両家顔合わせの後の救急車事件では、一体何が原因なのか分からなかった私。
その後数ヶ月は全く問題なく、毎日を普通に過ごしていた。


それから5ヵ月後、1月。

主人と帰宅時間が重なったので、一緒に帰ることにした。
途中の乗り換え駅で何が原因だったか忘れたけど、主人か私が怒って、主人が1人先に歩いていた。
私は実家の母に用があり、前を歩く主人を見ながら電話をかけていた。

乗り換え先の駅に到着。
ちょうどそこで電話を切る。

その瞬間、頭の中がグワンとなった。

え、なにいまの?

驚いて主人を呼び止めようとするが、その後は大丈夫そう。
エスカレーターに乗ろうとしたら、またグワン。
体がバラバラになる感覚がした。
なにこれ、何かおかしい、私の体おかしい…!

エスカレーターで倒れたら大事だと思い、階段を手すりを伝ってそろりそろりと上る。
なかなか来ない私を主人がその先で待っていた。

何か体がおかしい、怖い、どうしよう
でも今治ったみたい

そう訴えても、主人は首をかしげるばかり。

「ごはん食べよー」

そう呑気に言って私の手をひき、近くのイオンに行こうとする。
ひかれるままに歩いてイオンモールへ。
入って歩いていると、また嫌な感覚に襲われ一歩も歩けなくなる。

「また…また始まった!どうしよう怖い歩けない倒れそう」

と言いつつしっかり立ちながら半べそかく私を見て、心配そうな顔をする主人。

「…ごはん……ラストオーダーの時間になっちゃうよ?」


私の心配じゃねーのかよ!!!!


と今は思い切り突っ込めるがその時はそんな余裕もなく、辛いからとにかく何とかしてほしぬて、近くのベンチまで連れてってもらった。

座る頃には呼吸が浅くなり、手足の感覚がなくなり始めていて一生懸命手で腕や足をさすりながら感覚がなくならないように、感覚がなくなっていく恐怖に耐えていた。
何か動かしていないと意識が飛びそうだ。
本当に、怖い。
このまま死んじゃうの?


がたがた震えながらハァハァ浅い息をし、半べそで腕や足をさすりまくる私を見て
さすがの主人もこれはおかしいと思ったのか、やっと私の心配をし始めた。

そのうち私は、この感覚が8月に電車の中で体験したものの同じであることに気づく。
あの時と同じだ…苦しい…

耐えきれなくなって、心配して私を見つめる主人に救急車を呼んで、と頼む。
想定外の事態に、え?救急車? とびっくりする主人。

じゃあなに?
あなたが私を治してくれんの?
手足の感覚がなくなってきてるんだよ!
口まで痺れてきた!
まだ意識があるうちにお願いだから呼んでよ!

ハァハァしながら叫ぶ私。
今思えば、叫ぶ元気があるのだから深刻な事態であるわけがない…
それだけ訴えても、まだ主人は
今~ここで~呼ぶの~俺が~?
と普段ののんびりさに拍車をかけてのんびりしている(ように見えたのでしょう、その時は…)

よく見れば私が座ってるベンチは夕飯を食べに行こうと言っていたイオンモール内のレストランの前!!!

いくら訴えても動いてくれない主人、仕方なく人を呼んできて、とお願いする。
それは出来るらしく、テクテク歩き始める主人。

「歩いてんな!!!走れ!!!」

と背中に怒声をあびせる私…

今にも死んじゃうかも、と半べそかきながらハァハァ息をしつつそれでもイライラ怒る私。

主人がなかなか帰ってこない。
誰か来てもらうまでは、絶対に意識を保たなければならない。
週末には結婚式のドレス試着が控えていた。
こんな人生最高期に、こんなことで死んでたまるか……!!

気を強くもとうと頑張って耐えた。