BLCD 『イエスかノーか半分か』感想 | 半腐女ry生活?

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腐っているような腐っていないような声優&アニメヲタが送る感想ブログ。
(と言いつつ、中身はドラマCDの感想ばかり・・・w)

イエスかノーか半分か/インディーズレーベル
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BLCD「イエスかノーか半分か」を聴きました。
2015年3月28日発売 原作:一穂ミチ イラスト:竹美家らら
出演 阿部敦 川原慶久 木村良平 他


人気若手アナウンサーの国江田計は極端な二重人格。王子と称される完璧な外面と、「愚民め」が(心の)口癖の強烈すぎる裏の顔を持っている。もちろん誰にも秘密だ。そんなある日、取材で知り合ったアニメーション作家の都築潮と、オフモードの時に遭遇してしまう。幸い都築は、くたびれたジャージにマスクの男があの国江田計とは気づかない。けれど怪我をした都築の仕事を、計はしばらく手伝う羽目になり…?


国江田計(CV.阿部敦)
27歳。容姿端麗で若手とは思えない読みの技術を持ち、三枚目もこなす旭テレビ所属の人気アナウンサー。真面目で人あたりのいい王子様として有名だが、実はそれは外面で…?
都築潮(CV.川原慶久)
27歳。人気アニメーション作家。マイペースで飾り気がない。旭テレビの夜ニュースのオープニング映像を手掛けることが縁で計と出会うが…。
皆川竜起(CV.木村良平)
25歳。旭テレビ所属の若手アナウンサー。スポーツコーナーを担当。要領がよく人好きのする性格。


川原慶久(都築潮)×阿部敦(国江田計)



※長文です。ご了承ください。



今年に入ってから1本もAtisさんのCDは外れていませんね!また毎月のようにCDを発売してくださり、良作の多いブランドなだけにそれだけで嬉しかったのですが、すこぶる出来が良いので安心して買っています^^。



さて、本作はアナウンサーとアニメーション作家という一見接点のなさそうな2人があらすじの通りに出会って・・・というお話です。
オフモードの国江田は普段のにこやかで礼儀正しい姿とはかけ離れていてたいそう口が悪いです。それだけでなく性格も悪い気がします(^^;。国江田は都築に怪我をさせてしまうのですが、ぶつかった時もまず彼は手に持っていた牛丼の心配をします。それから・・・


「いくら?」
「は?」

「チャリと怪我の治療費。10万でも20万でも払うからそれでいいだろ。どうせ警察行ったって?車両の方が悪者だし」
「はぁ!?」
「俺急いでんだよ。だから手っ取り早く金で解け」
都築、国江田を叩く
「俺もイテーわアホ!どういう教育されてんだ?テメーは。なんでまずすいませんの一言が出てこねーのあぁ?ありがとうとごめんの言えねぇヤツはクズなんだよ」
「さーせーん」(反省なし)


