先日また終電に乗って最寄りの近くまで来てからタクシーに乗り換えて帰宅したんだけど
口癖なのかタクシーに乗り込むと運転手さんに
「ちょっと近くて申し訳ないんですが…○○○の方まで」
するとちょっと間を置いて運転手さんがこう言った
「僕は近いとか全く気にしていません。一日何十人ものお客様を乗せて、今日は町田の方にも行きまして、さっきは人形町に行きました。次はどんなお客様に出会えるのかを考えてワクワクしています。」
(ここでもう正直泣きそう)
「そうなんですね、そう言っていただけて嬉しいです。色んな人が乗りますもんね、有名人も酔っ払いも。」
「ええ、だから僕は駅前で付くのです。駅前はまともなお客様が多いですから。」
「確かに。一日仕事なり何かしら頑張ってきて終電逃してタクシーに乗る人が多いですもんね。
しかしポジティブでとてもいいですね!」
「ええ、僕はポジティブに考えるようにしています。なんでもポジティブの方が上手く行く気がするのです。僕は時給換算で○○○○円くらいになりますけど、行く日も行かない日もあります。でも一々気にしても仕方がないです。」
「僕もポジティブなのでとても分かります。」
「福島から出てきて10何年、東京のリズムは速いので、付いていくのにポジティブに考えた方が絶対にいいです。運勢も上がる気がします。」
「お、僕の仲間も福島なんです!桃が美味しいですよね!」
「はい。
次どちらに行けばいいですか?」
「あ、あそこで。」
「すみませんね、接客くさくて。」
「いいえ、本当にこの話が出来てとても楽しかったです!ありがとうございます。」
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僕はポジティブなのですが、運転手さんとのたった5分10分間の会話で改めて沢山のことを考えさせられました。
もちろんこれは実話ですが、字面の内容以外に僕はとても大事なことを3点、気付きました。
①運転手はタクシー業界を代表して、"僕ら"や"うちら"を使わず、あくまで"僕"を使ってきました。それは他人と比較しない表しです。時給まで明かしてくれたけど...(笑) それも同業者と比較せず、自分はこれなら生活できる、そういう基準を設けているということでしょう。
②運転手はご自身の職の中でも自分に合う働き方を見極めています。駅前に行くと割とまともな人に出会えることや、その日その日いくら稼いでも一々気にしないこと。どれも自分をポジティブ思考に導く有効な方法です。
③もしかしたらこの運転手さんは実はそこまでポジティブじゃないかもしれません。ただ自分はポジティブだと口にすることが一番大事です。(ただの自己暗示だと違う意味で心配ですが)
最初は自分のためにも、忘れないように文字にしておきたいエピソードだと思って書きました。しかし書いてみたらもっと沢山の人に読んでほしいと思いました。
いちアーティストとしてじゃなく、ひとりの人間として、一つのノンフィクションとして、文章力ないくせに文学っぽく書こうとカッコ付けましたが、誰かの力になれたらいいなと思いました。
最後まで読んでくれてありがとう。
もし周りに読んで欲しい人が居たらぜひリツイートしてあげてください。