てるみくらぶさん、世を賑わせてますね。

 

業界人としては悲しい限りですが、

 

学生時代採用面接に行って受からなかったのは今となれば良い思い出になったという事でしょうか。(笑)

 

 

私たち旅行業者から見ても隣の旅行会社の内情ってハッキリ言って外側からは見えない部分が多く、

 

ある程度想定できる場合でいえば、

 

地元の企業の見積もりで相見積りになり争って負ければ、

 

なんだそんな利益でやってるのかとある程度収益と懐具合の想像もつきます。

 

4月に入り、弊社も人材が増えまして、そのうちHPにもスタッフ紹介を増やしますが、

 

少し時間が空いたので久々のつまらないと評判のブログを書いてみました。

 

 

どんな書き方で進めようかと考えていましたが、

 

皆様が思うところの

 

『実際に旅行会社って旅行をお願いしても安全なのか?』

 

とういう点について、

 

旅行業とバス事業を両方行っているという変わった視点から

 

ネットやTVでは絶対に検索できない情報を、

 

私個人の勝手な予測ではありますが本日は書かせていただきます。

 

 

まず単刀直入に伝えますが、

 

弊社も含む100人以下の旅行会社は皆危ないと思って間違いないです。

 

つまりいつテルミさんと同じ状況になってもおかしくないのです。

 

えーそんな事書いて大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、

 

少なくとも当社は大丈夫です。(笑)

 

 

当社は旅行会社とあわせて奇抜?なバス会社を経営しております。

 

そうすると実は、J●BさんやK●Tさんなど大手と呼ばれる旅行会社から、

 

読●旅行さんとかの新聞系などメディアを持つ旅行会社、

 

鉄道系・航空会社系の交通手段を持つ旅行会社

 

さらには県内大手のバス会社、

 

そしてテルミさんのような格安をうたう旅行会社などとのお取引が発生します。

 

 

通常バス代は取引のない会社に対しては先払いをお願いするのですが、

 

その先払いを出来ないか渋ったり、払うと言って払わないのが

 

格安をうたう会社だったり、5人以下の社員数の会社です。

 

弊社でもとりっぱぐれそうになった(集金できない可能性のあった)会社は沢山あります。

 

半年後の支払いなんてザラで、2年待った会社もあります。電話するたびにああでもないこうでもないといい訳ばかりで嫌になりますが、県内の中小旅行会社の6割~8割はそんな状態なのでどの会社もいつ倒産してもおかしくないと私は考えています。

 

なので基本的には、知人の営業マンからの紹介などでの依頼でなければ、事前に入金がない限りバスの確保は行わないのが当社では通常の対応です。

 

ちなみに小さい旅行会社を利用する際に不安であれば、予約金を入れた後に予約してもらった現地ホテルや施設に直接電話して予約がとれていれば少なくとも大丈夫そうな旅行会社だと判断してよいと思います。

 

話が少し脱線していってますが、

 

 

 

私がお勧めする中小でも安心な会社というのは、

 

やはり自社で交通手段を所有している旅行会社です。

 

そして、なるべくであれば交通手段を持つ会社と旅行会社が同一の会社が良いです。

 

大手などでは別れているケースも多いのですが、中小で選ぶならこの条件は必須です。

 

 

 

これは当社もそうなので言える事なのですが、交通手段(当社でいえばバス。以下はバスの例で説明していく)というのは購入すると原価償却されてしまうので、節税のために利益を消す手段としては良いのですが、決算書では毎年会社の純資産がどんどん減っていってしまうのです。

 

仮に5000万円のバス5台を購入し、5年で償却するとなると毎年5000万円会社の資産が減ります。つまりそれ以上に稼がないと純資産は毎年減るのです。

 

そして旅行会社と言うのは、旅行業登録と5年ごとの更新の際に基準資産額という規定があり、当社のような3種旅行業の会社で300万円、2種で700万円、1種で3000万円以上の純資産を所有していないと継続して経営ができません。

 

購入から5年でバスの価値が決算書上はなくなってしまうので、営業していて経営が健全で儲かっていないと、バスを持つ会社は更新はできないのです。実質当社での実体験からも、4年続けて赤字続きで5年目にその分も補填するぐらい一気に稼げるということはまずないので、毎年きっちり健全経営がなされてないと事実上の旅行業の更新は難しいです。

