29kmの壁(旭川マラソン完走記) | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 実は昨日の人間ドック、ちょっとした出来事があった。いや、たいしたことじゃないんだけどね。


 朝からPCに向かってもたもたしていたら危うく遅れそうになり、慌てて病院へ向かった。ギリギリで到着したのだが、46人中44位という、まるで私のマラソン大会の順位のような成績だった。


 そんなわけでなんの検査をするにしても最後の方だったのだが、バリウムの検査で最後に呼ばれて検査室に入り、検査が始まった。何枚かのレントゲン写真を撮った後、技師さんのようすがおかしくなる。


 「あれっ、・・・あれっ、・・・どこだ?・・・ちょっと待ってくださいね、・・・どこだ?」


 マイクを通してそんな声が聞こえ、なんだかあちこちのスイッチをいじっている。


何が起きているんだ?


 まさか被爆したんじゃないだろうな・・・。


 何ごともなかったと信じて完走記を続けます。ちょうど15kmを過ぎたところからです。


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 ここから24km過ぎまでの9km余りは下流に向かって走るため、緩い下りとなる。黙っていてもそれなりのスピードが出るはず。そんな思いで走っていたら、16kmの通過タイムは1時間27分ちょうど。5分33秒かかっている。逆にペースが落ちてしまった。


 気を取り直して気持ちだけペースをあげる。おかげで17kmの通過タイムは1時間32分22秒と、5分22秒にペースは戻った。


 このコース、平坦で走りやすくタイムが出やすいコースといわれている。しかし最大の欠点は声援が少ない、というかほとんどないこと。声援をエネルギーに走る私としてはちょっとつらいコースである。これまで私の成績を見ると、この大会を苦手としている原因はそんなところにあるのかもしれない。


 しかし量的には少ないものの、質的には素晴らしい応援を楽しむことができた。昨日も書いたマラカス(?)の天使たちの他にも、エネルギーをもらえた応援がいくつかあった。特に子どもたち。お母さんと一緒に応援してくれる小さな子どもたちの応援は本当に嬉しかった。ランナーに負けじと全力で声を張り上げてくれる子ども。ありがとうと返事を返すと恥ずかしそうにはにかむ子ども。そんな彼らの応援は、私にとって何よりのサプリメントだ。


 北旭川大橋を過ぎると永山橋の手前で別れたハーフのランナーたちと再び合流する。知り合いのランナーの姿を探すが見あたらない。ハーフのランナーの中にはすでにラストスパートにかかっているランナーもおり、必死の形相で私を抜いていく。もう1周回ってきた後、果たして私にそれだけの元気が残っているだろうか。


 18km地点通過は1時間37分27秒。5分05秒と今度はペースがあがっている。危ない危ない。そろそろ危険な距離になってきている。


 フルマラソンを走っていると、途中で絶好調に感じられるときがやってくる(そういえば、北海道マラソンでは最後までこれがやってこなかった・・・)。だいたい距離にして10km~20kmあたりで。体が軽く感じられ、気分が高揚して、それにまかせて走っていると30kmでつぶれてしまう(笑)。ここは要注意。ここでのペースアップはタブーなのだ。冷静さが残っていたおかげで19km地点の通過タイムは1時間42分48秒。ペースは5分21秒に戻った。


 20km地点では10km地点同様に忙しくなる。カーボショッツを口の中に放り込み、給水所では水とスポンジを取り、20km地点を通過した後メールで書き込みをする。1時間48分02秒。ペースは5分14秒。ここまでは完璧なレース運びと自画自賛する。


 実は14kmの手前当たりでレモンウォーターを口にしたのだが、そのときちょっとお腹がゴロゴロしそうな感じがした。確かにスポーツドリンクと併用はしない方がいいと書いてあった。そのため給水所では水を取ったのだが、多少時間をあけてもダメなのか?さすがにもう1杯飲んで確かめようという気にはならなかった。危険なことは避けるにこしたことはない。おかげでこのあと、半分以上残っているペットボトルは、単なる重石と化してしまった。もう飲まないのなら20kmの給水所で捨てていこうかとも思っていたのだが、貧乏性の私は中身が入っているペットボトルを捨てることはできなかった。


 フルの21kmはハーフでは20kmのちょっと手前。このあたりではハーフの選手の大部分はラストスパートにかかっている。なんとなくこちらも引っ張られてしまう。しかもこの地点にはチームのメンバーも応援に来ている。となると・・・ついついピッチもあがってしまう(爆)。


 21km通過タイムは1時間53分ちょうど。なんと4分58秒までペースはあがってしまった。下りとはいえ調子に乗りすぎだよ・・・。すっかりタブーを忘れて走っている。しかもここで悪魔の一言が。


 「みっちいさんが目の前にいるぞ!」


 おお、確かに。しかしみっちいさんは私の蛍光Tシャツが前にいると元気が出て追いかけてくる人。洞爺湖でも40km手前でしっかりと餌食になってしまった 。前に出たら、絶対に失速できないぞ。と、みっちいさんの背中ばかり見ていたら、中間点の表示をすっかり見落としてしまった。あとからこのことを大いに後悔することになる。


