ギングリッジ共和党候補者と「オープン・マリッジ」 | 「成功する国際結婚の秘訣」ブログ

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アメリカは今年大統領選を控えています。

オバマ大統領に対抗できるだけの候補者を選ぶため、共和党ではさまざまな予備選や討論会が行われています。

最初は何人もいた候補者ですが、州レベルで選挙が進むにつれ、すこしずつ絞られてきました。ここにきて勢いが増しているギングリッジ氏という候補者は、先日のCNN主催の討論会での冒頭の質問に対する返答がとても話題になり、テレビのニュース、そしてラジオでも何度も繰り返し報道されました。

その質問とは「あなたの前妻に、オープン・マリッジを迫ったとのことだが、それについて何か弁明は?」

オープン・マリッジとは、結婚していながら配偶者以外の人とも交際することをお互いに認める関係。要は「浮気公認の仲」ということです。

このギングリッジ氏の前妻という人が、いろいろなメディアに出演してその当時の話を暴露していることに端を発したこの質問。

それに対するギングリッジ氏の返答はこんな感じでした。




「大統領候補を決める討論会を、そのような質問で始めるとは」という憤りの表現、そして、「誰にでも間違いはある。自分は過去の過ちを悔い改め生まれ変わった人間だ」「CNNがそのようなニュースをとりあげたということに驚きを隠せない」など、徹底的にメディアを攻撃。

「いや、このニュースは他のネットワークでそもそも取り上げられ・・・・」とCNNの弁護をし始めた司会者に対しても「CNNの討論会の司会者であるあなた、そしてスタッフがこの件をまず最初に質問しようと決めたのだ!」と一喝。

これに対して討論会を視聴している会場の人々は大喝采。中にはスタンディング・オベーションで応援している人々も見られます。

テレビやラジオの報道では、彼の人間性が大統領になるのにふさわしいか?というのとは別の問題として、この最初の5分間で支持者に「強い指導者」というイメージを植え付けるのに成功した、というニュアンスが圧倒的でしたね。

ラジオの公共放送では、このやり取りに対して「CNNの司会者は、ギングリッジ氏が国会議長だった頃、クリントン大統領の不倫スキャンダルで大統領を弾劾しようと執拗に攻撃していたまさに同時期に自分も不倫していたことを引き合いに出して、偽善者ではないか?と指摘すべきだった」という有識者のコメントを紹介していました。

そういえばそんなことがありましたね。

この点を聞いて、以前紹介した"The Shadow Effect"という本を思い出しました。

本の趣旨としては、

他人の中で嫌だなと思う資質(性格や言動)は、自分の中にある弱点や欠点の中で、自分自身が受け入れられていないものの現れである。

他人のそういったダークな部分に激しく(感情的に)反応している自分の中に、やはりそれだけの理由があるのだ


というものです。

確かこの本の中で、3人の著者のうち一人はこのギングリッジ氏のケースについて語っていたような・・・

もっとも、その点を突っ込んだところで「あれは過ちだった」で済まされてしまいそうではありますが。

それにしても、共和党の候補者が決まるまでまだ当分「盛り上がり」そうです。

英語で「ポリティカル・ジャンキー(political junkie)」という言葉があります。「ジャンキー」とはもともと薬物中毒者を指す言葉ですが、転じて何かに「はまっている」人のこと。政治ネタが好きな人々には最高のエンターテイメントですね。