……お、おう。 
態度悪い!(;´Д`A ```
でも、この後牛丼牛丼の話で盛り上がって国江田は都築と素の姿で話すことを楽だと思うようになっていきます。
このシーンは国江田が“おわり”という別名を名乗って素を見せる最初なのですが、その前から心の中では頻繁に悪態をついています。
これをお聴きになる方がどう感じるかによって作品の満足度は変わってくるように思います。先ほども書きました通り作りは良いですが、好みとなるとまた別の話ですからね。
普段無愛想だったり口が悪かったりする人が実は心の優しい人で恋人など特別な人にはその姿を見せてくれるとツンデレと呼ばれ萌えの対象になりますが、国江田は逆ツンデレです(^^;。日頃ニコニコして礼儀正しくて周りからの信頼は厚いですが、心の中では文句ばかり言っています。
都築と恋仲になってからは愛ある毒舌だな~!という風に楽しく見られましたが、放言を受け止めてくれる人がいない間は投げっぱなしな分ちょっと・・・と思われるかもしれません。
とは言っても、国江田は人一倍努力しているので裏の顔を聴かせられるだけのものがあると納得できますし、時々文句の中に笑ってしまうようなものも含まれているので楽しく聴ける方の方が多いのではないでしょうか。
例えば、都築の元へ取材へ行く前に彼が両刀だということを知り国江田は
―好かれちゃったらどうしよう。気を付けないと―
と思っていますが、いざ出向くと都築は仕事が忙しくおざなりの態度を見て、
―てか、あの都築ってヤツもムカつく!アイツ両刀なんだろ?だったら俺みたいな美形が来たことを喜べよ!―
えええ(笑)みたいな。
どのシーンか割愛しますが、
「スタジオをステュージオって言ってろ!クラッカーにちまちました惣菜乗せて小粋なパーティー開いてろ!」
も可笑しいですね(笑)。
ちなみに、先ほど好かれちゃったらどうしようとありましたが、その後すぐに―ま、他人の性癖なんてどうでもいいけど―と続いています。毒は吐いていますが干渉しない部分もありますし正論を述べていることも多いので不思議と許せてしまうのでしょう。
正論について例えを挙げてみます。都築が国江田に態度悪く接してしまったことを謝りたいと“おわり”に相談すると・・・


「謝ったら許してもらえるかな?」
「大丈夫じゃねぇ?」
「マジでそう思う?」

「うぜーなお前。許してもらえなかったら謝んねぇんだったら何もすんなよ。その程度の気持ちなんだろ」
都築、笑ってしまいながら

「お前悪人のくせに正論言うな」(←正論言うんだね。という意味です)


彼も国江田のそういう面に惹かれているところがありそうです黄色い花^^。



私は阿部さんの少々Sチックというかクールさのある役が聴きたいと常日頃思っているので、今回のお芝居にはとても興味がありました。
思っていたよりも可愛さがありましたが、毒づいている時はなかなか容赦がなく、先ほど前半はちょっと辛いかもと書きましたがそう思えるだけの技量を見せていただいたとテンションが上がってもいます!アップ
努力に裏打ちされているという説得力もありますし、人に頼らず(頼れずとも言えます)自分でこなそうとする為どこかいつも一人で背負い込みすぎている感じもあり、いつの間にか応援していました!
特に、本来担当するはずだったアナウンサーが病気で休養することになり夜のニュースの司会に抜擢された初回放送のシーンはぜひお聴きいただきたいです。自信があって周りを見下しているのではなく彼の心の中もまた他の人と同じように不安でいっぱいです。弱さを見せない芯の強さと不器用さを聴いていたらこちらもどんどん熱が入っていきましたメラメラ



そんな国江田をまるごと包んでくれるのが都築です。都築と出会えたことで遠慮なく本音を言える相手ができ、また、国江田の物の見方も変わっていきます。
都築は“おわり”が国江田だということに長い間気づきません。そういう部分だけ捉えると天然なのか?ちょっと抜けている人なのか?と思ってしまいますが、先ほど挙げたシーンからもおわかりいただけますようにしっかりした人です。“おわり”が言いたい放題言っていることをただ聴いているというわけではなく、結構バシバシ意見します。時にはケンカもしつつ、けれど最後にはいつも国江田が帰りたくなる人であり場所でありになってくれています。
2枚目からは皆川が登場しますが、彼を気に食わない国江田は毎日ぶつぶつ言っていて、それに対して都築は「要は僻みだよな?」とか(皆川も)陰で必死に努力してるかもしれないし」とかさらっと言うんですよね。その時はまさか!という風に返しますが後々になってみると・・・!
鋭いですし、それだけ国江田の話をちゃんと聴いてくれているところもいいなと思います。2人の相性は抜群ですね♪ニコニコ
川原さんの甘さのある深い声が文字通りエ□くて、それでいて包容力もあり。加えてアニメーション作家という芸術系のお仕事をしていることもあってか没頭している時は職人気質のオーラもあり、とにかく絶妙なバランスでした!



