モンゴルだるま@ウランバートルです。

4月27-28日でモンゴル国立観光センターとモンゴル警察庁交通警察・交通運輸局のコラボイベントで「観光ドライバー向け安全講習会2日間」が開催されているわけです。

15年以上ぶりに「授業を受ける」ことになったドライバーのガナー君はなんと昼休みに抜けだして報告に来るほどの疲労困憊ぶり。

なんでも「自分でわかってることをべらべらと延々にしゃべられて眠くなってきた」とか。
でも、交通警察からの違法駐車状況などについての話があったときは、はりきって発言したらしい。
それをかいつまんで、こういったああいった、とはりきって身振り手振りつきで得意そうに報告してくれるのですが、これがまた長い。10分くらいかけての質問・・・


んーーーーー。記者会見での質疑応答で自分の意見を披露しちゃう質問記者みたい。

簡潔に要約しちゃうと、「ウランバートル市は交通量が激増しているにも関わらず道幅が狭く、車両レーンも限られている。また観光スポットの駐車スペースが小さすぎて、大型バスが止まってしまうと、マイクロバスや乗用車など少人数グループの観光旅行者が駐車スペースで下車できず大変危険。さらに渋滞・駐車スペースがないところに限って警察官が立っていて、観光スポットに客の利便性を考えて停車した途端に違反切符を切りに走ってくる。一方通行表示、駐車標識などのつけ方は、交通警察が違反切符で小遣い稼ぎするために設置しているような印象を受ける。観光客が安全に市内観光を楽しめるようにするための環境整備も考えて交通標識、信号の設置、交通整理をするべきだと思う。」
要約しても長いですね。私も要約が苦手なもんで…

ガナー君の言い分はまさにその通りなのです。
ウランバートル市内の交通量は社会主義時代にソ連の技師たちの指導で行われた都市開発デザインの際にはまさに「想定外」なのです。まさか一般人、婦女子にいたるまで「ドライバー」になるなんて社会主義時代の人たちには想像できませんでしたよね。

今、ウランバートル市内のあちこちで道路拡張工事をしていますが、駐車スペース、停車用の路肩建設なども必須ですね。

私としては、レンタル自転車普及っていうのをやりたいんだけどな。別にかっこいいマウンテンバイクタイプじゃなくて、ママチャリでいいわけです。というかママチャリがいいですよ。籠がついているから荷物も置きやすいし。車1台分のスペースに自転車だったら6-7台はおけるはず。排気ガス対策にもなるし・・・

おっと、私も脱線しちゃった。

午後は「地図の読み方」と「GPSの使い方」の指導だということなので、仕事で使ってる簡易GPS(GarminのGEKO101)とモンゴルのアイマグ別地図と主要道路の距離が載ってる全国道路マップを採りに来たわけですね。昼休みに。

ついでに昼ごはんを食べて、ちょっぴり元気を取り戻して午後の授業に出て行ったわけですが・・・

17時過ぎに帰ってきた彼は、再びぐったり。

「机に向かって3時間以上もじっとしてるなんて耐えられない・・・」

んんんんんーーーーー。わかる気がします。

英語の講座受けたいだの、日本語学校通いたいだの、馬頭琴教室に行きたいだのと「お習い事」に意欲的だったガナー君ですが、案の定、今回も企画倒れ・・・

娘の子ぎつねのほうがまだ集中力があります。といっても彼女も親譲りで30分が1人で勉強できる限界なんだけど。まだ2年生だしね。

でも午後の授業に関しては、ガナー君、大活躍だったみたいです。

実は、このGPSの授業というのがモンゴル初の国産カーナビ「Olloo」の女性スタッフが講師だったらしいのですが、彼女、GPSの使い方から読み方、地図との連動などを全く知らない状態で、つまりはOllooカーナビの宣伝営業のためにきちゃったみたいならしんですね。

でも、受講生の皆さん、GPSを初めて見た!って人から、ガナー君同様会社から持たされた人までいろいろいまして、大混乱。

結局、去年のMONNISツアー2010でガナー君もGPSの使い方を見よう見まねで覚えたわけで、にわか講師状態になっちゃったんだと。

Ollooカーナビは、モンゴル人気紀行ジャーナリストのバダムサンボーさんがイメージキャラになっていて、MONNISツアーの案内人だった彼が持っていたカーナビで使い方などを教えてもらったりしていたし、ほかにもGarmin、マゼランなどうちにあるいろんなGPSを使ったことがあったので、画面切り替えとか、どういう場所が衛星採りやすいかはお手の物なのです。

さらに地図の読み方は、やっぱり別のおじいさんドライバーがにわか講師になったらしく。

モンゴルのドライバーさんだけでなく乗馬ガイドさんでも地図読めない人多いんですよね。
地理の授業はあるはずなんですが…。

でも、このようなへっぽこ講師陣で開催されている安全講習会ですが、受講料は30,000tg(約2,000円)で結構なお値段ですが、この安全講習会を受講しないと観光シーズンにツーリストをのせてモンゴル国内を走れなくなるんだそうです。完全に資格ビジネスですね。あれやらこれやら制度でがんじがらめにして、お金を徴収する。

観光業の限定化が進むわけですね。

観光振興はこういう素人講師のお小遣い稼ぎや利権のために制度を作ることよりは、地方のふつうの人々も参画し、自分たちの裁量で旅行の企画運営を安全にまた品質向上を目指しながらできるような制度にするほうがいいと思うんだけどなぁ。

産業振興=国家収入増=お金を採れる形で権利の限定化を図るっていう構造になっちゃうのは仕方ないのかな?

ともかく、ガナー君はテクニックだけでなく知識も裏付けされた観光ドライバー!っていうお国からのお墨付きがいただけるわけなので、モンゴル国内のツアーオペレーターの皆様、ぜひぜひドライバー契約結んでくださいまし。

弊社は今年も細々系になっちゃうと思うので・・・