 

そしてバス会社のバスは、まだまだ昭和のバスも現役で走っているようなほど丈夫で大切にされている車両が多く、決算書での価値は原価償却されてなくなっても、いつまでの結構高い値段で売れる乗り物です。なので、リースなどを除きますがバスを所有している以上は決算書上での純資産額以上にの資産を持っていることになり、会社が潰れてもそれ以上の補償を行えるのです。ただ、先にも挙げたように旅行とバスの会社が一緒の会社だと、そもそも毎年健全な経営をしている会社しか続けられないので、突然潰れることも想像しにくいです。

 

それで逆に交通手段などを持たない普通の旅行会社はというと、登録時に基準資産額は持っていないと登録できませんが、5年ごとに持っていれば一時的に減っても大丈夫ということになり、経営が悪化していても更新時期さえ来なければ旅行業は営めるので、その間に今回の様な?計画倒産をもくろもうがバレることはないという事になります。

 

 

話は発展していきますが、さらに基準資産額が一時的になくなっても大丈夫なようにと旅行業では、消費者保護の観点から弁済業務保証金という頼りない制度があります。

 

今回のてるみさんであれば、1種旅行業という登録になり、営業の売り上げが151億円との事なので弁済業務保証金は1億2000万円必要で、5年ごとに審査があります。但しこの保証金は政治家の天下りの温床を作るため?にJATAまたはANTAの協会に加入すると5分の1で済みます。なので、2400万円の補償金を供託することで年間151億円でも法律上は保証できるという協会のお墨付きをもらい営業できるのです。

 

151億円の売り上げを、2400万円の弁済金では補償できませんよね・・

 

今回のケースではてるみさんの加入していた日本旅行業協会と呼ばれるJATAにも加盟する旅行会社を監督する立場として責任があり、今回の被害の相談を受け付ける窓口にもなっています。

 

元々旅行業法というのは今回のテルミさんのようなケースが起こっても消費者を心配させないようにつくられたものなはずなんですが、どうも一般消費者への全額の補償は難しそうです。

 

この補償に関して言えば、一般消費者は対象なのですが、私どもバス会社などの業者は鼻から対象になりません。なので私たちは初めての依頼を受ける際には、一般のお客様は考えもしないでしょうけど、この会社は大丈夫かと色々と探りを入れてバス代を事前入金してもらいはじめて予約を受けるのです。

 

テルミさんのケースでは、取引先のホテルなどの業者は皆これを感じていたのでしょうから、いついつまでに入金されなければ予約を取り消すと内部的には言われていたでしょうね・・

だから航空券代の支払いが滞ったころに、利用者の方が次々に海外でホテル代払えと言われたんだろうな・・

 

弊社では海外旅行はエクスペディアをお勧めしています。エクスペディアの国内ホテルの仕入れはJ●Bさんがやっているはずなので、信用力もあります。ぶっちゃけ最安をうたいながら多少高い事も多いこのサイトですが、ネット予約だけでなくオペレーターが常に対応もしてくれるので一応は安心です。

 

手前味噌な話になっておりますが、当社のような旅行会社でありながらバスを持つ旅行会社では、毎年毎年健全な経営が必要ですし、最終的には基準資産(当社300万)+弁済業務保証金(300万)+バスの価値分(現在2500万円くらい)の補償が可能です。現在弊社では、一月の旅行取り扱いの額は多くても1000万円程度ですから、何かあってもすべて返済はできるということになります。

 

皆様も心配性の方は、交通手段を持つ旅行会社を選ばれてはいかがでしょうか?

 

 

あとさらに付け加えるのであれば、新聞やその他の広告媒体を自社やグループで所有している会社も旅行業では強いです。なぜならば、旅行で一番金がかかるのは利用するお客様を募集するためのPR費・コマーシャル代ですから。広告媒体を持っている旅行会社は、一番のネックの費用が安く済んでいるので、交通手段を持っていなくても圧倒的に強く、つまり信用できるということになります。

 

乱暴に書いたので、細かい点で現状にそぐわない内容もあるかと思いますがおおまかにはこんな感じだと思います。

 

では、日々一歩一歩。

 

 

追伸 本年9月予定で遂に東京支店の開設と3種から2種への旅行業変更登録を行う予定です。さらに使いやすい会社になりますので、今後ともよろしくお願いいたします。