2人はいい関係になってチャンチャン!と終わると思ったら大間違い!?ですよ^w^
2枚目途中からは皆川が登場します!
私超わっくわく!!!していましたからね!だってーだってー!木村さんのお芝居が聴けるのですものールルルー音譜音譜
「恋愛前夜」にもご出演なさっていますが、なぜか今のところ聴く気にならないため実はまだ積みっぱなしです・・・。そういうわけで、BLCDで木村さんのお芝居を聴くのは本作が初めてだったのです!
皆川というキャラクターは登場した時は明るさと若さと愛嬌だけで仕事も運良く取れているという風に国江田には見えてしまい目の敵にされています。国江田は努力の塊なだけに皆川のことは気に食わないようです。
しかし関わっていくにつれて皆川の別の面も見えてきてどんどん印象が変わってくることでしょう。
で!
木村さんとっても良かったです!!!
声そのものは私が思っていたよりは落ち着いていましたがワンコ感しっぽフリフリがとても出ています。
どの声優さんにも得意なキャラクターや安心して聴ける演技というのがあると思いますが、木村さんの場合その強みは皆川のようなキャラクターで生かされていることが多いと感じています。
少し喋っただけで無条件に人に好かれるキャラだということが声だけで伝わってきます。空気全体を笑顔で棘の無いものに変えてしまえる朗らかさがあるのです。でもそれだけでなく、皆川はとても良く人を見ていて国江田の裏の顔にも初めて会った時から薄々勘付いています。そういうある意味でのコワさを弱みを握ったりほくそ笑んだりなど悪用せずに相手に伝えられてしまうところがとても印象的でした。知ってるけれど知ってるだけだよ!仲良くしたいです!寧ろ好きです!くらいな勢いのあるところもなんとなく憎めません^^。
個人的にはドラマCDでよく聴くものよりは少しアニメ寄りの大きめのお芝居をなさっていたように聞こえましたが、鬱陶しく感じるものではありませんでしたし、皆川のお尻にぶんぶん振られる尻尾が見えた気がして楽しかったです。
その方にしか演じられない個性を出せる声優さんの存在はいつの時代も貴重ですし大切ですよね。木村さんにその気がおありなら私はぜひメインで聴きたいです。発言を聞いている限りあとは事務所次第なのでしょうか?



絡みは4回あります。国江田の口の悪さが絡みでも生かされているのが良いです。している時はもちろんえろいのですが、キャラを捨てていません。ちょっと天然入っているところも可愛いです^^
個人的にイチオシの電話 Hのシーンをご紹介します(*´∇`*)
都築が出張でアメリカに行ってしまいしばらく離れ離れになってしまう2人。国江田はあることがきっかけで電話をかけてみます。話しているうちに段々と都築が色っぽい流れに持っていき・・・


「いーま、その場に俺がいたら触りそうなところ触 れっつってんだよ」
「え?…ぁ…ばか!ばかじゃねぇの!?っていうか変 たい!」
「なんでだよ。一緒にいるのに電話でしようって言ったら変 たいかもしんないけど、物理的に離れてるんだから、普通だろ」
「そりゃまあ…って!なわけねぇだろ!」
「てかさ、マジ嫌ならこのまま切りゃいいじゃん。回線伝って押し倒したりはできねぇし」
「それは」
「触れよ」
「どこ?」
「お前が 触 られたいとこでも、俺が 触 りそうなとこでも」
「わかんねぇよ」
「なんだよ。そんなはっきり指定されてぇの?へぇ…スケベ」
「うっさい……」
「触ってる?」
「…お前が…お前がしたがるから、付き合ってやるだけだぞ。俺はこんなの、全然好きじゃねぇんだから」
「ああ、そうだよ。全面的に俺のせいで、俺しか聞いてないから安心して気持ち よく なってろよ」
「……」
「どこを、触ってる?」
「言えるか…」
「じゃあもっと聞こえるように声出して」
「何がじゃあだよ。いちいち注文付けてんじゃねぇ」
「んー…計、握って、ゆっくり こ す っ て。薬指と小指は使わなくていいから」
「何?」
「しろって」
「やだ」
「まーた嘘ついてる。そうやって三本で 扱 いて、か た くなったら上の方に集中させんの、お前好きだろ」
「やだって」


