全世界シリーズ累計発行部数7,000万部超の大ベストセラー、月刊『少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載された荒川弘による国民的人気コミックを実写化した映画『鋼の錬金術師』は、幼き日に最愛の母親を亡くした兄・エド(山田涼介)と弟・アル(声:水石亜飛夢)の波乱に満ちた旅と成長のストーリー。

 

本作で、100名以上が参加したオーディションの中からアルのモーションキャプチャーのスタンドインに選ばれ、さらに、現場での佇まいからアルの声優に大抜てきされたのが若手俳優の水石亜飛夢。曽利文彦監督も「まさにエドとアルそのもの」と大絶賛するシンデレラ・ボーイである水石に、今回の抜てきについて、映画の魅力、そして兄弟役を演じた山田涼介との感動エピソードを聞いてきた。

 

 

■「もう一度アルに…」シンデレラストーリーの裏側とは

 

ーー本作で水石さんはアルの声を担当されていますが、もともとはモーションキャプチャーのスタンドイン(実際に画面に立つ人[※この作品ではアルのCG]の代理役)のみの出演予定だったそうですね。

 

水石:はい。オーディションを受けて、アルのスタンドインに決まりました。でも撮影しているときは、声を担当するという話はまったく出ていなかったんです。

 

©2017 荒川弘/SQUARE ENIX ©2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会​

 

ーーまったくですか?では、どのタイミングで声の出演が決定したのですか?

 

水石:撮影が終了してからお話をいただくまでに1年くらいあったと思います。ある日、急にマネージャーさんから「もう一度アルになれますか?」みたいな意味深な文章がきて…(笑)。

 

 

ーー1年も期間が空いてからのその文章…(笑)。

 

水石:「え!?どういうこと?」と心の中がざわざわしながらも、「はい、なれます!」と。一週間くらいしてから「正式に決まりました」という連絡が来たときは、夢じゃないかなと思うほど嬉しかったです。

 

 

ーー今回の抜てきに関して、曽利文彦監督は「今回の大抜てきは、水石くんが実力で勝ち取ったもの」と絶賛のコメントをされています。現場での水石さんの演技が買われたということだと思うのですが、アルを演じるうえでどのような役作りをされていたのでしょう?

 

水石:小学生の頃からハガレンが好きで、とくにアルはゲームでもよく使っていたんです。もともと抱いていたイメージ通り、優しくて兄思いだけど、たまに少年らしくおちゃらける部分もあるアル像を意識して演じさせていただきました。

 

 

ーーなるほど。私も映画を拝見させていただいたのですが、本当に「アルだ!」と思えるほど水石さんの演技が素晴らしかったです。

 

水石:ありがとうございます!僕はみなさんのお相手としてお芝居させていただいていたので、アルに寄せることももちろんなのですが、一番はキャストのみなさんがやりやすいように…ということを考えていました。

 

 

ーーそういった気遣いがまさにアルっぽいですね(笑)。今回、アルを演じてみて共感できる部分などはありましたか?

 

水石:兄がいるので、自分のお兄ちゃんとエドが重なる部分はありました。でも、僕の場合は兄と16歳も年が離れていたので、エドとアルみたいにずっと一緒にいるということが難しくて…。アルってエドをずっと側で支えて、二人三脚みたいなところがあるじゃないですか。そういったしっかりとお兄ちゃんのことを支えている感じには、弟として憧れちゃいますね。

 

 

■兄・山田涼介の言葉に感動「俺の相手は水石くんだから」

 

 

ーーエド役を演じられた山田さんとのコンビネーションも素晴らしかったと監督がおっしゃっていましたが、水石さんから見た山田さんはどんな方ですか?

 

水石:山田さんは、いつも「おはよ、今日もよろしくね(キラッ☆)」と弟の僕にはかっこいい面しか見せないですし、本当のお兄ちゃんのように優しく接してくださるんです。この前、初めて山田さんが人見知りだということを知って、「え!そうだったの!?」と驚きました(笑)。

 

 

ーー兄弟役を演じられたことで、培われた絆のようなものはありますか?

