抗精子抗体という言葉をご存知でしょうか?
抗精子抗体というのは女性器に入ってきた精子を異物と判断して攻撃するものです。
精子を無力化しますので妊娠はまずあり得ません。
この抗体にもその強さに個人差があり、問題は強陽性の場合にあります。
こうなると通常、考えられるのは顕微授精のみになります。
以前、潰瘍性大腸炎の治療を手掛けた事があります。
この病気は体内で免疫を司る白血球が自分の大腸の腸壁を攻撃するもので、いつ何時起きるか知れない大量の下血と腹痛に悩まされるもので、国の難病指定を受けています。
手掛けた潰瘍性大腸炎の方は全て完治させることができましたが、どなたも2年以上のかなり長期に渡った治療の末でした。
抗精子抗体も潰瘍性大腸炎も免疫機能の異常なので自律神経治療を中心に行っていけば問題解決に結びつくやも知れません。
しかしながら長期に渡ることが予想されますのでその分当然ながら年齢が進み、卵巣も歳をとり、卵子の質も低下が予想されます。
その辺のジレンマがあります。
以前には出くわさなかったこの種の難題に今はよく出くわしています。
出くわすのは「治して見せろ」と目には見えない誰かの命令なのでやるっきゃないのですが命を削る思いをさせられます。
ま、最近はそんなこんなで夜、電気消した後は6人前後の方に対して遠隔治療を仕掛けています。
ほぼ毎晩気が遠くなって寝入る状態が続いています。
こうなってくると鍼灸治療もけっこう命がけですな。笑