10月2日(月)より放送がスタートしたNHK連続テレビ小説『わろてんか』は、明治後期から昭和初めの大阪を舞台に、主人公・藤岡てん(葵わかな)が小さな寄席経営を夫婦ではじめ、日本で初めて「笑い」をビジネスにした女性と言われるまでになる姿を描いた物語。

 

Ameba Official Pressでは、出演者のインタビューを掲載。第7回は、青年実業家・伊能栞役を演じる高橋一生に話を聞いた。

 

 

ーー今回『わろてんか』に出演する事が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

 

高橋:僕は若い頃、“朝ドラ”のオーディションを受けていたんです。その後、『おひさま』(2011年度前期)に出演したのですが、あの時は1週だけの登場で、ゲスト的な立ち位置でした。なので今回はいよいよ“レギュラーで朝ドラか!”という感じです。 “朝ドラ”って、月曜から土曜まで、毎日続いていくという仕組みがおもしろいと思います。15分という短い時間の中に、毎回物語を作っていくわけですから。そんな濃い密度の物語の中でお芝居ができるのは、非常におもしろい経験ができるのではないかと期待しています。

 

 

ーー高橋さんは、伊能栞というキャラクターをどんな人物だと捉えて演じられていますか?

 

高橋:一見、完璧に見える男を演じることはとても楽しいです。完璧な人間なんていないわけで、誰しもどこか滑稽であったり情けないところがある。この伊能栞という人間も、完全無欠に見えて実はもろさのある男です。時代を先取りした洋装をよろいのように着こなし、インテリジェンスのかたまりのように見えるけれど、一度誰かに心を許してしまうと、無意識のうちにダメなところを見せてしまう。その複雑な階層が見え隠れするように、演じたいと考えています。

 

 

ーー今後のてんと藤吉(松坂桃李)との関係も気になります。

 

高橋:藤吉と伊能栞は、真逆に見えて、実は同じラインの人間なんだと思います。おてんさんのことを大切に思うライバルのような関係でありながら、エンターテインメントの世界でお客さんを幸せにしたいという思いを持つ同志のようであり、困っていれば手助けしたいという友情もあったりする。置かれた境遇や性格は違うけれど、純粋さは一緒だと思います。男同士、殴り合って心通わせる…というような気質がお互いにあるのも、おもしろいです。「結局、それで仲よくなっちゃうんだ」といった感じで(笑)。 

 

 

ーー撮影現場や共演者の方々の印象を教えてください。

 

高橋:大河ドラマ『軍師官兵衛』で一緒だった松坂さんや濱田さんなど、見知った方がいるのですっと現場に入らせてもらっていますが、周りから大阪の言葉が聞こえてくるので、「あぁ、ここは大阪なんだ」と実感しています。 

 

松坂さんが演じる藤吉にはまったく悪意のない純粋さを感じるし、栞は自分とはかけ離れた藤吉の明るさが好きなんだろうと感じます。濱田さんが演じる風太は、心の動きが分かりやすくて、おてんさんをしゃにむに支えている姿に、おもしろ味を感じます。自分とは違う感覚を持っている人に、栞はとても興味が湧くんだと思います。 おてんさんを演じる葵わかなさんとは、初めての共演です。彼女は、ただ快活なヒロイン像を表現するだけじゃなく、しっかりと「人間」を演じている印象があります。笑う時はよく笑うし、苦しい時は苦しいと表現 する。おてんさんの内面にある「心」がお芝居に出てくるので、とても魅力的だなと感じています。 

 

 

ーー最後に放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

 

高橋:伊能栞という男がこれからどう描かれていくのか、おてんさんへの感情はどう動いていくのか、僕自身も気になることがたくさんあります。彼にはある境遇ゆえのコンプレックスがあるのですが、決してそこにくすぶっているわけではなく、「笑い」をみずから求めていくバイタリティーを持った人間です。自分がワクワクできるものを求め、それをいか にエンターテインメントとして日本に根づかせていくのか、楽しみにしていただきたいです。 『わろてんか』は、たくさんの人々が「笑い」を共有して、みんなが幸せになっていく物語だろうと思います。そこに参加させていただいている僕自身も、その幸せな行く末を期待したいです。

 

 

画像提供:NHK

 

■『わろてんか』公式サイト

■葵わかなインタビュー

■松坂桃李インタビュー