しなかったため、記録として残してみましたほっこり


本本本本本
以上、長くなりましたが、神戸読書会の振り返り記事でしたキラキラキラキラ

神戸読書会は、次回1月13日(月・祝日)15時40分〜17時
推し本形式読書会のみで開催しますニコニコ

神戸読書会は少人数制で少しずつ規模を広げていく予定です。
少人数のため、次回からは会場が変更になります。

1月の募集も開始していますので、よろしければこちらをご覧ください。
下矢印下矢印下矢印

皆さまのご参加をお待ちしていますニコニコ音譜音譜


さて。
実は今、半日仕事の後、京都に向かう電車のなかで記事を書いています。

なぜ京都かといいますと…、
彩ふ読書会京都読書会1周年!!!!なのです。
実は京都会場のSAKURA CAFEにいくのは初めて…!!
迷わず辿り着けるかが若干心配です…あせるあせる


楽しんできますキラキラキラキラ
そして、またレポします爆笑

それでは、またニコニコ音譜音譜