まず、なぜパチンコ店の景品交換所で現金と替えることができるかを復習しましょう。

特殊景品(主にライターの石やコイン入りのカードなどと交換した後、店外の景品交換所で現金と替えることができるが、パチンコ店が景品交換所を経営することは禁じられている。これは、パチンコはギャンブルではないという建前からである。ギャンブルではないという建前の為にパチンコ業界は三店方式と呼ばれる方式を採用している。

■ホールは客の出玉を特殊景品と交換する。

■客は特殊景品を景品交換所に持っていき現金と交換する。(この時、当該パチンコ店の景品でない特殊景品を交換しようとすると何故か詐欺罪になる恐れもある。また、景品交換所を営業する者は各都道府県の公安委員会に古物商の許可申請手続を行わなければならない。)

■景品問屋が景品交換所から特殊景品を買い取り、ホールに卸す。

このホール、景品交換所、景品問屋の三店がまったく違う経営主体という建前のもと、パチンコ業界は違法性を逃れている。

現在、風俗系エステ店がこの“三店方式”に似た形態をとっている。度重なる風営法の改正や東京都条例の締め付けで風俗店は進化し続ける。現在、風俗店を開業することはかなり困難である。また、法律改正で違法エステとなったお店が摘発されれば、お店のオーナーや従業員ばかりか客まで恥ずかしい取調べを受けることになる。店を追われた業者は、ホームページにバーチャナルな店を開店。すべて電話かネット予約。「アクセス」をクリックすると最寄の駅の地図と電話番号しかない。たとえば、「○○エリアにあります」というような感じ。とりあえず電話をすると、店まで電話でナビゲートしてくれる(ケイタイのおかげ)。着いたところは、雑居ビルの四畳半スペースの事務所。そこには女性はいない。電話番の男が一人。説明によると、施術の場所は近くのラブホテルで、そこに女性があとからやって来るということ。事務所でお金を支払い、あとラブホテルで休憩代を払えばそれ以外は一切支払いはない。この関係は、新たな“三店方式”を生み出している。どうやら事務所はエステ業者の管理下にあるようだが、一つの事務所が、自分のところだけでなく旅行代理店のように多くのエステ業者とラブホテルをつなぐ代理業を行なえば必ず儲かる。しかし、怖いのは個人でホームページを開設し、代理店と契約して仕事をする人が増える可能性が高い。店舗の場合は、そこに行けば衛生指導ができたが、法律の締め付けによって衛生管理の指導ができなくなった。エイズなどの病気の危険性が高まる。法律がまったく追いつかない。現在の風営法では住宅地には風俗店はつくれないが、○○興行の保養所という内容で、世田谷の一等地に戸建のエステ店を開業すれば、保健所の管轄になり、警察署ではなくなる。この業界は、ITビジネス以上に日進月歩のアイデアが生まれては消えて生きく。生成発展(?)。最後に、この内容は先日、池袋のある方から伺ったある方の貴重なご体験。