昨日は朝まで飲んでしまい、生活が昼夜逆転しそうですが、
寝ることもできないので何か綴ることができればと思います。

医者という仕事 (朝日文芸文庫)/南木 佳士

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ずっと前から読みたかったと思っていて、前期試験が終了した直後、つい手が伸びてしまった作品です。
文字通り、医者という職業について、著者(現職内科医)の体験・思想が記されています。

印象的なフレーズに、
「人間とはいつか死ななければならない存在なのだ」
とあります。
考えてみると当然ですが、若年であろうが、高齢であろうが、人間はいつか死ななければならず、現代の医療技術を持ってしてもこの事実は回避できない。
少しでも延命することが美とされ、「延命できる=幸せ」。30代で逝ってしまったら可哀想、そのような考えが暗黙の了解としてあるように思います。

また、「医者にはお坊さんの役目も求められているのである」
この考えにはハッとさせられました。病気を治すことで人・社会に貢献したいと考えていた私にとって、死を迎えた方、またその周囲の方々に対して、どのような観念の元で接するということについては定まっていなかったからです。
そして、医者に求められるものは、単に医療行為をすることだけではなく、
患者や周囲の方々に対して、会話や対応、その他些細な言動に至るまでの全行為を責任を持って行うことであるのかなぁと感じるようになりました。

私には死生観といったものがまだ固まっていないのかもしれません。
医者になるまでの間に考え続けることが今後の一つの課題であると思っています。


まだ医学部にすら入れていないので、このようなことを考えることが尚早であることも承知の上ですが、一方で、少しずつ視野を拡げることも重要ではないかと考え、さまざまな作品に触れて生きたいと思っています。