今回もご訪問くださりありがとうございます。
・・・・・・・やはり気になっていたのだ。
続き
ヘンなものが憑いていると云うことに。
では、また前と同じように桂 為五郎氏のお名前を呼び、ヘンなものを呼び出すとしよう。
「桂 為五郎入ってこい!桂 為五郎入ってこい!」
と呼ぶが、今回は中々入ってこない。
ナニモ入ってこないと云うことは、やはり桂 為五郎氏にはナニカが憑いていると云う証でもある。
もし、何も憑いていなければ、桂 為五郎氏、ご自身の魂が入るのだが、この桂 為五郎氏の魂も入ってこない。
と云うことは、ナニモノかが私の呼び出しに恐れ怨霊の棲む林で息を潜めて隠れている事になる。
ならば無理やり引きずり出すしかない。
と引き続き桂 為五郎氏のお名前を呼び続ける。
すると、しつこい程の呼び出しに耐えられなくなったのかやっと入ってきた。
「お前は、桂 為五郎か?違うようだな。これから聞くことに素直に応えれば許してやるが、応えなければ大変な事になるぞ!どうだ、応えるか?」
と云うが無視をしている。
そこで、やむなく伝家の宝刀を抜く。
と「ヤヤヤ、ヤメテ、ヤメテ、ヤメテクダサイ!!」
「やめてください!だと、先ほど我の云うことに応えるか、と云ったがお前は無視をしただろう。」
「ココ、コタエマス、なな、なんでもこたえますから、ど、どうぞおっしゃってくださいませ」
「よーし、ではお前の前世の仕事から聞こう。お前は何をしていたのだ」
「わ、私は百姓でございました」
「お前が憑いている、この桂 為五郎は何をしていたのだ」
「こ、この男は侍でもずーっと下の方の・・・うーん侍と言ってもいいのか分かりませんが、まぁ百姓とはあまり変わらないぐらいの、まぁ侍と云えば侍でした」
「そうか、では少し待て」
以前、最初に出た怨霊が侍と言ったのは覚えておりますか?
<覚えております>
私は何を喋ったのかは覚えておりませんでしたが、侍に間違いはないようですね。
「よし、お前の言ったことに間違いはないようだな。」
「さ、さようでございますか?私、初めて今、こうやって喋るのですが」
「お前ではない。お前の前に誰かいただろう」
「わたしのまえに?ああっ、おりました、居りました。それが突然居なくなって、私不安で、不安で、いつ私の番が来るのかと想って毎日おどおどしておりました。」
「そうか、ではお前は呼び出されるのは覚悟していたのか」
「覚悟ではないけど、ナニカ得たいの知れないものが突然現れて、前居った人を突然拐っていったものですから、私も、拐(さら)われるんじゃないかと怖くて、怖くてたまりませんでした」
「お前を拐ったりはしないのだ。お前の体の悪いところを治してやろうと想っているだけだ」
「キ、キズを治してくれるのですか?さ、さようで、それほんとうの事でございますか?」
「本当の事だ」
「あ、あなた様のお仕事は、おお、お医者様でございますか?」
次回続く