ある日ぽんちゃんは言った。


「ぽんちゃん、おおきくなったら、やきゅーせんしゅになるの」


え?

野球 選手と結婚するんじゃなくて真顔


ぽんちゃんがなりたいものを言ったのは初めてだった。
たまに「大きくなったら何になりたい?」と聞いていたけど、意味が分からなかったようで「わからない」「ママがだいしゅき」と謎の愛の告白しかされなかった。


きっと小さい頃から野球場に連れてかれてるから、野球選手に憧れたのだろう…
野球帽を保育園に被っていって、
「ぽんちゃん、やきゅーせんしゅになる!!」と意気揚々と先生たちに話していた。


実態はどうあれ、なりたいものがあるのは良いことだ。
私なんか「にんじんになりたい」と言ってたらしいから、何てまともなんだぽんちゃん。
ぽんちゃん、足遅そうだけど、野球やりたいのかもしれない。
男の子に混じって泥まみれで笑顔で走るぽんちゃんを想像してニヤリとした。

お洗濯とか大変なんだろうな。
思春期になって、男の子と体の違いについて悩まないかしら。
何で女の子はプロになれないの?って聞かれたらどう答えよう。


もうすっかり野球少女になることを想像した。


そんなぽんちゃんが夕飯を残していた。

「ぽんちゃん、たくさん食べないと野球選手になれないよ」
「ぽんちゃんやきゅーせんしゅならない。やめた。」


えええええ

「ぽんちゃん、ぷりんしぇすになる」
「野球選手は?」
「ぷりんしぇすになる。だからたべない。」
「プリンセスもたくさん食べないとなれないよ!!」


プリンセスになるそうだ。
振り幅がすごい。
どこかの王子を捕まえないとプリンセスにはなれない…!!!


しばらくプリンセス期は続いた。


そして昨晩。

「ぽんちゃん、明日ディズニーランドだね。プリンセスもいるよ!ぽんちゃん大きくなったらプリンセスなりたいんだもんね~」

「ぽんちゃんぷりんしぇすならないよ。」


えええええ

「またやめたの?野球選手になるの?」
「やきゅーせんしゅならない。ぽんちゃん、△△しぇんしぇーになるの」



は?

△△しぇんしぇーは、ぽんちゃんの担当医だ。笑


「え?ぽんちゃん、△△しぇんしぇーになるの?」
「そうだよぉ。ぽんちゃん、△△しぇんしぇーになるの。」
「なんで?」
「ぽんちゃん、△△しぇんしぇーになってパパにおちゅーしゃするの。いたくないよーって。ママはかんごししゃんになってね。」
「あぁ、お医者さんごっこの話ニヤリいいよ、ママ看護師さんやるよ」
「ちあう!!!ぽんちゃんおおきくなったら、△△しぇんしぇーになりたいの!!!」
「お医者さんになるの?」
「そうだよお」
「たくさんお勉強しないとなれないよ」
「ぽんちゃん、たくしゃんおべんきょーするよ。かんごししゃんは?ママはかんごししゃんなれる?」
「ママは…看護師さんなれないかな…」
「なんで?」
「ママはもう…大人だから…仕事もあるし…」←3歳に現実的すぎる
「ぽんちゃんもおとな?」
「ぽんちゃんは大人じゃないよ。何でもなれるんだよ」
「そうなんだー。ぽんちゃん、△△しぇんしぇーになるよ!」


またすぐ変わるだろうけど、ぽんちゃんの夢は野球選手→プリンセス→医者へ。
赤ちゃんの頃から病院が当たり前のぽんちゃんにとって、医者は身近な存在で、憧れの存在だったのかもしれない。
野球選手やプリンセスと同様に。
(プリンセスって身近なのか?)

子どもが、大きくなったら~と話すのを聞くのは何とも嬉しい。
それを素直に受け取れる自分も嬉しい。
ぽんちゃん、元気になって良かったねニコニコ
ママは野球選手のぽんちゃんも、プリンセスのぽんちゃんも、医者のぽんちゃんも、何にもならなくても、ずっとずっとぽんちゃんを応援してるよ。



ところで。
何で主治医の◯◯しぇんしぇーじゃなくて担当医の△△しぇんしぇーになりたいの笑い泣き
ぽんちゃんなりに、担当医に憧れるところがあったのだろうか。
ママが憧れるなら、優しい優しい主治医だけどなー。