 

水石:監督やプロデユーサーさんから又聞きした話なんですけど、もし続編があったら…というお話をされている時に、「表に出るアル役が違うキャストでも、現場では水石くんがいいなぁ。俺の相手は水石くんだから」みたいなことをおっしゃっていたらしく…!

 

 

ーーそれは感動してしまいますね…!

 

水石:もう1人でジーンと…(手を胸に当てながら)。弟思いで愛が深くて、かっこよくて、憧れの方です。

 

 

■思わず泣いてしまった兄弟喧嘩のシーン

 

©2017 荒川弘/SQUARE ENIX ©2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会​
 

ーーご自身が演じた役がフルCGで映し出されるというのも珍しい体験かと思うのですが、実際に完成した作品ご覧になっていかがでしたか?

 

水石:アルのCGを観たときは「これが自分の動きなのかな」と不思議な感覚になりました(笑)。兄弟喧嘩のシーンでは、自分が出ているシーンなのに泣いてしまって…。でもそれはハガレンが持つお話の強さや監督の演出、キャストさんの魅力なんだと思って、最後までイチ観客として楽しんじゃいましたね。

 

 

 

ーー兄弟喧嘩のシーンは私もグッときました!ほかにもお気に入りのシーンがあれば教えてください。

 

水石:ラストの「兄さんより大きくなってた?」と聞くシーンで、山田さんが泣きながらもちゃんと笑う姿に、もう僕としては「兄さん!!!」と…!今回、兄弟愛が常に描かれている作品になっていると思うので、そこはアルとしても心に残っているシーンです。

 

 

ーーちなみに、本作の中でエド・アルの兄弟以外で好きなキャラクターを挙げるとしたら誰ですか?

 

水石:悩みどころだな~!……ディーン・フジオカさんのマスタング、超カッコイイです。今回はシリアスで真面目な大佐が多かったこともありますが、ディーンさんの役作りと相まって、かっこよすぎて!とても凛々しくて、無能なんて言えないくらいカッコイイ大佐です。雨が降っても炎が出せちゃうんじゃないかなと思えてきますね(笑)。

 

©2017 荒川弘/SQUARE ENIX ©2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会​
 

ーー最後に、これから映画をご覧になるみなさんにメッセージをお願いします!

 

水石:ファンタジー超大作で、友達、家族、兄弟、大切な人、いろいろな人と楽しめる映画になっております。キャストさん、スタッフさんもハガレンに対しての愛はすごく深いので、ぜひその愛をスクリーンで確かめていただきたいです。僕も精一杯、アルに愛を注いで演じましたので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。

 

Photography=Mime Soga

Interview=Ameba

 

 

【作品情報】

 

 

<STORY>

幼くして天才的才能を持つエドと弟アルは、亡くなった母にもう一度会いたいと禁忌(きんき)の「人体錬成」に挑んだ。しかし、結果は失敗。“錬金術とは等価交換である――”その容赦ない鉄則は、エドの左脚と、アルの身体すべてを奪い去った。瀕死のエドは、自らの右腕と引き換えに弟の魂をなんとか引き戻し、近くにあった鎧に定着させた。

多くを失ったエドだが、諦めはしなかった。アルを元の身体に戻す。そう決心し、鋼(はがね)の義肢、オートメイル(機械鎧)をつけた身で、史上最年少の国家錬金術師「鋼の錬金術師」になった。兄は、自分が巻き込んでしまった弟のために。そして弟は、命を捨てる覚悟で自分の魂を錬成してくれた兄のために。絶対の絆で結ばれた兄弟は、失った身体を取り戻すため、カギとなる伝説の「賢者の石」を求めて旅に出る。

支え励ましてくれる人々との出会い。二人の前に現れる謎多きホムンクルス(人造人間)たち。その先に待ち受ける驚愕の真実。そして兄弟は再び、「人間の命とは何なのか──」という命題と向き合うことになる。どんな困難が待ち受けていようとも、エドとアルは前へと進む。すべてを圧倒する愛と信頼、そして兄弟の絆を懸けた、超ド級の冒険が今、始まる!

 

 

映画『鋼の錬金術師』は大ヒット上映中