施設も利用者が選ぶ時代へ | みんなに教わる介護情報伝道師ぬけが行く

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妻の起こした介護情報提供サービスをサポートしながら『介護はXデーが来る前に準備をしておかなければ経済的にも精神的にも大きな損をする』という持論を私は持ちました。それをいかに社会に伝えるかを模索し、その実現するための学びや行動を記していこうと思います。

見たこと、教わったこと

今回紹介するのは、180万円で小規模デイサービスを開業・運営・成功させ、そのノウハウもビジネスとして提供している「あんしんケアねっと」という組織のブログです。

今回テーマにしたいのは低額でデイサービスを提供できる部分ではなく、『デイサービス 選ばれなければ未来はない!』という記事です。

記事によると、組織がある大阪の守口市では各施設の定員に対し要支援・要介護の認定者および利用見込み者が下回る定員割れの状態に達しているといいます。

それにより今後は利用者や家族が施設を選ぶ時代になり、積極的に施設の見学を、体験を行うこれまでの「入れればどこでも」から「どうせなら良い施設で」へと意識変革が起きているとも記しているのです。

記事中にはそうした過当競争を嫌う風潮が業界にはあるけれど、結局は選ばれなければ未来はない、自然淘汰・適者生存の時代が始まったと結んでいます。


新たに知ったこと、考えたこと

介護業界もビジネスである以上、過当競争を嫌うなどとぬるいことは言っていられません。そうしたことを許容していては結局サービスの質の低下に陥るだけでしょう。

介護業界に先立ち、十年以上前にこれと似たような状況に陥り、サービスの質が大幅に変わった業界があります。それは歯科医業界です。

ご存知の方もおられるかと思いますが、歯科医の数はコンビニの数よりも多く、完全に過当競争の状態に陥っています。私が子供のころは待合室で数時間待ちだったのが当たり前の状態でした。それが今は予約制をとっているにしてもほとんど待ち時間はなく、また1回にかける時間も昔とは比べ物にならないほど長くなっているのはそうした状況によるものでしょう。

ところで歯科医をはじめとする医療機関は患者が自分で選択して相手に出向くことができます。しかし介護の世界はそうはいきません。ケアマネージャにケアプランを作成してもらい、その中に利用する施設を入れてもらわなければならない構造になっているからです。

それではケアマネージャに希望する施設をリクエストして、と簡単にいくかといえば、そうでもないのです。

なぜなら日本の現状では多くのケアマネージャは様々な介護施設に所属しているケースが多く、給与もそうした施設から受け取っています。そうなるとどうしても所属する施設がビジネス的にうまくいく必要が生じ、まずは自分の施設を埋めなければならないということになるからです。

よくSNSなどでケアマネージャが「私はAさんにはBという施設が合っていると思っても、まずは自分の所属する施設を埋めなければならず、そのジレンマに苦しんでいる」というような書き込みを目にします。ケアマネージャもそうした制度に苦しんではいるのですが、やはり自分の立場や生活を考えると悩みながらも自分の施設へと導いてしまいがちになるようです。

行政もそうした矛盾や問題に気づいていて、一定の利用者は所属施設外の利用を促すようにはしています。でも根本的な問題解決には至っていないのが現状です。

それでは、解決の方法はないのでしょうか。

いくつか解決方法は存在すると思います。そもそもケアマネージャは利用者や家族が指名するものです。ですから事前に入りたい施設を明確にしておいて、その希望を叶えてくれるケアマネージャを選択すればいいでしょう。数は少ないながらも施設に所属しないフリーでケアマネージャはをしている人もいます。そうした人に問い合わせをしてみたり、施設に所属していてもリクエストに応じてくれる人もいます。そうした人を探し出すことです。

「それは大変」「面倒くさい」と思われるかもしれません。しかし介護の必要性が生じるXデーが来てしまってから施設を見つけ、それを利用させてくれるケアマネージャを見つけるのは時間的、精神的制約から容易なことではありません。だからXデーが来る前に施設だけでも目星をつけておくことが大切なのです。

自身、または親御さんが今後施設の利用が予想されるならば、健常なうちに暇を見つけて近所やネットなどで評判を聞いたり、それに基づいて実際に見学や体験利用をしておくことです。確かに時間をとられますが、それを怠ってXデーが来てからあたふたと探し、結果利用者に合わない施設を利用して状態の悪化が進んだり、そうした利用者を連れて施設ショッピングをする苦労を考えれば、決して損にはならない行動だと思います。これは見方を変えれば将来の投資ともいえるのです。

幸いに利用する状態にならなければそれはラッキーですし、せっかく見学などで時間を費やしたのならばそれを口コミやネットでオープンにすれば、誰かがそれを目にして役立ててくれると思います。情報はビジネスだけでなく、こうした生活の効率化にも役立つものです。それはレストランやホテルを口コミサイトで多くの人が検索していることからもわかるでしょう。それを介護の世界にもあてはめて、多くの人が遠回りや損をしない状況にしたいと私は考えます。



また一つ新たな情報を得て、思いをまとめることができました。感謝です。

もし文中や事例などに誤りがあったり、こうした情報もあるよという方、是非ともお教えください。


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