もっと続きますがこの辺で。

何がイチオシかと言いますと、途中まで都築はいつもの感じなのですがいきなりガラッと空気が変わります。ええ。えろすぎる空気へと・・・!
「呼べよいつでも」的な感じで、思わず一時停止しちゃうようなえろさと強引さがあるわけです。
川原さんの息多めの言葉攻めと、気づいていなかったところから意味を理解してしてしまう計の可愛さを出してくださっている阿部さんにご注目ください!目


そうそう。イチオシと言えば2枚目のトラック3で国江田が不貞腐れてし ね し ね言いながら枕叩くところも好きなんですよね~(*´∇`*)。言葉は凶暴なのに聴いてみるとカワイイラブラブという・・・!
こちらもお聴きになってみてください!



気になったことは、シーンの切り替わりが結構ぶつぶつ切れることがありました。話全体がわかりづらいということはありませんが、もう少し自然に流れていっても良かったかなと思います。
それから、2度目の絡みで最後までせずBGMでフェイドアウトしたのはちょっと消化不良でした。シーン全体丁寧にしていましたしあと少しでフィニッシュだっただけに最後まで入れてほしかったです。



特典CDはお3方で約27分2秒。最初の約6分48秒は巻末に入りきらずこちらに入れたようです。
阿部さんは久々の二重人格(二面性)役だったそう。「ダブルバインド」の三重人格はすごかったなぁと突然思い出してしまった!
特典CDに入った途端木村さんが胡散臭い(笑)。さっきの感想文はけ、消そうかな!(笑)
お2人に(ほぼ木村さんですがw)えろいえろい言われて川原さんが動揺されています^w^
巻末フリト分は作品の話オンリーでしたよ!
特典CDのトークテーマは「収録を終えての感想」「演じたキャラクターの似ている部分や共感できる部分はある?」「役者・声優としてファンや周囲から見られている姿と実際の自分にギャップを感じることはある?」「仕事を取り組む上で実はこんなことをやっている、努力していることはある?」「メッセージ」
木村さんは絡みのシーンで出て行かず聴いていらしたそうです。なぜに!?「恋愛前夜」もそうだったんだー。へー。どう捉えればいいんですかね。容赦なく期待しますよ?
個人的な意見ですが、森川さん、遊佐さん、鳥海さん、岸尾さん、三木さん、平川さん辺りのご出演作に出てみてはいかがでしょう?技術的評判をよく耳にするので。
阿部さんはマスクして“おわり”を演じたら呼吸するのが大変で1枚目の収録は苦労なさったそう。ありがとうございます<(_ _)>ガッツリ&バッチリヘッドホンで堪能させていただきました!
子役から声優に移っていこうと決めた際の木村さんのお話など真面目なものから、突然川原さんが「2人はエ□のオンオフどうしてんの?」といった面白いお話まで盛りだくさんです!
木村さんのご家庭は欧米家庭くらいスキンシップが多かったそうで、そういう家もあるんだなと。私は環境的な意味で川原さんに共感したから安心して!(笑)
皆さん和気あいあいと楽しそうにお話しなさっていました!



最初国江田はこんなに文句ばかり言っていたらストレス溜まって病気になってしまうのでは!?と心配になるくらいでしたが、作品が終わる頃にはそんな気持ちは皆無になっていましたビックリマーク
人がその人にとって一番良い方向へ変わっていくというのを2枚に渡って聴けるのはいいものですね^^。皆様もよろしければお聴きになってみてください!