渋谷陽一はプリンスがブレイクした当時から彼のモチベーションは客との密なコミュニケーションであると言っていた。
ゲイのパフォーマンスは男と女という性別を曖昧にすることで得られるものに期待していた可能性がある。
男女の関係なんていうものは単なる肉体の一部の交わりに過ぎない。
そんな当たり前のものではなくお互いの脳髄が交わるような個の存在自体が溶けてなくなるようなそんな一体感を求めていた。
こう書くとドラッグという言葉が浮かんでくる。多くのアーティストはそちらに流されて命を落とした。
プリンスは外部の媒体には依存せず自分の内側から出てくる音とイメージを表現することでコミュニケーションだけでなく商業的な成功も獲得し新たな次元に進むことを模索していた。
レッド・ツェッペリンの天国への階段のテーマにも通じる。
When all are one and one is all
求道的でもある。
全ての芸術家が目指している境地である。
プリンスは本気でそれをやろうとしていたしそれを表現できる自信もあった。
その可能性を我々は失った。
プリンスの遺したものと遺せなかったもの - 渋谷陽一の「社長はつらいよ」 (2016/04/22)| ブログ | RO69(アールオーロック) - ロッキング・オンの音楽情報サイト