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農業を衰退させた国では、全ての産業が衰退している

〇農業が稼げない職業になった

最近100年でもっとも発展したのはコンピュータなど電子産業や仮想産業、衰退したのは農業で間違いないでしょう。

世界初のコンピュータを開発したのはドイツともアメリカとも言われるが、実用化したのはアメリカだったようです。

コンピュータの一大転機になったのはアポロ計画で、月に人を送るため「コンピュータに考えさせる」必要が生じた。

ウィンドウズのようなOSの先祖がこの時に生まれ、機械制御の自動化なども行われた。

そしてアップルが世界初のパソコンを発売し、スマホが生まれネットという仮想空間が生まれた。

今やネット上は現実の地球より金を稼いでいて、アメリカの大手企業のほとんどは現実世界ではなくネット上で活動している。


一方で最も衰退した農業は、特に個人経営の農家は世界中で成り立たなくなっています。

1800年代に民主化や近代化が始まり、最初は大地主の土地が個人の物になって個人農家が増えました。

だが大戦後に農業が近代化し、世界貿易が自由になると後進国から安い農作物が入ってきました。


先進国のジャガイモが100円で輸入物が10円だったら、業者は10円のジャガイモを買って消費者には50円くらいで売ります。

先進国の農家は出荷しても赤字になるので、農地を放棄して工場や都会で働くようになりました。

だが製造業でも同じ事が起こり、先進国の工場は新興国に移転し、先進国では工場もなくなってしまいました。



〇農林業を保護する欧米と、切り捨てる日本

今日本ではもの凄い勢いで農業人口が減少していて、専業農家はこのままだと10年程度で無くなるのではないかと言われています。

欧米では今も専業農家が存在するが、アメリカでは農家収入の50%は政府などからの補助金だそうです。

欧州も同様で各国は日本に対しては「補助金を廃止して自由化しろ」と言っていますが、自国の農業は保護して閉鎖しています。


北米は木材の輸出産地として知られていますが、やっぱり補助金で林業を保護して日本に輸出します。

日本の政治家はアメリカに市場開放しろと言われると、「はい分かりました」と市場開放しています。

小泉進次郎という自民党の政治家が「日本の農家は甘やかされているから競争させる必要がある」と言っていましたが、きっと彼はアメリカ人か中国人なのでしょう。


IT産業は儲かるが農業はもうからないのでどうでも良いという意見がありますが、不思議な事に農業が強い国はITも強いです。

IT先進国は必ず農業が健全で、農業が衰退している国でITだけ発展した例はありません

米英独仏英はいずれも手厚く農業を保護していますが、IT産業でも日本より成功しています。


つまり農業に限らず「自国産業を保護したり振興しない政府は、どんな産業も育てられない」という事です