大学の卒論提出後

朱里子さんは母と一緒にオーストラリアへ行きました。


その時期のオーストラリアは温かくとても過ごしやすいので、

寒さで苦しむことはありませんでした。


このとき朱里子さんは

”食べたい。食べたいけれど、食べられない。”

と頭の中でたたかっていました。


幸運なことに、

オーストラリアで素晴らしい精神科医と出会うことができました。

先生の診察を受けたとき、先生から一言。

「私と出会うまでいきていてくれてありがとう。」

そして、

「犯人探しをやめてあなたの将来をみんなで考えましょう。」


朱里子さんは安心感を感じ、久しぶりに空腹感を感じることができました。


病院の帰り道、サンドウィッチに手を伸ばしてひとくち。

母は、ようやく自分の意思で食べ物を食べてくれたと喜んでいました。



ペタしてね


しかし、部屋に帰った後、朱里子さんは

”どうして食べてしまったんだ!!”

と興奮して泣き叫んでいました。


食べようと思えば思うほど食べたくないという思いも強くなっていました。

そのため、いつも
食べたいという気持ちと食べたくない気持ちの間で戦っていました。



食べたら食べたで苦しみが待っている

こんなに食べてはいけないという罪悪感

食べてしまったという自己嫌悪



精神的に苦しんでいる朱里子さんに先生は

「体重が増えるということは本当の自分が増えていくことなんだ。だから安心して食べてくれ!」


しかし、朱里子さんは

食べられずに泣いたり

食べては暴れ泣き叫んでいました。


このとき、朱里子さんは母に衝撃的なことを打ち明けました。


”小学校の時の人の家に預けられたことがとても苦痛だった。

 毎日不安で不安でたまらなかった。

 小さいころいじめにあっていた。

 とてもつらかった。

 その悩みを大好きな母に隠していた。

 母は元気な朱里子が好きだった。

 ずっと言いたかったけれど

 母が聞いてくれそうになかったから

 ずっとだまっていた。”

日本に帰っても

母をなじりつけ

母と一緒に拒食症とたたかっていました。


2年の歳月がかかりましたが、

現在は拒食症が治り

元気に生活しています。



ダイエットのきっかけは

”小さいころから持っていた丸い顔へのコンプレックス”

でしたが、

小さいころに受けた精神的外傷が

拒食症というかたちで

おもてにあらわれてしまいました。


家族内のコミュニケーションを大事にしてください!!

そして、

健康を害するダイエットは絶対にしないでください!!