モンゴルだるま@ウランバートルと草原いったりきたりで落ち着かない。
こんにちは。

さてナーダム休暇が終わり、にわかにお仕事関係があわただしくなってきました。
がっついてツアーを入れておかないでよかった・・・事務処理関係に忙殺されている今、つくづく思います。

7月3日に突如、敢行する事が決まった「馬調達作戦」。約10日間かけて調達と自分たちのベースキャンプへの移動をしました。

乗用馬3頭、種馬1頭、雌馬4頭、子馬4頭を買い付け、約300km余りを大雨、強風、ナーダム賑わいなどの中、連れて帰ってきたわけです。

とりあえず、種馬はホームシックにかかって草を食べないで肩を落としてため息ばかりついて心配させること2日間。その後は一緒に移動してきた乗用馬(去勢馬)と一緒に首をつながれてペアになって落ち着いたのか、草をもしゃもしゃ食べてます。

ある意味、転校生のシャイボーイ+順応派を組み合わせてるうちに、「アタシもがんばるからさ、あんたもがんばんなさいよ、男でしょ」みたいな説得というか応援があったかもしれません。

子馬さんたちは、まぁ、ママと一緒なので、それなりに順応は早く、今は、ゼルという子馬つなぎ紐につながれて、不貞寝するかあばれるかという託児所状態ですが、それなりに元気。

気になるのが、国のナーダムでの競馬会場あたりで7月9日に判明した馬インフルエンザ感染のニュース。

代表的な競争馬の多くがこの馬インフルエンザ感染によって欠場。かつケホケホ人間のように咳をしながらも、ライバルたちと一緒につながれていた競争馬もいるらしく、感染蔓延が懸念されています。

すでに東西南北各地の8アイマグでは馬インフルエンザ流行が確認されておるわけです。

で、何が心配かというと、私達、7月8日ごろにこの競馬会場フイドローンホダグのあたりを通過してるわけです。
そのときは、レースのスタートゲート設置中って感じで特に他に馬などは見かけられなかったのですが、空気感染もするそうなのです。やばーい!

モンゴルの新聞では、「Адууны ханиад(馬の風邪)」と書かれていますが、正式には、「馬インフルエンザ」であることを獣医学研究所の獣医さんに確認しました。

うちの子達は、ケホケホとか怪しげな兆候は見せていないのですが、夏営地のベースキャンプのすぐ近くにある貯水池に水を飲んだり涼みにくる馬の群の中に、馬インフルエンザ感染の兆候が見られる馬たちがいるのです。

インフルエンザっていうんだから、ワクチンはあるのか?と思いきや、一応、モンゴルでもワクチンはあるそうですが、予防効果は期待薄という・・・

人間のインフルエンザでもそうですが、ワクチン接種しておけば感染しないかっていうとそういうわけではなく、症状が軽く済みますよ、ぐらいの話であり、むしろ、かかってからの対症療法が重要。

けほけほと人間が咳き込むような感じになってきたらすぐに隔離、抗生物質の投与と栄養剤などで免疫抵抗力を落とさないように安静にさせることが大事なんだそうです。

一応、ペニシリンやアンピツィリンなど炎症を抑えるタイプは効果があるそうです。
というわけで、ナーダム前に閉店間際の家畜薬局で調達した薬を飲ませて、一応予防対応しております。

それにしてもこれから国内外の人たちが旅行で国内のあちこちを移動するわけでして、空気感染かつ宿主にくっつかないまま衣類などにひっついたままでも結構しぶとく生き残れるウィルスらしいので、感染拡大が心配です。

とりあえず8月まではうちの馬たちは安静にし、かつ地元になじんでいただくため、他の馬群とはくっつかないような形で飼育放牧しているので、大丈夫、と祈っております。

ブシュブシュとくしゃみや鼻水を垂れ流していたり、ゲホッ、ゲホッとかブフォブフォという感じで咳き込んでいたり呼吸が怪しげな馬がいたら、できるだけ近づかないようにしてくださいね。
飛まつ感染、空気感染だってことですから、ツーリストがキャリアになって感染拡大なんてはた迷惑なことになっては残念きわまりません。

というわけで、せっかく、わーい!馬が増えたぞーとはしゃいでいたのですが、手放しで能天気に喜んでいる場合じゃなくなっちゃいました・・・