2007年2月20日に荒木のことを書いた日記があった。


出会い



日記を本にするなんて簡単にできると思ってた。どこかの出版社を探せばいいと思ってた。でもいろいろとやってみて、いかに世間の人が本にしたいと思ってるかがよくわかった。そして、そういう人を狙った出版社が多いことも知った。実費だとたかが500部を作るだけで200万円かかると言われて、自費出版をよく調べたら、50万円ぐらいで作れることもわかった。本の形態にもよるけど、ハードカバーにするか、ソフトカバーにするかだけでも値段は違うし、B6にするか新書版にするかでも違う。もちろん何部印刷するかでも違うから、まったく素人では駄目だと思った。出版関係の仕事をしてる人間は多いけど、本を出版してる人は誰も知らなくて、ミクシィで「文芸社」で検索してみた。そうしたら、荒木さんという作家の人のコミュが出てきて、彼が世田谷に住んでることと、英語の先生をしてること、早稲田出身の私ぐらいの年齢だったことから、その人にメールしてみた。最初から図々しいなって思ったけど、自分のことを書いて日曜日にメールしたら、昨日の夜もう電話があった。最初、病気のことなんかをいろいろと聞かれて、やはり病気のことを世間に知らせることを目的に本を出した方がいいと言われた。

それから、彼は出版ブローカーを紹介してくれると言った。出版ブローカーにもいろいろいて、最初に50万払ってくれって言うのは駄目で、出版社から支払われる報酬の取り分でブローカーに支払ったほうが、ブローカーも本を売るために頑張るんだって教えてくれた。「私ボランティアが大嫌いで、そういうプロにお金を払うのは当たり前だと思ってます。だいたい私ボランティア通訳大嫌いだったんですよ。」って言ったら、彼が「小笹さんっておもしろいですね。僕の勘ですけど、絶対本売れますよ。」って言うの。最初は自己満足で日記を本にする人が多いからって言ってたけど、最後には「実費で本を出版することはないですよ。」って言われて、荒木さんに原稿を見てもらうことになったんだ。

原稿が自己満足の域を出ないのだったら、出版しないことにした。