夜寝る前にぽんちゃんがめそめそ泣き出した。
「ぽんちゃん、おきゅーしょくたべるのおそいんだぁ………」
知ってる。
その日はそのまま寝たが、次の日朝ごはんをたべながらまた泣き出す。
「ぽんちゃんね、おきゅーしょくたべるのおそいんだぁ。だからかなしいきもちなの。おきゅーしょくたべるのいやだなぁ」
ぽんちゃんの食べるのが遅いのは周知のことで、保育園の先生たちもあれよこれよと対策してくれてる。
最近は、最初は半量を盛ってもらい、他の子と同じように「おかわり!!」と出来るようにしてくれてるそうだ。
舌の使い方が練習不足のようで、どうしても食べ物が口の奥にいかない。
前歯でモゴモゴやって、のむタイミングがつかめていない。
他の子より遅いのは仕方ない。
だって、離乳食を始めたのだって1年ぐらい遅れてるし、その後も食べない時期がずっとあって、人並みに食べ始めたのは治療が終わってからなんだから。
でも、そこは集団生活。
おそらく何気なくお友達や先生に言われたんだろう。
もしかしたら毎日言われてるのかもしれない。
気が強いぽんちゃんも、傷ついてるんだと思う。
何かが違うと、気づき始めたのかしら。
食べるのが遅いと泣くぽんちゃんを抱き締めた。
「ママはぽんちゃんが食べてくれるだけで嬉しいよ。練習すれば、お友達みたいに食べられるようになるからね。大丈夫だよ。頑張って食べて偉いよ」
ぽんちゃんは泣き止んだ。
こんなことしか言えない。
食事は今でも鬼門だ。
食べなかったことを思い出すと、今でも余裕で泣ける。
だから、食べるのが遅くても、食べてくれることが本当に嬉しいってこと、ぽんちゃんに伝わってると良いな。
レディなのに顔だけ大きくなっていく…