また起きてはいけない事故が起こってしまいました。


乗務員2名を含む14名の方の命が失われ、

そしてその数倍いる家族や親族、ご友人を悲しませる結果となり


ニュースではバスの運賃の問題やら管理の問題ではないのかと

の報道がしきりに流れています。




私の考えでは、


それは末期がんの患者の方に

「ガンにならないためには?」といった予防方法を教えて、

それをしなかったから、あなたはガンになったんだよ!○-カ!


と小学生が言っているようにしか聞こえません。

(そんな報道に何の意味があるんだ???)



話は飛びますが、


弊社では入社に際して高いハードル(20年前ならきっと当たり前の高さ)を設定しており

県内でもトップクラスの乗務員をそろえていると自負しております。

(最終的に観光乗務する運転手は私を含め5人しかいないけど・・)

(それでもお客様からクレームをいただくこともありますし・・)



いつも採用面接や研修をしていて


「こんなに低いハードルでもハードルを越えられる人間がいなさすぎ・・」


「ただ2種免許に受かればバスの運転手になれると思っているのか????」


と、その運転手という職業を甘く見ているというか、

本人のプロ意識の低さにただただ驚くばかりです。



おおっぴらには言いにくいことですが、

昨年も弊社の方針に耐えられず退職された方が2名いました。



感情の起伏の波が大きく何もないときは素晴らしい乗務員なのに、

ある日突然クレームをいただくことになったり・・


弊社乗務員が徹底して行っている車両の清掃を手抜きし、

再三の注意も聞かずに再度手抜きしたりと・・


お客様に運行後にTELしてヒアリングしたり、

掃除後に私が車両をチェックしたりと

長期間厳しく管理して初めてわかる乗務員の問題もでてきます。


経営的に表面上はそういった問題に目をつぶって運行してしまったほうが

収益は上がるはずですが、私は性格上問題をそのままにできません。




そして私は経営者ですが、後出しじゃんけんのような行為は嫌いなので、

入社前には必ず弊社は色々厳しい会社ですと面接者に繰り返し説明しており、



給与は確かに県内他社の倍近いですが、

それ以上に私のチェックや乗務員に求めるものも他社よりはるかに厳しく、


そのハードルが越せなければ入社してもまかせる仕事が少なくなるので

結果として給与は安くなりますよ・・


とはっきり書面でもお渡ししています。



その中で途中から手抜きやた常務態度の悪化やら

ボロが沢山出るというか態度が変わる方がいまして

私には続けられませんと採用後にお辞めになるケースが結構あります。



私の独断と偏見かもしれませんが、


見えない場所やみられていないだろう場所での手抜きを行う人間は、

観光バスの運転手は不向きだと思っています。



それを乗務間の飲酒?の例で例えるならば、


意識の低い運転手さんは、


1泊2日の乗務で16:00ごろお宿についた際に、


今からお宿で夕食食べて缶ビールを飲んだとしても

そこから8時間以上寝て、

翌朝の乗務までに12時間以上は空けられるし・・のんじゃえ!という発想になります。


(個人差はありますが、缶ビール1本程度の飲酒で12時間空ければ

  たいていの人はアルコールチェッカーで検査しても少しも反応は出ません)



翌日のTU電話での点呼や携帯アルコール検査は上記でも恐らくパスできるでしょう。



でも意識の高い乗務員さんは、

乗務の前の日24時間は少なくとも飲酒しないのは当然の上で、

風邪をひかない貰わないようにと日ごろから準備し

気を付けて体調を整えて乗務委に挑んだ上に、


早くお宿につけばきちんと掃除をし、

次の日の観光地の状況について情報収集を行い


翌朝は早めに起き、朝一番で朝食を済ませ

早めに車両へ向かい車両の点検をしたり最低限の暖気運転を行ったりと


この程度は何も考えずに当たり前に行っています。



一般的に2者の表面上の差はわからないですが


この差は、確率の問題ですがいつか一般の方にもわかるように表に出る時が来るんです。


 (長くなるので詳細を全く説明せずに結論づけますが・・)


それが、私は今回の事故と会社の管理の問題の真髄だと考えています。



ここからさらに一方的に書きますが、


県内では大手を含むすべての会社に今回の事故の可能性はあり、

きっとそれは台数を多く所有して多くの運転手さんを抱えなくてはならない会社のほうが

よりリスクが高くなるはず・・

(乗務員募集!運転免許所得補助あり!なんて掲示しているのを見ると、

 レベルの低い乗務員を雇い危険なバスを増やすな!=

  弊社はレベル低いよーと宣伝しているように私は直結して考えてしまいます。)




要は乗務員の普段の意識の問題まで変えなければ、


法的な管理などどこまで厳しく行っても管理ができないので無意味と思っています。

(国土交通省の人員をあと100倍増やせば管理はできると思いますが・・)





私は小さなバス会社の社長ですから


普段の営業活動から実際の乗務まで行っていて業界を肌で感じていますし、


過去や現在も添乗員として国内海外と飛び回り色々なバスを見積したうえで手配し


実際に乗って他社の運賃などの実情や乗務員の内情もある程度は知っています。



さらには、



弊社のこれはダメですか?他社のあれはいいんですか?と


国土交通省は関東運輸局様に日ごろから電話したり訪ねたり

法的な問い合わせで噛みついていますので、

(すごいご迷惑をかけてるんですよねきっと・・)

同業他社の社長よりは詳しいのではないかと思っています。



そして最終的にその業界を日々変えようとあきらめずに奮闘しているわけでして・・




あれはだめこれはだめ・・ここが法律違反・・とか


騒がれているそんな小さきことをすべて横に置いといて、




バス業界全体の経営者から従業員までの普段からの意識改革を


まずは弊社の社員からと思って


小さき一歩を日々踏み出している今日とそして毎日です。


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法律に頼らない業界の改革は、

やはり一人ひとりの力、民間の力で変えるしかありません。