 すぐにみっちいさんに追いついたが、どうやら調子がよくなさそうで、先に行ってくれという。お言葉に甘えてそのまま交わしていった。しかしこのあたりで何ともいえない感覚がやってきた。そう、先週の札幌マラソンで私の足をみごとに止めた、あの右膝痛である。そのせいか、22km通過タイムは1時間58分18秒と5分18秒にペースは落ちた。


 もっともオーバーペースになりそうな気配だったから、ちょうどいいブレーキが働いたかもしれない。が、そんなお気楽なことも言ってられない。先週のように失速すると、20kmもの間苦しんで走らねばならない。そんなのは嫌だ。こんな痛みに負けてられっか!気合いを入れて走ったら、23km通過タイムは2時間03分20秒と、5分02秒にペースがあがってしまった。なんだ、やればできるじゃないか。先週の失速はなんだったのだろう。ただ単に諦める理由がほしかっただけなのか?今日は絶対に諦めない。北海道マラソン以降続いている諦めの連鎖を、絶対今日で断ち切ってやる!


 しかし非情にも、24km通過タイムは2時間08分41秒。また5分21秒に落ちた。速くなったり遅くなったり、どうにもペースのばらつきが目立ってきた。


 再び堤防を上り旭西橋を渡る。ここは一つのポイントと思っていた。2周目の25kmともなると疲れも出てくる。堤防を上り橋を渡りそしてまた堤防を下る。疲れてくると、これが意外と体にも応えてくる。まして膝が痛いとなると・・・。再び石狩川の左岸におり、上流を目指す。25kmは2時間14分07秒。5分26秒でカバーしているので悪くはない。ちょっとホッとした。


 自分のこれまでのフルマラソンを振り返ると、10kmはスパートすることができる。だから30km地点まで足を残してあれば、そこからはペースアップも期待できる。ところが知らず知らずのうちに(体が動くことに騙されたりして)20kmくらいから足を使ってしまうことがあり、そのようなときは30kmからが悲惨なことになる。今日はどうかというと、抑えてきたつもりだ。30kmからのスパートはできるはずだ。5分前後のラップがいくつかあるというのはちょっとした不安材料だけれども・・・。


 30kmからのスパートに備え、それまでは少し力を緩めよう。いや、決してペースを落とすというのではなく、リラックスして力を蓄えるイメージで走っていこう。そして30km地点からは最後の力を振り絞ろう。26km通過タイムは2時間19分27秒。ここも5分20秒といいペースを維持している。前方には見覚えのあるオレンジのウェアが見えてきた。


 naviさん だった。今年出場した3回のフルマラソン。いずれも道中でnaviさん と遭遇している。洞爺湖では20kmの手前。北海道マラソンでもそうだったろうか?もっとも北海道マラソンでは、その後抜かれているが。いずれもサブフォーを達成できなかったnaviさん だが、私自身それら2つのレースよりもハイペースで走っているのに追いついたのはかなり後になってから・・・ということは、今度こそサブフォーに手が届くか?声をかけて、私は先を急いだ。


 27km通過タイムは2時間24分53秒。まだ5分26秒をキープしている。残り15km。キロ6分まで落ちてもサブフォーでは走れる計算になる。ところが・・・。


 28km通過タイムは2時間30分27秒。5分34秒までペースが落ちてしまった。さて、ここからどうするか。私は悩んだ。これまでもそうだったように、ペースが落ちたからペースアップを図ろうか?一時的にはペースを戻せるかもしれないけど、このあとのロングスパートを考えると、まだスタミナを温存しておきたいところ。30kmまでの2kmは30秒台でもやむを得ないか。ここは一つ、体力の温存を優先しよう。


 29km通過タイム。2時間36分11秒。・・・5分44秒。いくらなんでも落ちすぎだろう!こんなに落ちているとは思わなかった。ということは、かなり疲れが出てきているのか?膝痛の奴も、ここぞとばかりに盛り返してくる。ここでこのままずるずるいくわけにはいかない。意識的にペースアップを図った。


 思えば北海道マラソンで収容されたのもおよそ29.5kmの地点。どうやら今年の私には29kmというのが鬼門のようだ。しかし、北海道マラソンの無念があるからこそ、29.5kmから先を走りたくて臨んだこのレース。ここからこそが本番なのだ。ここをきっちり走らないと、年を越すことさえもできない。ちょっと早いが、私はスパートを開始した。


 30kmの手前で抜いた人から声をかけられる。最近、ブログで交流が始まったkanapapa1212さん だった。


 「ここからが勝負ですよ!ガンバです!」


 と声をかけたのだが、kanapapaさん 、実はこれ、自分にかけた声でもあるんですよ。


 30km通過タイムは2時間41分45秒。この1kmは5分34秒。スパートをかけてもこのタイム?残り12kmという距離が非常に重く感じられてきた。と同時に、右膝をかばいながら走っているせいだろうか、左の足首にも痛みを感じるようになってきた。(つづく)


 ここからが マラソンレースの 始まりだ


 今日の練習内容


 旭川マラソンのあと、全然走っていない。いつの間にかオクトーバーランでも、チーム平均を下回っている。今日は何がなんでも走らなきゃ・・・ということで、走った。旭川マラソンの疲労もだいぶ取れてきたかな。ここからまた走り込まなきゃ。


 今日 11km   今月累計 154.9km


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