一人は中、高校の同級生、一人は小、中、大学の同級生。3人で久しぶりに会した。共に、三十数年間一つの仕事(会社)で頑張ってきた。

 

 後者の話。

 

 入社後、5年間、毎日、朝昼晩と日に3回会社を辞めたいと思っていたそうだ。東京、京都の転勤を3〜5年ごとに繰り返した。五十台の単身赴任では、全く違う畑に放り込まれ、体力的にもかなりきつかったらしい。

 

 ところがある日、社長から「次は君の番だ」と言われ、しかも「固辞するとかいう選択の余地はない」と明言され、社長に就任したらしい。多くの人が知る有名な会社。

 

 なぜ彼が退職を思いとどまったか、それには理由があった。そこから彼の仕事へのモチベーションが変わったそうだ。

 

 私も同様の経験がある。仕事に対してマイナスのベクトルが強ければ強いほど、それが正方向に変換した時に、そのベクトルは同じ長さを持つから強い。こんな話は、あちこちで聞かれる。

 

 彼はこうも言っていた。

 

 昨今の若者の離職率の高さを憂う。転職サイトのCMが世に溢れる。そういう会社は、コロコロ転職する人が増えれば増えるほど利益を上げる。まさに転職ブームを作り出している。ヘッドハンティングにしても、それを受けても前より良い労働環境は非常に少ないらしい。

 

 その他、いろいろ3時間ほど語り合った。

 

 一筋に30年以上勤めてきた友達同士、みんないろいろあった(ある)が、それでもこうして和気藹々と集えるのは、とても良いこと。ま、人生、それなりにうまく過ごしてきて、終盤戦を迎えられていることを、互いに喜び合った。

 

 高校生の頃、正月になると3人で彼(社長の方)の家に集まって、親父さんか弟君を交えて麻雀をしていたことが懐かしい。